tout va bien渋谷店

tout va bien渋谷店

レポート
2002.12.06
ファッション|FASHION

11月29日、渋谷区神南にセレクトショップ「tout va bien(トゥーヴァビアン)」がオープンした。経営するのは(株)サザビー。8月の福岡店と池袋店、12月22日の大阪店のオープンに続き、4店舗目の出店となる。

場所は、同社が経営するアメリカンラグシーの並び。店舗面積は1階2階合わせて約100坪とかなり広く、白を基調にした極めてシンプルな内装になっている。1階はメンズとユニセックス、2階がレディースで、メンズとレディースの割合は約3:7で構成されている。

「tout va bien」は、複数のオリジナルブランドからなる新業態。人気ブランド「Scye(サイ)」のデザインチーム「masterpiece and co.」がデザインする「ONENESS」や、メンズブランド「realize」のデザイナー片岡良輝氏がデザインする「anstoβ(アンシュートス)」、イラストレーターのカンバラクニエ氏がデザインする「coin coin(コアンコアン)」など、現在8ブランドを扱っている。

各ブランドのデザイナーには、アパレル分野だけでなく、イラストレーターやミュージシャンなど各方面で活躍するクリエイターを起用。“ワーク・スポーツ・オーガニック”をテーマとした、エイジレスな服を提案している。

「セレクトショップでは、トレンドを意識すると、取り扱うバイイング商品が他店と同じものになってしまうんです。そこで、差別化をはかるために、別注モデルやダブルネーム商品を発売したり、オリジナル商品の比率を増やしている。当店では、今まで一般的に、1つのセレクトショップに付き1つのオリジナルブランドしかなかった点に着目し、オリジナルブランドの集合体としてショップを構成する、という新しい試みに挑戦しました」とプレスの今井さん。

アニエスベーやズッカなどの立ち上げを手掛けた、浜田比左志さんがショップディレクターを担当。浜田さんは、80年代に現UFOのラファエル・セバーグらと共に「PARIS」という知る人ぞ知るバンドで音楽活動も行っていたファッションディレクターである。
またスーパーバイザーには、ミュージシャンのFantastic Plastic Machine・田中知之氏を起用。店内のBGMは毎月田中氏がセレクトしており、さらに来年春には、田中氏がプロデュースするブランド「S.P.T.G.」が登場する予定だそうだ。

「ターゲットは特に限定していません。あらゆる年齢や職業の層に対応しながらも、ここでしか買えない商品にこだわりました」(今井さん)。

00年以降、異業種同士がコラボレートした新業態のショップを出店したり、複数の異なる業態を1つにまとめた“複合型ショップ”が登場するなど、“ショップの統廃合”にも拍車がかかっている。

マーケット全体が多様化・複雑化・細分化する昨今、消費者の心を掴むためにも、モチベーションとなるような「+α」の要素が重要な意味を持つようになっているのは周知の事実だ。そして、実は、今「+α」の要素として注目されつつあるのは、どうやら、「音楽」のようである(!)。

ちなみに、同店の店名である「tout va bien」とは、フランス語で「何でもOK」という意味なのだそうだ。

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