定点観測
report : 2020 | 
11 / 07

#478 | 実施日 : 2020 / 11 / 07 | 最高気温 : 20.6 | 最低気温 : 11.5 | 天候 : 曇

フーディ/フードは、ニューノーマル時代の定番スタイル。

2020年11月7日(土)に実施した「478回定点観測」の考察レポートです。

いろいろ見直しを強いられた2020年。冬の立ち上がりのストリートファッションを振り返ろう。

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20歳前後の若い女性にはネオンカラーやプリント柄などポップなニュアンスのフレアパンツが好まれていた。(左)/アウターとして、上に比較的薄手のアウターを重ねてなど、フーディ・スタイルは後ろ姿にアクセント。霜降りグレーや黒など定番カラーが人気だった(右)。
まもなく今週末には12月5日(土)に実施した12月の定点観測のインタビューを公開する予定だが、その前に、11月7日(土)に実施した今秋冬の立ち上がりの東京のストリートファッションを振り返っておきたい。

前日までのプレサーベイを経て、注目することにしたのは、「男性/女性フーディ・スタイル」、「レザー/エコレザー・アイテム」、「フレアパンツ」の3つです。では、順番に見ていきましょう。

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(左から順に)ポップなコーチコートは、加藤ミリヤさんのブランド、KAWI JAMELE (カウイジャミール)のもの。アラビア語で強く美しいの意味だそう。「強さ」をファッションで表現する流れはもっとトレンドになりそう(渋谷)/シャカシャカ素材のボリューミーでスポーツモードなアウター人気は継続。さらに寒くなったら、この上にもう1枚アウターを重ねてフード部分を出すなどレイヤードができるアジャスタブル感がトレンド(渋谷)/肘まで落ちたドロップショルダーデザインのスタッフジャンパー。ボンテージパンツのようなベルトのついたパンツも20代前半の男性を中心に目にする。ややヒールのあるブーツを履く男子が増えている点にも注目!(新宿)/ミリタリーコートは今シーズンは大きめサイズがおしゃれに見える。“取扱注意”の刺繍が施されたフーディは、デザイナーなどの情報非公開のブランド、ブラックアイパッチのもの(渋谷)。

カウントアイテム:男女フーディ・スタイル
フーディ/フードは、ニューノーマル時代の定番スタイル。


あれ?とお気づきの方もいらっしゃると思いますが、COVID-19の感染者がじわじわ広がっていた2020年3月の「定点観測」に取り上げたメインテーマと同じです。当時は、先が見えない不安感を背景に、フーディで“外界との境界線”を分かりやすく区切りたくなっていたという心理と、防寒対策、スポーティなアイテムというリアルクローズ感といった機能性などが相まって、3地点平均、男性が44.1%、女性は30.7%も着用されていたという結果になりました

当月の考察レポートは以下の通り。海外からの旅行客はもちろんのこと、50代以上〜の年配の人も激減し、久しぶりに“若者の街”と化していました。

あれから約8ヵ月が過ぎ、“Withコロナ”の日常化と、ヨーロッパで進む第3波が懸念されるなか、再び「フーディ・スタイル」が増えているという現象の背景、インサイトはどのようなものなのでしょうか。

「クラウドファンディングMakuakeのオンラインサロンに参加していたことがあり、その繋がりで知り合いがプロジェクトを立ち上げたので、応援の気持ちと、とても機能性のある生地なので買いました。パーカーなのに裏起毛で暖かく、上着いらずでとっても気持ちいいです。サロンに行く日なので、サラッと着れるものがいいと思って今日はこれを着て来ました。知的障害を持つ方のイラストがプリントされた『ヘラルボニー』のハンカチもポイントです」と話してくれたのは、26歳の会社員の女性。購入したのはちょうど1年前の冬。1万5,000円だったそうです。
 
「これを着ると安心するから着ています。上からベストを着たり、大きなシャツと合わせたいです。ゴツゴツしているものをいっぱい身に付けたいです」と答えてくれた女性は、実は新譜がリリースされたばかりのミュージシャン。3年ほど前に、横須賀の古着屋さんで3,000円で購入したものだと話してくれました。今はまっているのは、猫。4月からずっと飼いたいと思っていて、里親募集を見て6月から飼い始めたそうで、後日、ミュージシャン仲間とのインスタライブでお互いに“飼い猫”を披露していました!
 
