なかなか終わらない夏に苦しんだ9月から一転、急激に到来した秋のムードに翻弄されたプレサーベイ。今秋人気のカーディガンやすっかりマス化したセカンドスキントップスといったタイトフィットのロングスリーブトップス等、さまざまな候補が挙がりましたが、今月はバッグの変化に注目。ハンドルバッグや斜めがけではなく肩がけスタイルが一般化していること、さらに00sを彷彿させる過剰なデザインのメタルパーツが目立つということで、カウントアイテムは「女性肩がけレザーバッグ、うちメタル使いバッグ」としました。ズームアップアイテムは、久しぶりに増えてきた「男性ロングヘア」と、ヴィンテージ感もありつつ艶やかな表情の「ベロアタッチアイテム」としました。
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カウントアイテム:女性肩がけレザーバッグ、うちメタル使いバッグ
バッグのサイズは大型がトレンドに!大人っぽく上品なレザーバッグが人気。
今年の定点観測ですでに取り上げている「女性横長バッグ」(2025/2)や「茶系バッグ」(2025/9)のムードが拡大・進化。小型のハンドルバッグが減少し、ショルダーバッグやトートバッグが主流化しています。バレンシアガの「ル シティ」など、 00s頃に“エディターズバッグ”の呼称で流行したサイズ感のバッグが増加。といってもカジュアルな布バッグではなく、大人っぽく上品なレザー素材が主流で、インタビューでは「ブーツと質感を合わせたくてレザーのバッグを選ぶ」という声も聞かれました。昨年ストリートに定着した、ボストンバッグやショートストラップのショルダーバッグ等の横長バッグを小脇に抱えるようなスタイルは継続して見られることもあり、2020年代以降に進行してきたバッグ小型化の流れがいよいよ変化の潮目を迎えています。
さらに注意深く観察してみると、バックルやスタッズ、ハトメ、ジッパー等、金属パーツのディテールが目を引くデザインのものが多いということで、ズームアップは「うちメタル使い」としました。2006/3には「女性レザーバッグうちメタルビジュー付き」を取り上げており、まさに先述したエディターズバッグがヒットしていた時代。いわゆるY2Kブームもいよいよ00s後半のトレンドが参照元になってきた印象です。
■各地点の「女性肩がけレザーバッグ、うちメタル使いバッグ」はこちら
さらに注意深く観察してみると、バックルやスタッズ、ハトメ、ジッパー等、金属パーツのディテールが目を引くデザインのものが多いということで、ズームアップは「うちメタル使い」としました。2006/3には「女性レザーバッグうちメタルビジュー付き」を取り上げており、まさに先述したエディターズバッグがヒットしていた時代。いわゆるY2Kブームもいよいよ00s後半のトレンドが参照元になってきた印象です。
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(左)「ブーツとバッグはザラのもの。同じ色合いで揃えました」と話す女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000005maol.html)。スカートも茶系のスウェードで統一した着こなしがおしゃれ。
(右)「ずっと好き」だというディーゼルのドレスを纏った女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000005matd.html)。パルコにはkemio展を見に来たそう。
(右)「ずっと好き」だというディーゼルのドレスを纏った女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000005matd.html)。パルコにはkemio展を見に来たそう。
ズームアップアイテム①:男性ロングヘア
同じロングヘアでもスタイルの多様化が進行中。
コロナウイルス流行に伴う初めての緊急事態宣言が明けた2020/7、人出が戻った街に増えていた「男性ロングヘア」を記録したのはいまだに記憶に新しいのですが、もう5年も前という事実に驚きます。
今年の初夏頃にはスパイキーショートやツノヘア等、ボーイッシュ/パンキッシュなムードのショートヘアも久しぶりに目立っていたのですが、季節の移り変わりとともに再びロングヘアが増加。プレサーベイで特に新鮮に感じられたのは、90sのアメカジスタイルにワイルドなロングヘアのチーマーっぽいムード。“ギャル”と“ガール”の台頭でフェミニンなムードがリバイバルするなか、アメカジベースの無骨さ=男らしさを含んだロングヘアが気になりました。
もちろんK-POPカルチャーとともにスタンダード化したジェンダーニュートラルでナチュラルなロングヘアをはじめ、00sのギャル男を彷彿させる作りこまれた盛り盛りのロングヘア、ブラックカルチャーの一般化を背景に増加するドレッドヘア、モード感のあるナードなロングヘア(を無造作にくくる/上げるなどのアレンジも)など、さまざまなスタイルのロングヘアがストリートには入り乱れていますが、どれも等しくいまっぽく見えるというのが現代のおもしろいところ。トレンド分散化の傾向はまだまだ継続しそうです。
