ANTIK BATIK〔アンティック・バティック〕表参道本店

ANTIK BATIK〔アンティック・バティック〕表参道本店

レポート
2002.10.05
ファッション|FASHION

9月21日、フランスのトータルブランドANTIK BATIK(アンティック・バティック)がオープンした。場所は、表参道モリハナエビルを入った辺り。これまでは、ビームスやユナイテッドアローズのような一部のセレクトショップでは、バックやストールなどの小物類が取り扱われていたが、このように本格的なショップを構えるのは初めてである。

31坪の店内は、レディース、メンズ、キッズ、ランジェリー、雑貨で構成されており、内装はパリの本店を手掛けたイタリア人女性デザイナーが担当。「エキゾチックなオリエンタルテイストを基調に、セレブ流のフレンチカジュアル」がコンセプトの同ブランドらしく、重厚なアンティーク家具や什器など、オリエンタルなテイストで統一されている。日本では珍しく、入り口近くにキャッシャーを設置し、店の奥にはソファを配してサロンのような空間を演出するなど、パリ本店を凝縮したつくりとなっている。

実は同店を運営するのは、呉服、宝石、婦人洋品・雑貨等、全国368店舗を運営する専門店(株)さが美。アパレル部門ではこれまで、キャリア〜ミセスをターゲットとしたショップを展開してきたが、このたびアパレル部門を強化するということで、新規ブランド戦略の一環として同店を出店するに至ったというわけだ。

「お話を頂いてから1年半でオープンにこぎつけました」と言うのは同社チーフマネージャーの篠崎淳子さん。「アンティック・バティックは民族衣装をモチーフにしたブランド。呉服も日本の民族衣装という接点から、今回のジャパン社設立に伴い、当社が運営を担当することになりました。どちらかというと弊社は販売員による接客力を重視してきましたが、同ブランドについては、プレスや媒体の力を使いながら、ていねいにブランドの育成を行っていきたいと思っています」(篠崎さん)。

デザイナーは仏人の男性と女性の2人。彼ら自身が世界を旅し、各国の民族衣装からインスピレーションを得た、ハンドメイド刺繍や繊細なビーズ使いが特徴だ。商品は、刺繍や染めを実際に現地の職人に依頼するなど、手の込んだ質の高い仕上げとなっている。メインターゲットは20代半ば〜30代のキャリア層。平均単価は約2万5,000円で、現在の客単価は3万1,000円。

表参道は近年、スーパーブランドの進出が著しく、昨年オープンしたエスキス表参道には、グッチ、シャネル、イヴ・サンローランが出店。先月オープンしたルイ・ヴィトンに引き続き、年内にはプラダやクリスチャン・ディオールも出店予定となっている。そんな華やかな表参道をちょっと入った“ウラ”は、まだまだ住宅街という印象が強いが、この“ウラ”表参道にも、緩やかにオモテ化の波が来ているのかもしれない。

ちなみに同店は、今後は都内にもう1店舗、全国の主要都市合わせ計10店舗の出店を計画しているそうだ。

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