気がつけばもう9月。今年の定点観測も残すところ4回となりましたが、まだまだ秋が遠く感じられる猛暑日が続きます。季節の終わり頃はアイテム決めに苦労する傾向にあるのですが、今年は肌見せのバランス感が変わっていることに気がつき「女性胸元開き」トップスをカウントアイテムに。ズームアップアイテムは、Y2K~ギャルブームによってリバイバルした「ローライズ(見え)ボトムス」、シューズやウェアに続き脱・黒の流れが顕在化している「茶系バッグ」としました。
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カウントアイテム:女性鎖骨見せトップス、うちデコルテ見せ
ヘルシーな肌見せトレンドが拡張され、セクシーなムードが加わった表現が台頭。
ここ数年の傾向として、たしかに大胆な肌見せやボディコンシャスなスタイルは一般化していたのですが、2024/7「女性タイトフィットトップスうちショート丈」、2023/9「女性ショート丈トップス」、2022/8「女性ショート丈見えトップス」と、ショート丈トップスで腹部を露出させるのが主流でした。ところが今夏はヘソ出しスタイルがぐっと減り、キャミソールやオフショルダー、ホルターネック、緩めのVネック、Uネック、スクエアネック、ボートネックといったトップス類による首肩回り〜胸元の露出面積が増えています。タイトなタンクトップも引き続き多いものの、昨夏までに比べるとやはり着丈は伸びている印象。 “ギャル”と“ガール”の台頭でぐっとフェミニンなテイストへと移行した今年の流れと一致するアイテムで、ファッションのテイストを問わず幅広い層で見られます。
ムードとしては00年代前半に近く、当時は02/7「女性鎖骨見せトップス」03/8「背中出し」などのスタイルが繰り返し取り上げられていました。そこで“胸元開き”?“鎖骨見せ”?とアイテム名称をどうしようかと逡巡していたところ、雑誌『ViVi』に“骨格肌見せ”なる表現を発見。骨格診断などのいわゆるパーソナル診断が浸透した世代をターゲットにした雑誌ならではのフレーズに現代性を感じました。いずれにしても、ダンスカルチャーの浸透やボディポジティブの台頭を背景に浮上したヘルシーな肌見せトレンドが拡張され、セクシーなムードが加わった表現へと変化してきたところがポイントと言えそうです。
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ムードとしては00年代前半に近く、当時は02/7「女性鎖骨見せトップス」03/8「背中出し」などのスタイルが繰り返し取り上げられていました。そこで“胸元開き”?“鎖骨見せ”?とアイテム名称をどうしようかと逡巡していたところ、雑誌『ViVi』に“骨格肌見せ”なる表現を発見。骨格診断などのいわゆるパーソナル診断が浸透した世代をターゲットにした雑誌ならではのフレーズに現代性を感じました。いずれにしても、ダンスカルチャーの浸透やボディポジティブの台頭を背景に浮上したヘルシーな肌見せトレンドが拡張され、セクシーなムードが加わった表現へと変化してきたところがポイントと言えそうです。
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(左)「背中を出すのには抵抗があったけど、海外でホルターネックが流行っているので購入しました」と話す女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000004veq9.html)。人気沸騰中のモンチッチ公園に訪れていた。
(右)「マウジー、Eエモダ、エイプが好き。高校時代まで古着系が好きだったけど、20歳からギャル系やY2Kが好きになりました」と話す女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000003bsfv.html)。彼女もモンチッチのチャームをつけていた!
(右)「マウジー、Eエモダ、エイプが好き。高校時代まで古着系が好きだったけど、20歳からギャル系やY2Kが好きになりました」と話す女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000003bsfv.html)。彼女もモンチッチのチャームをつけていた!