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今年の初夏頃にはスパイキーショートやツノヘア等、ボーイッシュ/パンキッシュなムードのショートヘアも久しぶりに目立っていたのですが、季節の移り変わりとともに再びロングヘアが増加。プレサーベイで特に新鮮に感じられたのは、90sのアメカジスタイルにワイルドなロングヘアのチーマーっぽいムード。“ギャル”と“ガール”の台頭でフェミニンなムードがリバイバルするなか、アメカジベースの無骨さ=男らしさを含んだロングヘアが気になりました。
もちろんK-POPカルチャーとともにスタンダード化したジェンダーニュートラルでナチュラルなロングヘアをはじめ、00sのギャル男を彷彿させる作りこまれた盛り盛りのロングヘア、ブラックカルチャーの一般化を背景に増加するドレッドヘア、モード感のあるナードなロングヘア(を無造作にくくる/上げるなどのアレンジも)など、さまざまなスタイルのロングヘアがストリートには入り乱れていますが、どれも等しくいまっぽく見えるというのが現代のおもしろいところ。トレンド分散化の傾向はまだまだ継続しそうです。
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(左)「モード感が強いブランドが好きで、今の髪型が自分に似合うと思いました」と話す男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000004vdsa.html)。ヘアサロンは表参道のbroocH(ブローチ)。
(右)「モデルのソフィア・スタインバーグさんを見ていていいなと思ったのでボブにした」と話す男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000005mb0j.html)。ヘアサロンは原宿のnenen(ネネン)。
(右)「モデルのソフィア・スタインバーグさんを見ていていいなと思ったのでボブにした」と話す男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000005mb0j.html)。ヘアサロンは原宿のnenen(ネネン)。
ズームアップアイテム②:ベロアタッチアイテム
ヴィンテージライクなアイテムにもフェミニンなテイストが浸透。
2016/10のズームアップアイテム「ベルベット/ビロード/ベロア/別珍」以来、久しぶりに定点観測で取り上げることになった、ベロア風の光沢感を放つ素材。当時は現在まで続く古着ブームの走りで、レトロかつヴィンテージ感のあるベロアやコーデュロイ素材が流行しました。その後定番化し、秋冬シーズンのたびにストリートに浮上する傾向が継続。しかし今秋見られるベロア(タッチ)アイテムは、少々ムードが異なります。年始に急増したレオパード柄アウターやトラックジャケットがベロア素材になり、春〜夏にじわじわ増えていたサテン素材のキャミソールやパンツといったランジェリー風のアイテムやグラマラス/センシュアルな表情のベロア素材のアイテムが秋を迎えてブレイクしています。
ポイントは光沢感による華やかさや艶っぽさ=ヴィンテージライクでありながら女性らしさを兼ね備えているという点。ギャルブームで台頭したフェミニンなムードを受けてトレンド化したと考えられます。ということで、ベロアに比べるとスムースさに欠け、ややクラシカルでオーセンティック=男性的なイメージと結びつきがちなコーデュロイに関しては今回対象外としています。
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ポイントは光沢感による華やかさや艶っぽさ=ヴィンテージライクでありながら女性らしさを兼ね備えているという点。ギャルブームで台頭したフェミニンなムードを受けてトレンド化したと考えられます。ということで、ベロアに比べるとスムースさに欠け、ややクラシカルでオーセンティック=男性的なイメージと結びつきがちなコーデュロイに関しては今回対象外としています。
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(左)ベロアのトップスはアノマリーズディパートメントのもの。「K-POPアイドルの着用ブランドで、実物をみたら好きになりました」とい話す女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000005mba3.html)。
(右)鮮やかなオレンジが目を引くサテンのワンピースを着用した女性にインタビュー。フリンジやコンチョなど、00sにブレイクしたボヘミアンなテイストも再浮上している(https://www.web-across.com/observe/ppce54000005mcox.html)。
(右)鮮やかなオレンジが目を引くサテンのワンピースを着用した女性にインタビュー。フリンジやコンチョなど、00sにブレイクしたボヘミアンなテイストも再浮上している(https://www.web-across.com/observe/ppce54000005mcox.html)。










