Rakuten Fashion Week 2020SS ④
レポート
2019.10.22
ファッション|FASHION

Rakuten Fashion Week 2020SS ④

公式スケジュール Day 4:10月17日(木)

4日めは、名門セントマーチン卒のSHINYAKOZUKA、ベテランデザイナーのリ・スタートがハッピーだったmercibeaucoup.、逆輸入で日本での注目が高まるChildren of the discordance、大手アパレルメーカーによる戦略的モードブランドHAREなど、東コレらしい多様なブランドのショーをレポート。

across,parco,fashion,ファッション,デザイナー,楽天,楽天ファッション,ファッションウィーク,2020,SS,春夏,東京ファッションウィーク,東京ファッション,東コレ,Rakuten,Fashion,Week,ブランド,malamute,マラミュート,yoshiki,yoshikimono,tiit.tiittokyo,discoverd,rfwt,rakutenfwt,デザイナー,表参道,渋谷,

HARE(ハレ):HARE-再
日本のモード(SPA)ブランドとして世界を目指す。

Day3、18:30から大手アパレルメーカー株式会社アダストリアが手がけるブランド「HARE(ハレ)」によるランウェイショーが披露された。

同ブランドが、東京のファッションウィークに参加するのは2017年3月の2017AWの発表以来6回目

「今シーズンのテーマは、第1回目と同じ、“HAREー再”です。2020年は世界的に日本が注目される年で、日本人の伝統的な世界観である日常における“ハレ”をテーマに、和の文化を取り入れ、和の空気感と視覚的アプローチ、現代衣服の機能性、未来に向けた志を提案しました」とブランドディレクターは話す。

パープルにカーキ、スモーキーグリーン、差し色のフューシャピンクに赤と黒、ハンドルバッグ、ミニパースなど、トレンドのカラーパレットがシンプルなアイテムに落とし込まれ、グラデーションによるコーディネートも見事で、男性モデルに混じって女性が着用するルックもあり、シンプル・モダンな女性のトレンドもいっしょに提案されていた。

ひと言でいうと、“着る人が見える“ランウェイショーという感じだろうか。“モード・ブランドにしたい”という当初からの同ブランドのビジョンや、将来的な海外マーケットへの進出など、“グローバルマルチブランドファッションSPAカンパニー”としての成長を着実に歩んでいるようすも伺えた。

・2019年10月17日(木)18:30/Hikarie ホールA

across,parco,fashion,ファッション,デザイナー,楽天,楽天ファッション,ファッションウィーク,2020,SS,春夏,東京ファッションウィーク,東京ファッション,東コレ,Rakuten,Fashion,Week,ブランド,malamute,マラミュート,yoshiki,yoshikimono,tiit.tiittokyo,discoverd,rfwt,rakutenfwt,デザイナー,表参道,渋谷,

Children of the discordance(チルドレン オブ ザ ディスコーダンス):周囲に調和しないこと
“服好き“による真のサスティナブル・ファッション。

Day 3、公式スケジュール5つ目は、表参道のスペースオーを会場に、「Children of the discordance(チルドレン オブ ザ ディコーダンス)」が新作を披露した。今でこそラグジュアリーブランドからもいくつものピースが提案されているが、実は“バンダナのパッチワーク“というアイデアのルーツは同ブランドから。今季もシャツはもちろんのころ、セットアップやショーツなど、ミリタリーアイテムともミックスされた独特のリメイクが目をひいた。

もともと90年代に大人気だったメンズストリート系の雑誌『Boon』にもよく登場していたデザイナーの志鎌英明さんセレクトショップのバイヤー兼デザイナーというキャリアから、2011年に友人らと古着のリメイクやプリントを重ねた商品を1つのレーベルとして立ち上げたのが、同ブランドの始まりだ。その後、あれよあれよという間に海外を中心に大ヒット。逆輸入するかたちで近年日本でも注目されている。

「去年までは7:3の割合で海外が多かったのですが、2017年TOKYO FASHION AWARDを受賞してからは日本の取引先も増え、6:4になりました。海外は相変わらず伸びています」と志鎌さん。

他にも、フェアトレードとして、メキシコのサパティスタ(民族解放軍)のバンダナや、難民キャンプの女性たちに以来して、オリジナル刺繍を入れたパレスチナのショールなど、近年再び(ある意味)トレンド化しているフェアトレードをずいぶん前から継続して行なっている。しかも、無理矢理新しいものをつくるのではなく、あるもの、あったものに新しい価値をプラスし、おしゃれなものにする=ファッションの活動としているリアルが世界中の人に支持される理由だろう。

「ものすごい量産はできないのですが、2年ほどかけてメイドインUSAの素材やアソートでオーダーできるくらいの量が集まったので、プロダクトとして展開していきたい」(志鎌さん)。

会場入口には、YAMAHAのバイク「SR400」の燃料タンクやシート、フェンダーミラーなどが志鎌さんの服を着たスタイルで展示。実は同社も7:3で海外の売上が多く、シンパシーを感じたということからコラボレーションすることになったのだそう! 

