新宿 北村写真機店 
レポート
2020.10.30
カルチャー|CULTURE

新宿 北村写真機店 

初心者からマニアまで満足できるカメラの“聖地”が新宿にオープン! 
新しいカメラの楽しみ方を提供する“体験型”の旗艦店に

株式会社キタムラは旗艦店となる「新宿 北村写真機店」を7月3日にオープン。“カメラだけにとどまらない、豊かなフォトライフを提供”というコンセプトのもとに、地下1階から地上6階までの7フロアでこれまでにない写真体験を提案している

地下1階はアップル製品修理、1階はスタイル&グッズ、2階は新品カメラ、3階はブックラウンジ&写真プリント、4階は中古カメラ、5階はメンテナンス&証明写真、6階にはイベントスペース&ヴィンテージサロンというフロア構成になっていて、カメラ初心者からマニアまで満足させる、懐の広いフラッグシップに仕上がっている。また、「北村写真機店」という名前は、創業の「キタムラ写真機店」から取ったもので原点に戻るという意味が込められているという。出店に至る経緯と店舗の詳細について、メディアプロモーション部の富永菜穂さんに話を聞いた。

1階のエントランス。店名の横のマークは、カメラ・オブスクラをイメージしたデザイン(写真提供元:株式会社キタムラ)
1階には写真が貼られた新宿の都市模型「新宿写真」が。オリジナルのマグカップやグッズが並んでいる(写真提供元:株式会社キタムラ)

新しいカメラの楽しみ方を提供する“体験型”の旗艦店 

「この旗艦店は“新しいカメラの楽しみ方を提案したい”という思いから生まれました。以前よりカメラのキタムラを利用して頂いていた“カメラ好き”の方に来て頂くのはもちろんですが、スマホで写真を撮っている若い世代にも訴求できることが課題でした。ですので、3階ではスターバックスコーヒーを併設することで若い層にアピールしています。そして同フロアにはブックラウンジがありますのでプリントされた作品に触れてもらえますし、そこでカメラの魅力を再発見してもらえる場を作っています」(富永さん)。

今では多くの人がスマホで写真を撮っていて、個人がシャッター切る回数としては史上最大といわれている。誰もが“スマホというカメラ”を携帯できるようになった今、写真は日常にあふれていてSNSなどで日々投稿する人も多い。「こうした新しい時代に対応するために、新宿というカメラの“聖地”に、あらゆるハードやサービスを揃えた『新宿 北村写真機店』をオープンさせました」と富永さん。

「新宿 北村写真機店」では、スマホからヴィンテージの高級カメラに至るまで幅広いハードを豊富に揃えているとともに、経験豊かなスタッフが商品選びから撮影技術まで丁寧に説明してくれる。さらに写真をカジュアルに楽しみたい人に向けて、写真プリントやデザイン性の高いオリジナルブックが作れるサービスも。「ただの商品やサービスの提供だけにとどまらずに、セミナーやワークショップなどの“体験”にも重きを置いています。写真を通じて世界中のあらゆる人の生活に充実の『with photo』を増やすことをサポートしていきます」(富永さん)。

3階はスターバックスコーヒーが併設されたブックラウンジ。特集コーナーでは定期的に入れ替えが行われる
コーヒーを楽しみながら、写真プリントやフォトブックを注文できる

“ノイズレス”をテーマに、急遽動画コーナーを配備。 
YouTubeやVlog用のカメラファンには必見。

世界有数の圧倒的な在庫量も「新宿 北村写真機店」の魅力のひとつ。2階の新品カメラのフロアには現在発売中のカメラとレンズのほとんどが揃っている。展示のコンセプトは“ノイズレス”。白を基調としたデザインで、カメラの機能や価格訴求のビラが目立たずにカメラやレンズに集中できるような作りになっている。こちらの売り場の担当である大澤さんに話を聞いた。

「17坪という限られたスペースながら、コンパクトデジタルから、フラッグシップ機や高価格帯の交換レンズまで幅広くラインナップしています。こちらでは実機を手に取れるというのがポイント。実際に気になるボディやレンズで撮影することができ、それによって購入を検討して頂いております。また、階段を上がってきてすぐに動画コーナーを設けています。こちらはオープンしてから“動画撮影”の需要がかなりありまして、最近新しく作りました。新宿という土地柄なのか、YouTube用の動画撮影やVlog用の動画撮影ができる機種を求めて来られる方が圧倒的に多いです。私たちも予想していなかったので驚きましたが、お客様の需要に合わせて急遽動画コーナーを作りました」(大澤さん)。

最新モデルが整然と並ぶ店内(2階)。ガラスケースがないので、自由に商品を手に取れるのが嬉しい
動画撮影の需要の高さから、急遽作った“動画カメラコーナー”。カメラだけでなく、三脚やライティングも揃っている
一番人気なのが、ソニーのZV-1G。Vlogに求められている機能と使い勝手の良さがありながら、価格が10万円以下というコスパの良さが受けている