Off-Whiteの黒いフーディを着ていた20歳の大学生は、お友だちからのプレゼントだそうで、フードが好きな理由を訪ねたところ、「可愛いから」と発言してくれたあと、「周りからの目が嫌で、自分から人が見えないように大きいフードを被りたい」とホンネが。フードのデザインも被る前提で選んでいると話してくれた。
今回インタビューさせてもらった「フーディ」の方々に共通していたのは、新品よりも1、2年前に購入したものだったり、最近購入した人であっても古着屋で購入したものだったりなど、馴染みのあるアイテム、通年着られるアイテム、こなれ感、日常感のようなニュアンスでした。サンプル数が少ないので、それが全てとはいわないものの、季節の変わり目に、“新しいファッションにチャレンジしよう”というムードよりも、ノーマルに安心感のあるアイテムが好まれていたようだった。
 
*渋谷、原宿、新宿の「男性/女性フーディ・スタイル」のスナップはこちら。
https://www.web-across.com/observe/p7l756000004kt32.html
 
 
なお、「定点観測」では、過去40年分の全アイテム一覧を、こちら(https://www.web-across.com/observe/cnsa9a000000wpq4.html)からご覧になれます。

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(写真左から順に)10~20代にはブルゾンやジャケットなど“ふつう丈”のアウターが主流に。ロング丈アウターは今年ぐんと減りそうだ(原宿)/今秋はライダースではなくジャケット型のレザーアウターが多いのが特徴。大ぶりのイヤリング/ピアスも再浮上している(渋谷)/コートの一部がレザーの切り替えになっている珍しいデザイン。部分的なレザー使いでハードになりすぎない(新宿)。
(写真左から順に)黒いフェイクレザーのプリーツスカートはレイビームスのもの(原宿)/今シーズンは黒やベージュ系だけでなく、薄いブルーや白などカラフルなものも目立つ(原宿)/ライダースやシャツジャケットに加え、スタジアムジャンパーもじわじわ増えている(渋谷)。

ズームアップアイテム①:フェイク・エコ・ヴィーガンレザー
昨年のトレンドをもう1回!
COVID1-19禍はトレンドそのものも見直すきっかけに。


1つめのズームアップアイテムはこちら。

対象は男女。なんとこちらも、2020年3月に実施した時と同じテーマでした。
3月(2020AW)の時点でもっと増えるのではと予測されていたレザーまたはエコレザー、フェイクレザーのアイテムでしたが、緊急事態宣言が発令されているうちに季節が春から初夏に。COVID-19禍でコレクションや展示会、店頭での展開がまるまる1シーズンすっ飛んでしまったこと〜いつものようなセールのマインドにならないまま夏が過ぎ、季節が秋になっても気分はあいまい。結局、昨年の秋冬の時に戻った、のかもしれません。

そういえば、11月13日に発売開始となった「+J」は全国各地で大行列。トレンド情報が分かりにくくなったり、気分があいまいになった時に、丁寧に事前〜当日〜後パブをしっかり実施したこともあって、ウェブサイトではあっという間にソールドアウトに。ユニクロというブランドへの安心感にジルサンダーというデザインのストーリーが乗っかって、さらに転売しやすいという記号性も手伝って、ビッグヒット商品になったことは、2020年の業界ニュースの1つといえそうです。

一方、COVID-19禍で生活や持ちもの、さらには人生や生き方など、いろいろじっくり振り返る人が多かったことで、“トレンド“そのものを見直す人、距離をおこうとする人などが増えているのも事実です(「ACROSS」編集室の調査より)。おそらく、このことは、近年トレンド解析に積極的に導入されているAIでは予測できなかったのではないでしょうか。

「大人っぽくなるからレザーアイテムが好きです」と話してくれたのは、2019年3月に青山に旗艦店をオープンしたサザビーリーグのブランド「メゾンスペシャル(MAISON SPECIAL)」のスリーブレス・コートを10月に購入していた25歳の美容師の男性。フェイクレザーでもエコレザーでもなく、“ヴィーガンレザー”というワードで話してくれました。以前はフェイクレザーだと安っぽく見えるような気がしていて、本革が絶対いいと思っていたそうですが、「今動物を大事にとか色々あるので取り入れてみようと思って」とのこと。ヴィーガンレザー≒SDGsがトレンドとしてストレートに影響を与えている様子が伺えました