「ようやく1年を通じて自分たちがどんなブランドなのかを見てもらったという感じなので、今回もその延長線上にありながら、正直につくったコレクションです」というピースの中には、例えば、二層にして、片面をオリジナルのオパール加工にして一部を溶かすことによる新しい表現も登場。基本的にはメンズブランドだが、アイテムによっては女性も着用可能。今後の展開も楽しみだ。

ちなみに、会場に流れた音楽がクールで気になって配布された資料を見ると「18scott」のクレジットが。実は、彼の本名は楠本凌士さんというそうで、現役のシップス渋谷店のショップスタッフでありながら、昨年、音楽プロデューサー/ビートメーカーのSUNNOVAさん『4GIVE4GET』というアルバムをリリースしていた。

第1回目となったRakuten Fashion Weekは、音楽の印象が際立つショーが多い。

・DIRECTOR:HIROMU SHIRASAKA
・STYLIST:TEPPEI
・HAIR:KOTARO
・MAKE UP:NAOMI T, DAKUZAKU
・MUSIC:18scott

・2019年10月17日(木)17:00/表参道ヒルズ スペースオー


 
across,parco,fashion,ファッション,デザイナー,楽天,楽天ファッション,ファッションウィーク,2020,SS,春夏,東京ファッションウィーク,東京ファッション,東コレ,Rakuten,Fashion,Week,ブランド,malamute,マラミュート,yoshiki,yoshikimono,tiit.tiittokyo,discoverd,rfwt,rakutenfwt,デザイナー,表参道,渋谷,

mercibeaucoup.(メルシーボークー):清く、正しく、美しく。
リ・スタートしたベテランブランド!

Day 3、公式スケジュール4つ目は、4年ぶりにプレゼンテーションを行った「mercibeaaoup.(メルシーボークー)」だ。


「実は今回服を大きく変えたので、ぜひ見て欲しいと思って!」ととびきりの笑顔で話してくれたデザイナーの宇津木えりさん

リ・スタートとなった今シーズンのテーマは「山」。ストレートに新しいチャレンジという意味の山登りからだそうで、その中にも“楽しく元気に挑戦しよう!”という同ブランドらしさが、いくつかのルックの後ろに施された裾のボタンによるスリットや、ちょっとしたリブ使いによるドレープの遊びに現れていた。

また、実は5年ほど前からログウッドという草木染めの手法を用いていたり、ケミカルな工程を1%未満に抑えるなど、生産工程におけるエコも意識。布もミミまで使えるようなパターンを引くなど、地道なチャレンジもしているそう。

ラッパーJUAさんサウンドデザイナーのSHIMON HOSHINOさんによる今回のためにつくられた8曲のうち5曲が披露。全曲無料で配信されるそう。

今シーズンは、ベテランデザイナーによるテクニックが際立つ、リ・ブランディングのプレゼンテーションが目立つ。やはり、“ファッションは時代を映す鏡“ともいえそうだ。

・2019年10月17日(木)16:00/mercibeaucoup.代官山店

*公式サイト: https://mercibeaucoup.jp/


across,parco,fashion,ファッション,デザイナー,楽天,楽天ファッション,ファッションウィーク,2020,SS,春夏,東京ファッションウィーク,東京ファッション,東コレ,Rakuten,Fashion,Week,ブランド,malamute,マラミュート,yoshiki,yoshikimono,tiit.tiittokyo,discoverd,rfwt,rakutenfwt,デザイナー,表参道,渋谷,nontokyo,文化,バナルシックビザール,SHINYAMATSUI

SHINYAKOZUKA:ORDINALY LIFE(平凡な生活)
あらゆるモノたちの“境界”を曖昧にするブランド。

先シーズン、渋谷・神南の人気セレクトショップ「吾亦紅(われもこう)」にてインスタレーションを行なった「SHINYAKOZUKA(シンヤコヅカ)。今シーズンは、Hikarie 8FのCreative Space8/にて新作を発表した。ここは前日、Nobuyuki Matsuiがガラス作家の高臣大介さんと素晴らしい空間を作り出した場所だ。

松井さんはロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業したが、SHINYAKOZUKAのデザイナーの小塚信哉さんは同じロンドンでもセントラル・セント・マーチンズを卒業。2015年より自身のブランドをスタートし、国内はもちろんのこと、韓国や香港、スペイン、米国、カナダなど、海外の取引も順調に伸ばしている実力派メンズブランドだ。

もともと“Blur”“曖昧さ”がコンセプトの同ブランド。JANFAMILY(ヤンファミリー)の写真集に見られる、生活の身近なものをウィットに効かせたセンスにインスパイアされたそうで、「ORDINALY LIFE(平凡な生活)」を今シーズンのテーマとした。

具体的には、デニムやストライプ、キッチンクロスといった分かりやすいテキスタイルを用いて、ボンディング加工により見た目とは違った質感やパタンワークなどを施すことで、それぞれの持っている機能やイメージの“境界”を曖昧にしていた。

アメリカを代表する作業着にイタリアを代表するジッパーメーカーのRACCAGNIを使用するなど、すべてにおいて、“ちょっと違和感”がデザインされていて、今の時代感にマッチしていた。

・2019年10月17日(木)15:30/Hikarie 8FのCreative Space8/


 

*Rakuten Fashion Week 2020SS:2019年10月14日〜19日
他の日のレポートは以下からどうそ。

Day 1:10月14日(月)
http://www.web-across.com/todays/p7l756000002aw5a.html


Day 2:10月15日(火)
http://www.web-across.com/todays/p7l756000002ax69.html


Day 3:10月16日(水)
http://www.web-across.com/todays/p7l756000002b6r5.html


同じタグの記事
同じキーワードの記事
2024_0418~ ストリートファッション1980-2020 定点観測40年の記録 アマゾンで購入 楽天ブックスで購入
YOOX.COM(ユークス)