定点観測
report : 2022 | 
02 / 05

#491 | 実施日 : 2022 / 02 / 05 | 最高気温 : 9.2 | 最低気温 : 0.3 | 天候 : 晴一時曇

機能性×デザイン=多様な中綿入りアウターが男女に浸透!

2022年2月5日(土)に実施した「第491回定点観測」の考察レポートです。

機能性×デザイン=多様な中綿入りアウターが男女に浸透!
ミリタリー/ワーク/アウトドアテイストのアウターがマストレンドに。

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(左から)「中綿入りアウターはよく着ます。普段は黒が多いのですが、インナーとの バランスを考えて、人と被らないのでイエローにしました」(新宿)/「ZOZO TOWNで買ったアウターが長かったので自分で切ってリメイクしました。パンツは地味な色ではなく白がいいと思って選びました」(渋谷)。

1月中旬以降、オミクロン株の登場でたちまち全国の新規感染者数が10万人以上となり、東京もまん防(まん延防止等措置)が適用され、「第6波」のなか実施することになった20222月の定点観測。通常とは異なり、感染防止対策の一環として、「インタビューは1人15分=後日メールやチャット、電話などでフォローする」というスタイルで行いました。


ということで、2月のテーマは以下の3つ。
 
カウントアイテム: 男性/女性中綿入りアウター/ダウンアウター
ズームアップアイテム①:白パンツ
ズームアップアイテム②: ベルテッドアウター
 
 2022年2月の定点観測・トップページはこちら:
 

 
大ヒット&重版決定の新刊本「ストリートファッション1980-2020 定点観測40年の記録」、本の紹介ページはこちらをどうぞ↓(PARCO出版)
https://publishing.parco.jp/books/detail/?id=405 
 
 
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(左から)SACAIのアウターの男性(渋谷)/2000年バンクーバーにてスタートしたブランド「SANDINISTA」のアウターの男性(渋谷)/2021年2月に取り上げたアニマル柄がダウンアウターになって登場(渋谷)/ダウンジャケットやモッズコートなど、スタンドカラーのアウターも人気(新宿)

カウントアイテム:男性/女性中綿入りアウター・ダウンアウター


いつも通り、前日までのプレサーベイで決定した今回のメインテーマは、「男性/女性中綿入りのアウター」。今シーズンは、11月の男女ブルゾン、12月のモッズコート、1月のレザーアウターと、アイテムは多様なものの、全体的に見ると、メンズライクでミリタリーテイスト、ワークテイストのアウターが主流になっていることに改めて気づきます。


そんなワークテイストのアウターに加えておきたかったのが、寒さが厳しくなった年末から増えた「中綿入りアウター」でした。


きっかけは、もう10年くらい前より流行していたミリタリー系のアウターのキルティングになったライナーをアウターとして着用するスタイルでしょうか。アウトドアアイテムの人気や薄手のダウンジャケット類の人気と相まって、「薄手の中綿入り」のアイテムがバラエティ豊かになり、今シーズンは、さらに上品できれいめな中綿入りが、ある種の「素材」となり、多様なデザインとなってリリースされていることで、着用者も広がっています。


ポイントは、ダウンやフェザーだけでなく、インサレーションと呼ばれる保温・防寒のために天然~人工を問わずテクノロジーが駆使されたアウターが増えていることでしょう。一方、ここ数年一般化してきた古着から選ぶ20代も少なくなく、1点もので「人と被らない」ことをポイントとする価値観が再び浮上している点も注目されます。

「今日着ているkolorのアウターは、ショーで一番よくって、発売日に買いに行きました!kolorで初めて買ったアウターです。機能的で着まわしやすいところが気に入っています」という23歳会社員。下に着ているTHE NORTH FACE(ザノースフェイス)の下の方は使い回しできるなと思って購入したのだそう。
インタビューの詳細はこちらへ。

https://www.web-across.com/observe/p7l756000006pa7p.html

 「ASCLO(エジュクロ)が好きで、ダウンが欲しくて買いました」というのは、20歳の大学生(男性)。着丈が短めでぴったりサイズのダウンがかっこいい、とここ数年続いていたビッグサイズシルエットのトレンドとは真逆のテイストを主張していました。ちなみに、ASCLOは人気韓国ブランド!
インタビューの詳細はこちらへ。
https://www.web-across.com/observe/p7l756000006pb0d.html

「私生活で動物性のものを使わないようにしています。ダウンには鳥の羽が使われてますよね。そういうものはなるべく使いたくないので中身がコットン素材のものを選びました。いつも素材を見て購入します」と話してくれたのは、27歳のIT系の会社員の女性。素材はもちろんのこと、その生産背景など、新たに購入してもらうためには、情報開示が大切な時代になっています。