「去年決めきれなくて、今年やっと買いました」と言うのは、黒いフェイクレザーのプリーツスカートを履いていた大学生の女性。レイビームスのもので、東京ソラマチで9月に購入。スライの黒いフェイクレザーのブーツとセットで着ることで「お休みの日限定の大人っぽいイメージです」と話してくれました。
 
あえて黒でまとめる、という人もいる一方、黒以外の色、白やパステル、ペールトーンなどカラフルなフェイクレザー(エコレザー、ヴィーガンレザー)も増えているのが3月との違いのようです。胃素材との組み合わせのものも登場するなど、その独特の質感や風合い、色味などが、テキスタイルの1つとして活用され始めていることもわかりました。
 
*各地点の「フェイクレザー/エコレザー/ヴィーガンレザー」はこちらからどうぞ。
 
 
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(左から順に)古着風のウォッシュデニムをセットアップ風に着こなした若者。この世代ならではのスタイルのよさで野暮ったいフレアデニムやアディダスのローテクスニーカーを颯爽と着こなしていた(原宿)/ワッフル素材やニット素材以外の上品なフレアパンツが登場しているのが今季の特徴。こちらは白のショートブーツだがロング丈も浮上しており今年はブーツ人気が加速している(原宿)/ボリュームたっぷり重量感のあるアウターにワイドパンツをカットオフしたようなパンツ&サンダルで抜け感を出したスタイル。秋冬になりパープル~ラベンダーカラーの人気が再燃している(原宿)/レイヤードアイテムとしても人気のフレアパンツ。太もも部分は細く重ね着しやすいが足元のボリュームは出せるアイテムとして重宝されている(原宿)。

ズームアップ・アイテム②:フレアパンツ
スタイルアップと70s/90s/00sへのノスタルジー?
ポイントは、ディケードのスーパーミックス


2つ目のズームアップアイテムはこちら。

2008年、2019年と何度となく取り上げているテーマですが、どかーんとヒットしているトレンドアイテムというのではなく、じわじわボディブローのように浸透して、気づいたらかなり増えてきたな、ということで、今回注目することにした。

「フレアパンツは2年前ぐらいからずっと好きで、10本くらい持っています」と言うのは、自身も働いている鎌倉・由比ヶ浜にある古着屋さん「Bent(ベント)」で1万2,000円で購入したフレアパンツを履いていた21歳の女性。フレアパンツ=70年代っぽいイメージがあるそうで、フレアのシルエットが選ぶポイントだと話してくれた。

「ファッションはスタイルアップを重視。ヒールが高いものを履くことが多いので、フレアパンツでヒールをごまかしています」と言うのは、会社員(美容師)の女性。爬虫類や変な店が多い中野や、博物館、美術館がある上野が好きでよく出かけると話してくれた。そんな彼女が参考にしている人は、ファッションや生き方はカナダのミュージシャンのグライムス(Grimes)さん。仕事的には中国・上海のヘアメイクさん、@valentina1121liさんで、自身の作品づくりに夢中になっているそう。

原宿地点で多く見かけたのが、全体的にものすごく幅広いパンツのシルエット。
「Levi’s(リーバイス)のリメイクです」と教えてくれたのは20歳の大学生。カーハートのジャケットにオフホワイトのパーカー、バレンシアガのスニーカーなどと合わせていました。「人と被らない一点もの」ということから、リメイクものが好きで、シャツやスウェットなどもたくさん持っていると話してくれました。

インタビューのサンプル数は少ないものの、観察・撮影したのは3地点合計約500人。女性に多かったのは、スタイルアップを目的としたハイウエストで太もも部分が比較的ピタッとしたフレアパンツ。男性や一部のファッション好きの女性らに目立ったのは、太めで存在感のあるフレアパンツで、過去のいろんな時代のカルチャーをフラットにミックスした2010sのカルチャーミックス感をジェネレーションZ(2000年代生まれ)が享受している「ラグジュアリー・ストリート」といわれているスタイルが新しくストリートに浸透して来ている様子も伺えた。

「ストリートファッションは終わった」、というセオリーもかつてあったようだが、いえいえ。COVID-19禍を経て、いまも確実に更新されている。
 
*各地点の「フレアパンツ」はこちらからどうぞ。
[文責:高野公三子(本誌編集長)]



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