定点観測
report : 2021 | 
07 / 03

#484 | 実施日 : 2021 / 07 / 03 | 最高気温 : 25.8 | 最低気温 : 20.5 | 天候 : 雨後曇

緊急事態宣言が明けたら、サマーセールで一気に賑わっていた7月のストリート。

2021年7月3日(土)に実施した「482回定点観測」の考察レポートです。

シンプルだけどカジュアルになり過ぎない、
ハイトーンヘアとの新しいモノトーンスタイルの台頭。

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(左から)ニット素材のハーフパンツは<ユニクロ>と<マメ クロゴウチ​>によるコラボレーション<Uniqlo and Mame Kurogouchi>のもの。スポーティーなミニ丈ボトムス+ロングブーツは今秋冬増えそう(新宿)/今春まで流行していた色落ちブルージーンズが減少。代わりに黒ボトムスがストリートの主役に。黒〜リジットカラーのデザインデニムも散見された(原宿)/渋谷パルコ周辺では、オールブラックコーディネートの男性が多かった。MIKIOSAKABEらによるスニーカーgroundsがアクセント(渋谷)。

8月12日に発売した単行本『ストリートファッション1980-2020 定点観測40年の記録』(PARCO出版)の追い込みで7月の定点観測の考察レポートが遅れてしまいました。すみません。改めて、8月25日に本稿を公開いたします。

書籍の紹介ページはこちら↓(PARCO出版)
https://publishing.parco.jp/books/detail/?id=405

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延長&延長の緊急事態宣言がようやく解け、「まん防(まん延防止等重点措置)」は延長しそうな7月3日(土)。昨年は、渋谷パルコの営業日に準じて中止や実施を決定していましたが、緊急事態宣言下、路上でインタビューを実施するのは適切か否か、というようなことを鑑み、5月、6月と中止した定点観測を3ヵ月ぶりに実施しました。

通常、GW前後は人びとの装いが大きく変化する時期ですが、4月/7月となったため、当たり前ですが、大きく変化しているだろうと思いきや、プレサーベイを実施してみると、案外そうでもない。緊急事態宣言が延長になった5月、6月にすっかり街の人びとが「通常運転」に戻ったように、装いも通常運転=日常的な装いが散見され、今月のテーマになりました。

取り上げたテーマは以下の通り。

・男性/女性黒ボトムス
・レース/シースルー/かぎ針編み
・ハーフアップヘア 
 
直接渋谷、原宿、新宿地点の7月のストリートファッションのローデータをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
 
2021年7月の定点観測・トップページ:
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(写真左から)4月の定点観測でも取り上げた男性のネックレスがさらに目立っていた。黒パンツは、スラックスやスキニータイプに加え、リラックス感のあるデザインも人気に(新宿)/黒のタックパンツは白Tシャツとのモノトーンコーディネートも多かった。ダメージのあるブラックデニムの男性(左)は+レオパード柄のシャツでインパクト大(新宿)/ペプラムトップスがエレガントな、おとなのブラックスタイル。真っ白なBAOBAOのバッグがアクセントに(渋谷)/おそらくZの次の世代のティーンズには、ミニ丈ボトムが流行中。2020年11月にも取り上げたレザー/エコレザーは春夏も継続して人気だ(渋谷)。

カウントアイテム:男性/女性黒ボトムス
超・定番カラーで奥深い、「モノトーンスタイル」の再考

7月にメインストリームのトレンドとして注目したのは、「男女モノトーン」の装いです。テーマは絞って、「男性/女性黒ボトムス」としました。昨年の緊急事態宣言が明けた6月は「白」が台頭。なかでもシンプルな白いTシャツに、一見同じようでそれぞれの人に選んだストーリーがあって、またサイズ感や丈、シルエットや素材など、こだわりの多様化が確認されたことはここ(考察レポート)でも解説した通りです。
 
秋冬も白スニーカー「冬の白」というテーマで取り上げましたが、白いアウターや白いパンツ、白いブーツと圧倒的に白が人気でしたが、その後、白→(まんま)黒へと一転。白いトップスは継続して人気ですが、黒いボトムスを着用する人が急増していることから、街の風景が一気に「黒っぽい」印象に変化していました。
 
「このパンツはコーデなどなにも考えずに、長くはけるものを探して買いました」と言うのは27歳の男性。大阪のセレクトショップ「FAB4(ファブフォー)」で購入した<sulvam(サルヴァム)>の黒いパンツは4〜5万円したのだそう。合わせていた黒いTシャツは<ALMOSTBLACK(オールモストブラック)>というブランドのもので2万円。<BED J.W. FORD(ベッドフォード)>のブーツは13〜14万円など、実は、近年ストリートで散見されるハイブランド好きの若い男性で、欧米のラグジュアリーブランドとは異なる、「日本人デザイナーのメンズブランド」らしい、気負いのない、日常着の延長にあるモードスタイルの象徴としてのモノトーンスタイルが支持されていた。

 
一方、「このパンツはMame Kurogouchi(マメ クロゴウチ)とUNIQLO(ユニクロ)のコラボのもの。女性らしい形が出そうで発売前からずっと狙って発売の次の日にオンラインで買いました」と話してくれたのは、20歳の女子大学生。服飾を専攻しており、「好きなブランドは?」という問いには、ZARA、HELK(ヘルク)、MAISON SPECIAL(メゾンスペシャル)、ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)、PRADA(プラダ)、Maison Margiela(メゾン マルジェラ)、soduk(スドーク)と新旧および事業規模を超えたデザイナーズブランドの名前があげられた。

