あの「EASTEAST_ 東京」がバージョンアップして開催!
レポート
2023.02.17
カルチャー|CULTURE

あの「EASTEAST_ 東京」がバージョンアップして開催!

次世代を担うアーティストとその協働者であるギャラリスト、キュレーター、批評家、鑑賞者、コレクター、パトロン、企業などのアートプレイヤーが連携し、市場経済と文化・アートが公平に作法し合う「文化的エコシステム」の創造を提唱。

2023年2月17日(金)〜19日(日)の3日間、千代田区北の丸公園内の科学技術館にて開催!

217日(金)から19日(日)までの3日間、千代田区北の丸公園内に位置する科学技術館を会場に、新しいアートイベントEASTEAST_東京2023が開催。前日の16日、内覧会に伺ったところ、思っていた以上にアートを取り巻くさまざまな人が集結。

ものすごい熱量(!)だったので、ここに概要を紹介したい。展示だけでなく、毎日トークイベントや展示ツアー、夜はクラブイベントと盛りだくさん。期間が短いので、 気になった方は同イベントのウェブをチェックしてぜひ訪れてみてほしい。

https://easteast.org/2023/


アートをめぐるさまざまなレイヤーの人びとが一緒になってつくる
「文化的エコシステム」


もともと2000年に日本を拠点に活動するアーティスト、アートギャラリーを国内外へ紹介しようという目的からローンチした同イベント。残念ながら、COVID19のパンデミックで休止を余儀なくされ、丸2年を過ぎた2023年2月、全面的にリニューアル&バージョンアップして戻ってきたのだ。

 

第1回目となる「EASTEAST_TOKYO 2023」は、東京拠点を中心とした約25のギャラリー(以下の通り)に焦点を当て、出展ギャラリーによるアート展示・販売、アートプロジェクト紹介のほか、映像、サウンド、ライブパフォーマンスの実施やディスカッション、ビューイングツアー、フード&ドリンクなども充実している。

西麻布のレストランAC HOUSEの黒田敦喜と、オーブンインド料理TYONなどが並ぶEE_Kitchenのコーナーでばったりお会いした、企画からPRまでガッツリ関わっているエドストロームの代表ヨシコさんは、「積極的に集まるイベントってここのところなかったので、今日は久しぶりにそういう場になって良かったです!」と話してくれた。文化庁や東京都、渋谷区などにも相談し、今回の会場を紹介してくれたのだそうだ。

参加者間の文化交流を促進するためのプラットフォームでもあり、次世代を担うアーティストとその協働者であるギャラリスト、キュレーター、批評家、鑑賞者、コレクター、パトロン、企業などのアートプレーヤーが連携し、市場経済と文化・アートが公平に作用し合う「文化的エコシステム」創造を目指していく。


レセプションのようす。19時を過ぎた頃からものすごい人に。

参加者間の文化交流もバックアップ


主催は、ファッションやアートなど、幅広い分野でビジネスやインキュベーション事業、
GAKUなどの教育事業を手掛けるログス株式会社。日本を拠点に活動するアーティストやアートギャラリーを国内外へ紹介したり、参加者間の文化交流を促進するためのプラットフォームになることというビジョンを掲げている。

京都を拠点にする音楽家のカジワラトシオと舞踊家の東野祥子を中心としたパフォーマンスアーティストコレクティブ[ ANTIBODIES Collective」、渋谷MITSUKI偶数月に開催されているAlien Sex FriendsのレジデントDJs「A.S.F. P-YAN + Ryokei」、東京を拠点に活動するDJ「Mari Sakurai」、MONKEY TIMERS 主宰のDISKO KLUBBに所属し、Prins Thomas,JOHN TALABOT,TIM SWEENEY,Eric Duncan等をサポートしている「YAMARCHY」らによるオープニングパフォーマンス。
Jacqueline Surdejj / GALLERY COMMON(左)、 loneliness books(右)。
BANGKOK CITY GALLERY、Hong Kong Community Radio、Art Space/Supernormal.space/The One Minutes/totalab/WESS/EE_V_S_P Program

