2026年2月回の定点観測・考察レポート
定点観測
report : 2026 | 
02 / 07

#539 | 実施日 : 2026 / 02 / 07 | 最高気温 : 6.9 | 最低気温 : 1.3 | 天候 : 曇時々雪一時みぞれ

2026年2月回の定点観測・考察レポート

多様なデザインでストリートに浸透する中綿アウターが令和時代の新定番アイテムに!

あっという間に2026年2回めの定点観測を迎えました。昨年の1、2月といえば、ギャルっぽいスタイルが急浮上しストリートのムードがガラリと一変したのですが、今年はそこまでドラスティックな動きは見当たらず。ということで、ギャルの台頭後も変わらずに残り続けている=2020年代の定番アイテムとなった感のある、中綿アウターに着目することにしました。ズームアップアイテムは、どちらかといえばカジュアルなイメージの強い中綿アウターとは対照的にエレガントで大人っぽいイメージの「女性メルトン素材のロングコート」、グレーやベージュといったニュアンスカラーではないカラーとして久しぶりに台頭している「赤系アイテム」にそれぞれ注目しました。

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カウントアイテム:中綿アウター
シルエットやデザイン、カラーのトレンドは分散化しながらも、素材としては不動の人気に。

実は2022/2、2023/12にもカウントアイテムとして取り上げている同アイテム。2016年頃からのダウンジャケット人気を経て、高機能素材のアウターが老若男女問わず幅広い層に浸透。茶ベージュ/オフホワイト系のアウターが増加していた今冬でしたが、事前調査では黒の中綿アウターが目立ちました。ただしショート〜ミドル丈で比較的コンパクトなサイジングへと変化しています。カラーのダウンジャケットやMA-1、キルティングジャケット風のデザインもなども一部見られ、デザインの人気は分散化しているようです。

観測日はなんと雪もちらつく厳しい天候だったのですが、その寒さもあってか、中綿アウターの着用者は男性で60%超え、女性も50%に迫るほど。外国人観光客を中心にボリューム層にはもちろん黒が多いものの、白/ベージュ系はもちろん、オレンジやブルー、グリーンといったネオンカラーも案外目につきました。

近年の定点観測を振り返ると、2010年代中頃にはシティーボーイ〜ノームコアブーム下でチェスターコートが定番化。ユニクロなどの量販店でも猛プッシュされていたのですが、2020年代は中綿アウターがそのポジションに取って代わったと言えそうで、シルエットやデザイン、あるいは合わせるアイテムは変化しても、素材としての人気はまだまだ継続しそうです。

■各地点の「男女中綿アウター」はこちら

(左)表参道のKOH'S LICK CURROで購入したFeng Chen Wangのダウンジャケットを着用していた女性(https://www.web-across.com/observe/b5dobc000000bklo.html)。
(右)鮮やかなブルーが目を惹くショート丈ダウンはDesigualのもの(https://www.web-across.com/observe/b5dobc000000bl9k.html)。

ズームアップアイテム①:女性メルトン素材のロングコート
コンサバでエレガントなムードのロングコートが密かに人気上昇中。

先月は「男女ショート丈アウター」、今月も「中綿アウター」をカウントするというのにロングコート?と感じるかもしれませんが、定番アイテムとしての中綿アウター、トレンドアイテムとしてのファー/ボアジャケットがストリートの主役となるなかで、実は密かにロングコートが増えています。

ポイントは、ウールメルトンの重厚で上品な素材づかい。ギャル=フェミニンなムードが一般化した流れをうけ、コンサバでエレガントなムードのロングコートも同時に浮上していると言えそうです。いわゆる「クワイエット・ラグジュアリー」風のベーシック&上質なテイストを好む20代後半~30代以上の層にとっては定番。また90sにはアムラーたちが着用していたこともあり、ギャルっぽいムードそのものにもマッチするアイテムです。

■各地点の「女性メルトン素材のロングコート」はこちら

(左)マキシ丈のロングコートに差し色の赤を効かせたコーディネートが旬(https://www.web-across.com/observe/b5dobc000000bkv8.html)。
(右)スタンドカラーのロングコートからボリュームのあるハイネックニットを覗かせたレイヤードスタイルがエレガント(https://www.web-across.com/observe/b5dobc000000blj4.html)。

ズームアップアイテム②:赤系アイテム
2010年代に繰り返し登場した差し色が久しぶりに増加中。

グレーから始まり、茶ベージュ系~生成り色を中心に脱・黒のトレンドが進行したこの1年。昨冬にはレオパード柄、今冬はバンビ(=鹿)柄などのアニマル柄、あるいは近年繰り返し対象アイテムとしているチェック柄の流行など、柄物を取り上げる機会はしばしばあるのですが、実は差し色っぽい感覚のアイテムを取り上げるのは2020/7「女性ペールトーンスタイル」、2020/6「カラフルパンツ」などを記録したコロナ禍ぶりのことです。カラーダウンや薄底スニーカー、横長バッグなど、トレンド感のあるデザインのアイテムで案外多く見られるのが赤色です。そのほかにもピンクやオレンジ、紫など、全体的に多いのは暖色系の差し色。ということで今回は、赤に類するカラーを対象に観察することにしました。

様々な層に広く見られるカラーではあるのですが、ニュアンスは男女で微妙に違います。女性はやはりフェミニン/ガーリーなムードをプラスするカラーとしての赤づかいに対し、男性はクラシカルなアメカジスタイルに味付けをするオーセンティックな差し色としての赤づかいというのがポイントです。

2017/3「差し色(ピンク、赤)」、2016/10「女性赤茶系アイテム」、2012/12「男女赤」、2011/11「赤リップガール」、2010/12「赤」など、特に2010年代に繰り返し登場した、代表的な差し色。やはりトレンドはY2Kから2010年代へと動き始めているのでは、という予兆も感じさせます。

■各地点の「赤系アイテム」はこちら

(左)ストライプやチェックなど、赤系の柄も浮上していた(https://www.web-across.com/observe/b5dobc000000blqa.html)。
(右)カーキ系のワントーンコーディネートにギャルソンのドット柄を赤で差し込んだハイパーなレイヤードスタイル(https://www.web-across.com/observe/b5dobc000000bl76.html)。


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