 
今回のインタビューでは、「ふだんからモノトーンが好き」「いつも黒ばかり着てしまう」という人に加え、「いつもと違うデザインでも黒だとチャレンジしやすい」、「カジュアルになり過ぎないように」など、超・定番であるのと同時に、服をモノトーンにする一方で、ヘアカラーはハイトーンというバランス感も新鮮だった。
  
渋谷、原宿、新宿各地点の「男性・女性黒ボトムス」は、こちらからどうぞ。

なお、「定点観測」では、過去41年分の全アイテム一覧をこちらからご覧になれます。

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(写真左から)シフォン素材のトップスにレースのワンピースをレイヤードした今年らしいスタイル。ベージュ系のワントーンコーディネートも引き続き一定数見られた(原宿)/レースのビッグカラー(つけ襟?)や透明度の高いトップスなど、個性的なアイテムを着こなしていた2人組(新宿)/インナーにシースルーアイテムを取り入れる人も。大胆な背中見せもモードな黒や柄の入ったシースルー素材で気にならない(渋谷)。

ズームアップアイテム①:
レース/シースルー/かぎ針編みニット/フィッシュニット
1点重ねることで、定番アイテムがデザインアップ。
「+α」させるMDトレンドがマス層を中心に浸透。

1つめのズームアップアイテムはこちら。

レースのブラウスやスカート、シースルー素材のシャツブラウス、かぎ針編みのニット素材のジレやスカートなど、下に着ているものが表に見える、レイヤードスタイルの女性が急増しているので、注目することにしました。

「最近まちなかや店、友人の間で着ている人を見かけることが多く、シースルー系が流行っているなと感じたので買いました」と言うのは2002年生まれの大学生。<アースミュージックアンドエコロジー>のフィッシュネットのワンピースを名古屋の近鉄パッセで購入。なんと1,500円と、下に着ていたジャズドリーム長島で購入した白いTシャツの4,000円よりも安価で、重ねていた<GU>のボトムスと同じ金額、サンダルも3,000円と服はリーズナブルだったものの、バッグは韓国で7万円で購入した<クリスチャンルブタン>、時計は6万円の<アップルウォッチ>というバランス感覚が新しい。そういえば、このところ女性のアップルウォッチユーザーが目立つようになってきました。

 
新宿のニュウマンにあるスーパーエーマーケットで3万円で買った<バッカ>のレーシーなパンツを<Uniqlo and Mame Kurogouchi>の黒いトップスを合わせていたのは31歳の会社員の女性は、「シースルーアイテムはインナー次第でいろいろな着方ができるのでけっこう持ってます」と話す。サクランボが可愛いみにボストンバッグは<サンローラン>のもので12〜13万円で伊勢丹で購入。サンダルやリングなども4〜5万円、ネックレスは10万円と、「セレクトショップ好き」らしいアイテム選びが注目されます。


また、近年アクセサリー類を中心にD2Cのユーザーが増えていますが、彼女もリングやピアスなどをコロナ禍にインスタグラムで購入していました。ということで、お気に入りのアカウントを教えてもらったのが、こちら。VISITFOR_pr(@visitfor)、CUL DE PARIS(@culdeparis_officical)、Pat McGrath(@patmcgrathneal)
 
*各地点の「レース、シースルー、かぎ針編み、フィッシュにっと」はこちらからどうぞ。
 
 
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(写真左から順に)ヘアアクセサリーでハーフアップにするスタイルも散見された。フレンチカジュアルが流行した92年ごろに人気だったバレッタ留めも今後増えそう(渋谷)/サイドの髪を少量ねじったヘアアレンジが花冠のよう。ガーリーなセーラーカラーのトップスにマッチしていた(新宿)/仕事の途中と思われるエプロン姿の男性。剃り込みの入ったサイドの刈り上げはハーフアップにすることで更に目立っていた(新宿)。

ズームアップ・アイテム②:ハーフアップヘア
カラートレンドが先行していた背景に、次のヘアスタイルへの迷いあり?

2つ目のズームアップアイテムはこちら。

ヘアスタイルの一種で、全部をまとめるのではなく、一部をゴムやピンなどでまとめたスタイルをする男女が増えているので取り上げることにしました。

カールのあるゆるふわ系にまとめる女子もいる一方、ぴったり頭の形がわかるくらいタイトにまとめるスタイルも。後者は90sっぽいストリート感や、梅雨だからヘアが広がらないよう意識している人もみられました。

「今髪を伸ばしているのですが、梅雨で髪がうねってしまうのと、全部結ぶにはまだ短いのでハーフアップにしました」と話すのは、メロンカラーの<パロマウール>のコンパクトなベストが印象的だった26歳の女性会社員。全部結ぶと顔の輪郭が出てしまうのでハーフアップにしていると説明してくれました。
 
全体的にハイトーンのヘアカラーの女性に多く、ネジネジひねってアレンジする人も見られましたが、「伸ばし途中」という能動的な人に加え、「しばらくヘアサロンに行ってない」、「次にどんな髪型にしようか迷っている」という人も散見されました。コロナ禍でヘアがカラートレンド先行になっていたように、次にしたいヘアスタイルがわからない、、というような「次の流行への迷い」のような心理も感じられました。
 
[文責:高野公三子(本誌編集長)]



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