ズームアップアイテム①:ローライズ(見え)ボトムス
00sギャル風のローライズ/スケーター風のルーズな腰ばきスタイルが浮上。
いまでは一般的な表現として定着している‟ローライズ“ですが、意外にも過去の定点観測で「ローライズボトムス」として取り上げられたことはありません。基本はギャルから派生するトレンドで、00年代前半には”ヒップハング“”腰パン“などの名称も用いられましたが、現在ではほとんど死語。カウントアイテム同様、00年代前半のムードとリンクするアイテムで、当時もローライズ、夏のブーツ、鎖骨見せスタイルなどが流行しました。その後しばらく鳴りを潜め、2014/8「ミドリフ丈トップス」~2016/8「女性へそ出し/お腹見せスタイル」頃にLAギャル風のスタイルで浮上。その背景にはH&MやForever21等のファストファッション旋風がありました。以降はワイドパンツ&ハイウエスト隆盛ですっかり下火でしたが、Y2Kブームで近年じわじわリバイバル。今年のギャルブームに乗って再びブレイクしています。
また、股上の浅いデザインだけでなく、オーバーサイズのパンツを腰ばきするスタイルも20代前後の若者にマス化。先月のカウントアイテムである「男性ハーフパンツ(5~7分)」との親和性も高く、スケーターやラッパー風のルーズな着こなしが非常に多く見られるほか、トランクスとのレイヤード(フェイク含む)等も人気のため、ウエスト位置の低い着こなしも「ローライズ見え」として観察対象に含めました。
■各地点の「ローライズ(見え)ボトムス」はこちら
また、股上の浅いデザインだけでなく、オーバーサイズのパンツを腰ばきするスタイルも20代前後の若者にマス化。先月のカウントアイテムである「男性ハーフパンツ(5~7分)」との親和性も高く、スケーターやラッパー風のルーズな着こなしが非常に多く見られるほか、トランクスとのレイヤード(フェイク含む)等も人気のため、ウエスト位置の低い着こなしも「ローライズ見え」として観察対象に含めました。
■各地点の「ローライズ(見え)ボトムス」はこちら

(左)「5年前にローライズが絶対に流行ると思っていて、母に聞いたらあったのでもらいました」と話す女性。ギャルというよりは海外SNSのインフルエンサーを見ているという(https://www.web-across.com/observe/ppce54000004vdsa.html)。
(右)「ローライズ風だけどアンダーパンツでハイウェストになっているのがいい」と話す女性。カルバンクライン等のボクサーパンツからトランクスへとパンツのチラ見せスタイルが移行している。(https://www.web-across.com/observe/ppce54000004q3n7.html)。
(右)「ローライズ風だけどアンダーパンツでハイウェストになっているのがいい」と話す女性。カルバンクライン等のボクサーパンツからトランクスへとパンツのチラ見せスタイルが移行している。(https://www.web-across.com/observe/ppce54000004q3n7.html)。
ズームアップアイテム②:茶系バッグ
脱・黒の流れはバッグにも波及。
昨年から脱・黒の流れが加速しているストリート。グレーに始まり、茶/ベージュ系から白/アイボリーへとカラートレンドが移行しています。ウェア以外でいち早くそのトレンドが反映されていたのはシューズで、ティンバーランドやアグ、あるいは先月「(夏の)ブーツ」を取り上げた際にも散見したウエスタンブーツなどのリバイバルによって茶系のシューズが急増していました。
あらためて街を眺めてみると、シューズにとどまらずバッグも茶系へと変化してきていることを発見。大まかに言ってしまうと火付け役となったのはやはりミュウミュウということになるのでしょう。茶系はファッション史的にもギャルたちが好んできたカラーであり、今年のギャル大復活とは切っても切れない関係。また2010年前後の梨花などに代表されるボヘミアン/エスニックなテイストも浮上しており、秋冬にかけてさらに浸透しそうな予感です。
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あらためて街を眺めてみると、シューズにとどまらずバッグも茶系へと変化してきていることを発見。大まかに言ってしまうと火付け役となったのはやはりミュウミュウということになるのでしょう。茶系はファッション史的にもギャルたちが好んできたカラーであり、今年のギャル大復活とは切っても切れない関係。また2010年前後の梨花などに代表されるボヘミアン/エスニックなテイストも浮上しており、秋冬にかけてさらに浸透しそうな予感です。
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(左)「茶色のバッグが流行っているのは知っていて、スウェード生地も流行っていると思っていました。本当はもっと茶色がよかったんです」と話す女性 (https://www.web-across.com/observe/ppce54000004vdgc.html)。
(右)バッグは下北沢の古着屋で買ったもの。「古着っぽいバッグが欲しくて茶色を買いました」と話す女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000004vf27.html)。
(右)バッグは下北沢の古着屋で買ったもの。「古着っぽいバッグが欲しくて茶色を買いました」と話す女性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000004vf27.html)。