2026年1月回の定点観測・考察レポート
定点観測
report : 2026 | 
01 / 10

#538 | 実施日 : 2026 / 01 / 10 | 最高気温 : 14.9 | 最低気温 : 1.5 | 天候 : 晴後一時薄曇

2026年1月回の定点観測・考察レポート

アウターのサイジングはショート丈&コンパクトが主流化!

2026年最初の定点観測。とはいっても大きなトレンドの変化を感じられた2025年の1月に比べると、ストリートにはなんとなく停滞感が漂い、新たなトレンドの芽はあまり感じられず。冬本番の冷え込みのためか、昨冬から浮上していた茶系アウターなどは案外少なく、黒のダウンジャケット/パデッドコートといった定番アイテムが再び台頭。対象アイテムの決定にかなりの時間を要しましたが、男女ともにアウターのフォルムがコンパクトになり始めていることを発見し、「男女ショート丈アウター」をカウントアイテムとしました。ズームアップアイテムは、茶系カラーのバッグと並んで人気の「茶・ベージュ靴」、秋頃からじわじわと浮上していた「バッグの肘がけスタイル」にそれぞれ注目しました。

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カウントアイテム:男女ショート丈アウター
オーバーフィットアウターが減少し、コンパクトなシルエットがの復権が始まった?

2023/1「女性オーバーフィットアウター」、2024/12「女性ドロップショルダーアウター」等、どちらかというと2023〜24年はリラックス感のあるアウターが主流化していましたが、今冬はジャスト〜ややタイトなサイジングのアウターが復活。セットインスリーブのアウターが増加しているほか、トレンドのファーアウターもラグランではあるもののショート丈かつ身体に密着するようなフォルムのものが多数派で、昨冬に比べて丈・身幅共にコンパクトになってきた印象です。過去の定点観測を振り返ってみると、2020/1「女性ショート丈アウターうちダウンジャケット」では(ラグジュアリー)ストリート風のスタイルが一般化し、ノースフェイスを筆頭にダウンジャケットが女性にまで定番化した様子を記録しましたが、今冬のムードに近いのは、2005/1「女性ショート丈アウターうちファー使い」の時期。当時主流だったスリムフィットのボトムスも徐々に再浮上するなど、00s中盤のギャルっぽいテイストがリバイバルしています。

一方男性はいうと、2024/3に「男性ショート丈/短丈(見え)アウター」を取り上げたのが記憶に新しいところ。今冬も非オーバーサイズのダウンジャケットやミリタリー系のアウターがより幅広い層に浸透し、長年続いたビッグ/ワイドなシルエットのトレンドにやや変化の兆しが見られます。とはいっても色はやはり黒が多く、アウトドア/テック系のウェアをアーバンに着こなす感覚が完全にマス化。そのほか、レザージャケットも女性と同様にショート丈かつタイトなものが人気となっています。

■各地点の「ショート丈アウター」はこちら

(左)マフラーの頭巻きやナードなムードのメガネなど、小物づかいも巧みだった三つ星和食店のシェフ(https://www.web-across.com/observe/b5dobc0000004phk.html)。
(右)今冬差し色として人気の赤のショート丈ダウンが目を引いた女性。裾周りのレイヤードスタイルも今後増えそう(https://www.web-across.com/observe/b5dobc0000004pjy.html)。

ズームアップアイテム①:茶・ベージュ靴
脱・黒のトレンドはシューズとバッグが牽引。

2025年は“ギャル”と“ガール”の台頭でストリートファッションの大きな転換点となりましたが、いざ2026年を迎えると、脱・黒のストーリーだったはずが案外黒アウターに後戻り。シート冒頭にも記した通り、やや新鮮味に欠ける感はあるのですが、それでもバッグや靴等の小物に関しては確実に脱・黒が進行しています。直近では2025/9に「茶系バッグ」を取り上げているので、今回はシューズにフォーカス。2024/1「起毛革靴(スエード/ヌバック/ムートン)」を記録した際にヒットしていたティンバーランドこそ減少したものの、引き続きアグのムートンブーツやスリッポンは大人気。2009/2に「女性ムートン素材アイテム、うちムートンブーツ」でカウントした歴史もありますが、それ以来久しぶりの大ヒットとなっています。また、ウエスタンブーツやエンジニアブーツといったロング/ミドル丈ブーツ、あるいは今秋冬急速にマス化している「薄底スニーカー」にも茶系カラーが散見されるなど、トライブやテイストを問わないトレンドカラーとなっています。

■各地点の「茶・ベージュ靴」はこちら

(左)「 このブーツはくるぶしの金属がかわいく、使用感があるのが好き」という女性。ロングブーツも引き続きトレンド(https://www.web-across.com/observe/b5dobc0000004pr4.html)。
(右)Dリーグを見に愛知県から東京を訪れたという女性。シューズは大人気のアグのもの(https://www.web-across.com/observe/b5dobc0000004qf0.html)。

ズームアップアイテム②:バッグの肘がけスタイル
フェミニンなムードをプラスする“マダム持ち”が台頭!

バッグのトレンドは、デザインやサイズだけでなく、持ち方にも表れます。2015/11「女性バッグのだらりがけスタイル」、2018/1「女性クロス・バッグスタイル」等、定点観測では過去にもさまざまなバッグの持ち方をテーマにしてきました。今冬浮上しているのが、編集部で“マダム持ち”と呼んでいる、肘を折って前腕部にバッグをかけるようなスタイルです。

ここ1~2年ですっかりストリートに定着したショートストラップのバッグを肩回りに密着させるようにかける(小脇に抱える)スタイルは引き続き多いのですが、秋口から“マダム持ち”にスライドする女性が増えてきたように思われます。もちろん単に短いストラップがアウターのスリーブに通らないという理由もあるのかもしれませんが、ポイントは意図的に腕をたたむエレガントな所作=上品なムードが加わるという点で、フェミニンなムードが台頭した2025年の流れにしっかり紐づいているスタイルと考えられます。実は2000/12に「手提げバッグ、うちお嬢持ち」という呼称で同様のスタイルを取り上げているほか、2005年前後にエディターズバッグ=ビッグバッグがヒットした時期にも見られ、今月のカウントアイテム同様00sっぽいムードの本格的なリバイバルを印象付けられます。

■各地点の「バッグの肘がけスタイル」はこちら

(左)柄っぽいタイツにソックスやサポーターを合わせたアシンメトリーなスタイリングが新鮮だった女性。バッグは古着のジャケットを自分でリメイクしたものだそう(https://www.web-across.com/observe/b5dobc0000004ra2.html)。
(右)「バッグの持ち方もY2Kっぽい着こなしに合わせています」という女性。コーチのバッグは3つ持っているそう(https://www.web-across.com/observe/b5dobc0000004qjs.html)。


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