アートをめぐるコミュニティのリスタート。
緩やかなネットワークによるコレクティブの可能性


会場は、まあまあ老朽化も感じられる建物のニュアンスが生かされた空間にいい意味で雑多なパーテーションと展示スタイルがギャラリーを緩やかに繋いでいて、レイダウンな雰囲気で心地いい。まるで再開発が進むハレの部分とそこから取り残された路地裏が隣り合わせになっている東京の街の風景と地続きになっているようで90年代のクラブイベント、または東京電機大学跡地で開催されたトランス・アート・トーキョー(Trance Art Tokyo)などで感じた人びとのエネルギーが感じられて、来場者も筆者もとても楽しい時間となっていたようだった。

 

興味深いのは、運営スタッフらは、パンデミックをきっかけに、アートに関わるさまざまな人たちが、改めて日本のアート、クリエイティブシーンにおけるさまざまな問題について、国境を越えた独自のネットワークで情報を共有し、対話を繰り返したというエピソードだ。そして、公的機関や企業との協働にも積極的に取り組み、アーティストやギャラリストだけでなく、デザイン、音楽、出版、広告などさまざまな分野で活躍するクリエーターや実業家らによって「緩やかなネットワーク=コレクティブ」が形成され、今回のような心地よいアートイベントへと繋がったのかもしれない。

男性女性にも人気のコスメショップ「Biople」が出店。今回限定記念商品も企画されていた。

展示に加え、10のプロジェクトも注目!

 

さらに、展示に加え、アートに携わる多種多様な団体による企画展示もあり、企業やインディペンデントメディアなど、ギャラリーの枠を超えた6つのプロジェクトや、EASTEAST_ がアーティストやコレクティブと共に企画する4つのプロジェクトも。

 

また、会場以外でも、渋谷界隈での映像作品のあ展示や、毎晩新宿や渋谷、代官山などのクラブを会場に企画される音楽イベント(パーティ!)など、久しぶりに、東京のカルチャーシーンや、アーティストたちが一堂に会する、ポスト/ウィズコロナの今どきの時代感にもマッチしたイベントといえそうだ。


プロジェクト

・BEAMS CULTUART

ビームスが展開するアート関連の活動をグローバルに推進するプロジェクト。今回はゲストキュレーターに吉田山さんを招聘。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000557.000012471.html

 

・インタビュー・メディア「DYH / Destroy Your Habits」 

アーティストやキュレーター、コレクターなどへの公開インタビューが会場にて行われます。

 

・   Loneliness books

東京・大久保をベースに、アジア各地のクィア、ジェンダー、フェミニズム、孤独や連帯にまつわる本やZINEを取り扱っているブックストア

 

・   tsukasa kudo / sorry, thank you

ファッションブランド、Kudos / sodukのデザイナーであり、写真家としての顔を持つ工藤司さんによる展示。
https://www.instagram.com/tsukasamkudo/?hl=ja

 

・RELOVE

デザインプロダクトの二次流通における「適正」な価値基準をつくり、自分たちが愛するデザインを残し、次につなげていこう、という活動体で、今回は会場の家具のプランニングを担当。一部の家具は販売もしているそう。

BEAMS CULCUARTは、 カワイハルナ、三澤憲司、宮原宗広の3人の作家さんの作品を展示。ゲストキュレーターは吉田山さん、
tsukasa kudo; "sorry, thank you",

開催概要

EASTEAST_TOKYO 2023

[会期]2023年2月17日(金)–  19日(日)

[日程]

2月17日(金)14:00–19:00

2月18日(土)12:00–19:00

2月19日(日)12:00–17:00


[会場情報]

会場名:科学技術館

住所:〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2


同じタグの記事
同じキーワードの記事
2024_0115~ ストリートファッション1980-2020 定点観測40年の記録 アマゾンで購入 楽天ブックスで購入
YOOX.COM(ユークス)