第542回定点観測(2026年5月) 考察レポート
定点観測
report : 2026 | 
05 / 09

#542 | 実施日 : 2026 / 05 / 09 | 最高気温 : 23.7 | 最低気温 : 15.9 | 天候 : 晴時々薄曇

第542回定点観測(2026年5月) 考察レポート

トレンドの変化はやや停滞ムードの2026年、あらためて大定番アイテムに注目。

程よく温暖な気候に大型連休のムードも相俟って、緩やかな空気に満ちた5月上旬のストリート。ここ数年、季節の変わり目の定番となったシャツスタイルを中心に、早くも半袖トップスも見られるなど、暦の上では春ですが人々の装いは分散化。2025年は「女性~~」を繰り返し取り上げてきたようにどちらかといえば女性のトレンドに大きな動きがあったのですが、2026年はやや停滞ムードということもあり、アイテム選定に苦心した結果、男性の足元の変化に注目することに。ティンバーランドのブーツやローファーなど、冬までは多く見られたレザーシューズが減少し、再びスニーカーが目立つようになっており、「男性スニーカー、うち黒スニーカー」をあらためてカウントする運びとなりました。

ズームアップアイテムは、昨年頃からマス化している「女性カーディガン」、色柄が久しぶりに浮上する今春のストリートで特に目を引く「ボーダー柄」をそれぞれ取り上げました。

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カウントアイテム:男性スニーカー うち黒スニーカー
スタイリッシュでモードな黒スニーカーの人気は脱アメカジの流れを示唆?

なぜいまさら取り上げるのか、という、こと男性のファッションにおいてはいまや大前提のようなアイテムではあるのですが、先述した通り、ここ1〜2年で上昇していたブーツやローファーといった革靴の人気がひと段落していること、そしてなによりのポイントが「うち黒スニーカー」ということです。

『POPEYE』のリニューアルを契機とした“シティボーイ”ブームが起こった2012年以降、ストリートではスニーカーのトレンドは目まぐるしく移り変わってきました。スタンスミスやエアフォース1をはじめとする白スニーカー人気、トリプルSから始まったダッドスニーカー~ボリューム/厚底スニーカー人気、サンバやスピードキャットをはじめとした近年のローテク/薄底スニーカー人気等、ストリートにはさまざまなスニーカーが立て続けに登場。さらにブーツやプレーントゥのシューズのフォルムも肥大化していき、スニーカーと革靴の境界も曖昧なものになっています。あらゆるテイストが出揃ったいま、ひとつの巨大なトレンドが存在するわけではなく、もはや着こなし次第でなんでもアリというようなムードが台頭しているように思われます。

そんななかでも際立って見えたのが、実はこれまで定点観測の歴史では取り上げられていない「黒スニーカー」。クラシカルでレトロ、上品な白スニーカーに比べ、スタイリッシュでモードな印象です。きれいめなレザーシューズの延長感覚=ドレス感覚という側面がありそうで、ここ数年でマス層に浸透しきった古着/アメカジテイストがいよいよ変化する兆しにも思えます。

加えて、アシックスやミズノのメッシュスニーカー、ジャーマントレーナーやサンバといった薄底スニーカー等、数年前はヒップな存在だったモデル(主に白がベース)がマス化したことで、極めてベーシックなアイテムである黒スニーカーが却ってフレッシュに見える、という逆転現象なのかもしれません。

■各地点の「男性スニーカー」はこちら

(左)「黒のスニーカーは上品だけどスポーティーでやんちゃな印象でいいと思って購入しました」と話す男性。スニーカーはアディダスのテコンドー(https://www.web-across.com/observe/emj2350000005yxx.html)。
(右)「夏にスニーカーとショーツを合わせてスポーティーに着たかった」と話す男性。スニーカーはナイキのエアマックスTL2.5(https://www.web-across.com/observe/emj2350000005zh1.html)。

ズームアップアイテム①:女性カーディガン
ボディコンシャス感覚の浸透を背景に、スウェット/フーディーに替わって台頭

定番化しているシャツスタイルとならんで、今春特に女性に多く見られるのがカーディガンスタイル。もちろん昨年頃からすでに浮上していたのですが、本格的なブレイクを迎えた印象です。カーディガンにも様々ありますが、現在主流化しているのはショート丈かつタイトな身幅のコンパクトなサイジング。セカンドスキントップスや肌見せトップスといった、ボディコンシャスなアイテムの浸透も背景としながらマストレンド化。近年大定番アイテムとして君臨していたスウェット/フーディーに替わって台頭しています。

またカーディガンだけではなく、ヘンリーネック風のフロントボタンデザインも増加。シャツのボタンを外したスタイルやVネックトップス等、ネック周り〜胸元の緩いスタイルの一般化というトレンドも見えてきます。

過去の定点観測を遡ってみると、90年代に2度(1992/5と1996/10)カウントアイテムとなっているのが印象的。92年はフレンチカジュアル全盛期、96年は渋カジから『CUTiE』っぽいスタイルまで幅広い層に着用されていました。00年代以降は2001/「襟元Vゾーンうちカーディガン」2006/11「ロングカーディガン」2011/7「プロデューサーがけ」等、多様な形で記録していますが、20年代で取り上げるのは今回が初めてと、久しぶりの登場となっています。実はコンサバ層を中心に「プロデューサーがけ」が密かに増えているように、00年代後半~10年代のトレンドのリバイバルが徐々に進んでおり、秋以降も注目です。

■各地点の「女性カーディガン」はこちら

(左)「プレッピーぽいスタイルが昔から好き」という女性。カーディガンはH&Mのもの(https://www.web-across.com/observe/emj2350000005zlt.html)。
(右)「春は色ものを着たい!と思い、冬のうちにこのカーディガンを買いました」と話す女性(https://www.web-across.com/observe/emj23500000060c3.html)。

ズームアップアイテム②:ボーダー柄
色/柄アイテムの復権を牽引する

こちらも昨年の秋冬からじわじわと増えてはいたのですが、今春は色/柄アイテムが本格的に復権。ボーダー柄だけでなくドット柄やボタニカル柄も散見され、ザラやユニクロ等量販店の店頭でもプッシュされています。

ギャルブームでアニマル柄が増加した昨春とは異なり、レトロでプレッピー、どこか上品さも感じさせるようなボーダー柄の浮上は、カーディガンやシャツのトレンド化ともリンクしているように思われます。ガーリー〜コンサバ・フェミニンなスタイルに偏りがちなドット柄に比べ、着用者の男女を問わない点もポイント。バスクシャツやラガーシャツといった正統派のマリンルックやアイビールックから、TシャツオンTシャツのスケーター風のレイヤードスタイルまで、幅広いテイストの着こなしがストリートには混在しています。

■各地点の「ボーダー柄」はこちら

(左)「身体にフィットするサイズ感のボーダーTシャツを探していた」という女性。なんとフリマで200円!(https://www.web-across.com/observe/jsfem400000061o5.html)。
(右)「King Gnuの常田さんがボーダーを着ていて探していました」と話す男性(https://www.web-across.com/observe/emj2350000005zsz.html)。


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