ジェネレーションz、ミレニアル世代はフィルムカメラが人気。 
デジタルの時代だからこその“味のある写真”の啓発も。

4階へと上がっていくとずらりとヴィンテージカメラとレンズが並ぶ。A館はフィルムカメラ、B館はデジタルカメラと、ふたつのエリアに分かれている。「在庫は全国各地から集められていて、在庫量は6,000点を超えます」と話すのは、この売り場の担当の岡田さん。

「スマホで手軽に写真を撮れる時代ではありますが、ヴィンテージカメラで味のある写真を撮りたいという人が増えています。SNSが普及してきてそういった、雰囲気のある写真に注目が集まっているのだと思いますね。実際にインスタグラムなどに投稿するためにヴィンテージのフィルムカメラを購入される若い世代の方が多いです。一番の売れ筋はやはりライカで、定番のモデルから珍しいものまで豊富に揃えています。あとはミラーレス一眼にオールドレンズを組み合わせて撮影する方も増えています。オールドレンズは味わい深くあたたかみのある写真を撮ることができ、それが人気の要因だと思います。また、6階ではさらに貴重なライカのヴィンテージカメラが揃っているので、そちらも是非ご覧いただきたいですね」(岡田さん)。

圧倒的な量の中古カメラとレンズがずらりと陳列されている
中古カメラで一番人気なのはライカ。「新宿 北村写真機店」では、ヴィンテージのライカの在庫が豊富

さらに希少価値の高いライカのヴィンテージは6階のサロンに! 

「6階のヴィンテージサロンでは、全国のカメラのキタムラなどから集められたとりわけ希少価値の高いライカやヴィンテージカメラが揃えられています。豊富な知識を持ったコンシェルジュが、カメラとレンズ選びをサポートしてくれる特別な空間になっています。そして、ヴィンテージのライカを眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせるようにラグジュアリーな空間作りを心掛けました。お客様同士が自然と交流してもらえるように“サロン”と名付けております」(富永さん)。

貴重なヴィンテージのライカを操作することも可能だ。往年の名機を実際に操作することで、その精密さや特別感に魅了される人も多いという。また、中古品は修理歴や使用された環境などによって、1点1点見え方や操作の感触に違いが出てくる。長い年月を経ることで生み出された唯一無二の“味”を堪能できるというわけだ。ただの中古カメラの販売ではなく、コンシェルジュの知識や経験を聞くこともできるというのがこのサロンの魅力だろう。

ゆったりとした空間で希少なヴィンテージのライカを鑑賞できるサロンスペース
希少価値の高い中古のライカが並ぶ。実機を手に取れるのはそれだけでも貴重な体験になる

修理やメンテナンスコーナーは5階に。 
初心者もマニアも満足の“豊かなフォトライフ”を提案

カメラは精密機械ゆえ故障は避けられない。「新宿 北村写真機店」の5階では、持ち込み品の修理・メンテナンスを行う。フロア担当者の高橋さんによれば、ヴィンテージカメラはきちんとした修理を行うことで長く、後世に残していけるのだそうだ。

リサイクルではなくて“リプロダクト”というコンセプトで修理を行っています。その観点のもとに大きく分けて3種類のソリューションを提供しています。1つ目は、その場で対応してくれるクイックメンテナンスです。本来ならメーカーのサービス窓口に持ち込む必要のあるセンサークリーニングの処置ができます。また、カメラの外装と接点をクリーニングするライトなサービスもあります。2つ目は、カメラとレンズをクリーンな状態に保つためのオーバーホールの受付です。製造が終了されたカメラやレンズも可能な限り修理の対応をさせていただきます。3つ目はライカのカスタマイズが行えます。カラーチェンジやチェーンナップサービスも行っているので、自分だけのライカを作ることができます」(高橋さん)。

「新宿 北村写真機店」ではカメラを通じてライフスタイルを豊かにしていく。だからこそカメラやレンズの販売だけにはとどまらず、写真プリントやブックラウンジ、メンテナンスやレンタル、写真展やイベントなどのサービスも展開している。

6階の『Space Lucida』では、写真展はもちろん、プロのカメラマンのトークショーや画像編集のワークショップを行っています。また、3階のブックラウンジでは、開催中のイベントにまつわる書籍を飾っています。イベントスペースを含めて、店舗全体で写真の楽しさを体験できるようにしています」(富永さん)。

コロナ禍によってイベントを実施するハードルが上がっているが、会場でのイベントと並行してオンライン配信やSNSサービスを使いながら積極的に開催されている。最近では、親会社であるCCCグループが運営するクラウドファンディング 『GREEN FUNDING』に掲載中の、スマートフォン用ジンバル(VLOG pocket2)を展示。YouTubeの生配信で使い方を解説するなどのプロモーションも行い、達成率は4,700%を超えて大好評、9月30日まで期間を延長している。また写真家の葛原よしひろさんのセミナーをZoomを使って行ったりなど、オンラインでのイベントも好調だ

豊かなフォトライフをサポートし、カメラの魅力を伝えていく「新宿 北村写真機店」。ここに行けばカメラに関するすべてが手に入り、新しい体験や知識を得られる。写真が日常的にコミュニケーションツールとして使われるようになった今だからこそ訪れたい、新しいカメラの“聖地”が誕生した。


【取材/文:すずきおさむし+『ACROSS』編集部】


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