年末年始に台頭した90s〜00sのギャルっぽいムード、そして春以降急浮上しているガーリーでロマンティックなスタイルと、ここ数年一般化していたカジュアルでジェンダーニュートラルなスタイルからの移行がはじまった今年のストリート。カラートレンドやシューズのフォルムなどにもさまざまな変化が見られますが、プレサーベイを経てあらためてその多さに気付かされたのが2024/08の定点観測でズームアップアイテムとして取り上げた「チャーム/ぬいぐるみ」 でした。ズームアップアイテムはいよいよ訪れたシューズのトレンドの変化を予感させる「ストラップシューズ/メリージェーン」、ファッショナブルな男性たちから火がついた「クロップドパンツ」を取り上げます。
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カウントアイテム:女性チャーム/ぬいぐるみ、うち複数使い
メガネチャームやチャームコスメなど、“チャーム”の概念が急拡大中。
Y2Kトレンドがマス化した2024SSコレクションあたりからミュウミュウやバレンシアガによってハイファッションの文脈でデコバッグが提案されはじめ、主に韓国アイドルの影響から10〜20代女性の間で定番化し、今年はさらに幅広い層に浸透。いまや男性にも一般化しつつあります。日本においては90年代から女子高生やギャルが学生鞄に大量のぬいぐるみや造花を付けて盛る“かわいい”カルチャーが根付いており、逆輸入的なリバイバルとも言えるでしょう。
バッグチャームはもちろん、ハートやクロスなどロマンティックでゴシックなモチーフのチャームネックレス、新たに登場しているメガネチャームやチャームコスメなど、さまざまなチャームをプラスしてデコラティブにカスタマイズするスタイルが急激に増加しています。その盛り/DIY的な足し算感覚は、ネイルアートやティースジュエリーといった身体装飾、あるいは今年大ヒットしているクラフティなクロシェ編み風ニットの人気などとも大いに共通する部分がありそうです。
■各地点の「女性チャーム/ぬいぐるみ」はこちら
バッグチャームはもちろん、ハートやクロスなどロマンティックでゴシックなモチーフのチャームネックレス、新たに登場しているメガネチャームやチャームコスメなど、さまざまなチャームをプラスしてデコラティブにカスタマイズするスタイルが急激に増加しています。その盛り/DIY的な足し算感覚は、ネイルアートやティースジュエリーといった身体装飾、あるいは今年大ヒットしているクラフティなクロシェ編み風ニットの人気などとも大いに共通する部分がありそうです。
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(左)「ちょっと高いようなバッグにチャームをつけてアンバランスに。2年前くらいからこういうのをつけるようになりましたと」と話す女性。好きなキャラクターはバッドばつ丸だそう(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002jrlc.html)。
(右)「『オシャレ魔女ラブandベリー』みたいなコーデを目指しています」と話す男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002jse0.html)。
(右)「『オシャレ魔女ラブandベリー』みたいなコーデを目指しています」と話す男性(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002jse0.html)。
ズームアップアイテム①:フラットシューズ
ボリューム靴トレンドがひと段落し、華奢なデザインのフラットシューズが浮上。
4月に「ローファー」、5月に「ストラップシューズ」を取り上げたように、シューズのトレンドも大きな転換点を迎えている今年。バレンシアガがリードしここ数年で定番化したボリューム/チャンキーソールのシューズは相変わらず多いものの、その真逆とも言えるフラットシューズ(ぺたんこ靴)が浮上。華奢でコンサバ感のあるポインテッドトゥのパンプスやロングノーズのローファー、あるいはガーリーなストラップシューズやバレエシューズなど、いずれにしてもストリートに台頭するフェミニンなムードにマッチするデザインのシューズが目立ちます。2001/12の定点観測では「女性トンガリ靴、うちぺたんこ靴」、さらに2004〜2006年の間には繰り返し「女靴」(※女性的なデザインのシューズを指す。当時の編集部による呼称)をカウントアイテムとして取り上げていたように、まさに文字通りのY2Kへの回帰。サンダル類が増える夏にはフラットソールがさらに増えそうです。
■各地点の「フラットシューズ」はこちら
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「下がダボっとしているからきれいめでコンパクトなフラットシューズにしました」と話す女性。足元のバランス感覚がいよいよ変化し始めていることが窺える(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002jruw.html)。
(右)「ILLITの夏っぽい少女感が好きで、それを参考にスタイリングを組みました」という女性。今夏のファッションは“少女”がひとつのキーワードになりそう。(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002jrzo.html)。
(右)「ILLITの夏っぽい少女感が好きで、それを参考にスタイリングを組みました」という女性。今夏のファッションは“少女”がひとつのキーワードになりそう。(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002jrzo.html)。
ズームアップアイテム②:クロップドパンツ
膝〜膝下あたりの微妙な丈感のボトムスが台頭。ルーズなムードがポイント。
2024年の夏頃から、ファッショナブルな男性たちを中心にブレイクした半端丈のパンツ。2024/06「ソックス見せスタイル」2024/07「バギーショーツ/ワイドショーツ」と立て続けにハーフパンツを取り上げました。当時は膝下丈くらいのハーフパンツが多数派。今年もそのトレンドは継続しつつ、ストリートで新鮮に映ったのは7〜8分くらいの微妙な丈感でした。そのため「ハーフパンツ」ではなく「クロップドパンツ」として再度注目することに。ゆったりとしたバギーシルエットは相変わらずで、ルーズでストリート感のある着こなしが主流。90sのアメカジ/B系っぽいスタイルやネメス等のデザイナーズブランドが人気だった1993/03「裾ちょん切りパンツ」(※当時の編集部による呼称)のムードと似たものを感じます。同じようなワイドシルエットの半端丈ボトムスといえば“ガウチョパンツ”が2015年頃に大流行しましたが、当時はノームコアブームの真っ只中で、いま見返してみると驚くほどコンサバでまったく違ったアイテムに見えます。逆にこの先リバイバルがありそうなのは、一部のエッジィな層で浮上している00sデザイナーズブランドっぽい細身のタイプかもしれません。
■各地点の「クロップドパンツ」はこちら
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(左)トロンプルイユが目を引くバギーショーツはACNE STUDIOUSのもの(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002iwk0.html)。
(右)「女性がはくことで生まれる違和感やバランスが好きでクロップド丈はよくアイテムに取り入れます」という女性。細身のシルエットが新鮮(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002jssc.html)。
(右)「女性がはくことで生まれる違和感やバランスが好きでクロップド丈はよくアイテムに取り入れます」という女性。細身のシルエットが新鮮(https://www.web-across.com/observe/ppce54000002jssc.html)。