インタビューの詳細はこちらへ。
https://www.web-across.com/observe/p7l756000006p9ol.html
 

渋谷、原宿、新宿各地点の「男性/女性中綿入りアウター・ダウンアウター」は、こちらからどうぞ。(↓)
 
 

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(左から)先ごろFREAK'S STOREとのコラボレーションも実現したヤンガーソングのボーダーの男性(原宿)/今春増えそうなレースなどのシースルーの白パンツの女性(原宿)/上下白でまとめる人も少なくなかった。スカートのようなボトムスに、白レギンスをレイヤードの男性(原宿)/肩にかけた水色とインナーの白が爽やかな印象の男性(原宿)。

ズームアップアイテム①: 白パンツ


1つめのズームアップアイテムはこちら。対象は男女です。

差し色なのか、ハズしなのかは見解が分かれるところですが、重たくなりがちな冬の装いを軽く見せてくれる「白」という色は、これまでにも何度か流行。わざわざ「冬の白」と季節名を入れて観察したこともありました。

今回の流行を「定点観測」から振り返ると、新型コロナウィルスの第1波の緊急事態宣言が明けた後にストリートに浮上した2020年6月でしょう。「クリーンな気分」や「スッキリしたくて」など、インタビューからはそんなワードが多々聞かれました。タイトルは「男女白Tシャツ」としましたが、その後、同年12月に「(冬の)白」、2月の「白ブーツ」、3月の「男女オフホワイト、白」などに加え、ハイブリーチされたヘアなどの流行も相まって、薄めの色素のものがずーっと支持されていったのも記憶に新しいでしょう。

そういえば、もちろん黒いアウターも多い一方、グレーっぽい色、くすんだベージュ・ピンクなどモスカラーの人気も根強く、そのカラーバリエーションの起点としての「白」というコーディネートも目立ちます。なかでも多いのはモスグリーンのモッズコートと白パンツの組み合わせ。ということで、今回は白パンツとアイテムにフォーカスしました。

「ボーダーにグレーが入っていたので、その色に近いこのパンツを選びました」と言うのは、24歳の会社員。
インタビューの詳細はこちらへ。
https://www.web-across.com/observe/p7l756000006p9vr.html
 
*各地点の「白パンツ」はこちら(↓)からどうぞ。
 

*ちなみに、2015年2月に取り上げた「男女白パンツ」、410回定点観測はこちらをどうぞ。
https://www.web-across.com/observe/srnrj2000002pk1c.html 
 
 
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(写真左から順に)人気ショップ「サレン」で買ったコートを着ていた男性(新宿)/左のショート丈のレザー調ブルゾンは80s風、右のスリムなIラインのコートスタイルは90s。すっかり過去のトレンドがストリートではオールフラットに登場している(渋谷)/男性のベルテッドコートは黒の他にベージュ系が支持されていた。男性のヒールブーツもますます拡がっている(原宿)/モヘアやシャギー素材のような質感はマフラーだけでなくコートでも見られる。実は他地点に比べてカラフルな洋服が多いのもここ1~2年の新宿の特徴だ(新宿)。

ズームアップ・アイテム②: ベルテッドアウター


2つ目のズームアップアイテムはこちら。

今月も3つ目のアイテムを決めるにのとて苦戦!編集室のスタッフでフィールドリサーチした結果、今シーズンのアウターで記録から漏れているウールのロング丈コート類に注力しようということになり、決定したのが、ベルトでウエストマークをしてクラシックに着こなすスタイルです。

色は基本的には黒やネイビー、茶系、チェックなどで、素材はウールやレザーがほとんどですが、いわゆるトレンチコートも見られます。対象は男女。中にはグリーンやブルー、ピンクなどの色鮮やかなベルテッドコートも見かけたことから、色や素材は問わないことにしました。

長かったビッグシルエットのトレンドで、Aラインのコート、前を開けてマントやガウンのように裾を翻すようなシルエットから、少しタイトできちんと感のあるエレガントなスタイルへと戻ってきているようにも思います。そういえば、先日終了したパリメンズコレクションでも、ベルトでウエストを絞ったアウターが多数提案されており、90年代っぽいストリートライクなスタイルも増える一方で、エレガントなスタイルも浮上していました。

「先日のファッションウィークで、Y/Project(ワイプロジェクト)やNeil Barrett(ニールバレット)など他にも数多くのブランドがコートのベルトを締めているルックを見て、自分も真似してみました」と言うのは、22歳の大学生。
インタビューの詳細はこちらへ。
https://www.web-across.com/observe/p7l756000006paqt.html
 
 
*各地点の「ベルテッドアウター」はこちら(↓)
https://www.web-across.com/observe/p7l756000006kg5t.html
 
[文責:高野公三子(本誌編集長)]


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