1980年8月から毎月実施している「定点観測」を通じて、私たちは若者とファッション、そしてカルチャーの変化を路上から記録し続けてきました。
今回公開するのは、少し前——COVID-19禍にあたる2021年、博報堂生活総合研究所とともに取り組んだ共同研究の記録です。その軌跡をあらためて読み解きながら、未来への手がかりを探ろうとした試みでもあります。
タッグを組んだのは、生活総研が新たに取り組む「デジノグラフィ」チーム。これは、ビッグデータをエスノグラフィ(行動観察)の視点から読み解くというユニークなアプローチで、従来の「効率化」や「最適化」ではなく、「新しいアイデア」や「兆し」を引き出すことを目的としています。こうしたスタンスは、「ACROSS」編集室が大切にしてきた視点とも自然に響き合いました。なお、この手法については、2021年3月に宣伝会議から刊行された『デジノグラフィ インサイト発見のためのビッグデータ分析』にも詳しく紹介されています。
ちょうどその頃、私たちも『ストリートファッション1980-2020 定点観測40年の記録』(PARCO出版)を刊行したタイミングで、お声がけをいただいてすぐに意気投合。いくつかのミーティングを経て、同社のデータサイエンティストによる高度な解析を通じて、「どんどん白くなる若者たち」という印象的な発見にたどり着きました。
*「ACROSS」編集室では、企業、研究所、大学などとの共同研究をいつでも歓迎しています。関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。