定点観測
report : 2019 | 
05 / 11

#461 | 実施日 : 2019 / 05 / 11 | 最高気温 : 27.8 | 最低気温 : 15.3 | 天候 : 晴一時薄曇

平成が終わり、令和さいしょのプレ「定点観測」レポート。

長かったGWが終わったら、すっかりストリートファッションが変化していた!

2019年5月11日(土)、第461回「定点観測」は、「女性ウエストマーク・スタイル、うち、ベルテッド・スタイル」、「アニマル柄」、「Tシャツの重ね着」の3つ。

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平成最後のメイントレンドは“ベージュ系アウター”に。

「令和最初の〜」、というフレーズもちょっと飽き気味の5月11日。461回目の「定点観測」をいつも通り、渋谷、原宿、新宿の3地点で実施した。

約40年にわたる「定点観測」からは、毎年GWは街のファッションが大きく変化する時期であると考察しているが、今年は(一般的には)10日間と長かったこともあってか、いつも以上の変化が見られ、トレンドの変化に立ち合えてとても楽しい路上観察となった。

まずは、プレサーベイによって決定した、今月のテーマについて解説したい。

2019年5月はトレンドの転換期!

 “いま流行しているアイテムやスタイル”を、通行人中に占める割合を測定することからそのような名称としている「カウントアイテム」。前回(4月)は、「女性ベージュ系アウター、うちロング丈」としたところ、ベージュ丈アウターの着用率は約17%(3地点平均)、ロング丈のベージュ系アウターは約6.2%となったが、この数値は、だいたい毎回、大きな観察テーマが13〜15%、さらに絞り込んだテーマは約3〜5%となることが多い。

そんな4月には約6人に1人が着用していたベージュ系(ロング)アウターが、GW後の数日間の初夏っぽい気候の影響もあってか激減。それどころか、アウター自体を着用しているひと自体が減り(特に若者たち)、半袖がぐっと増え、なんとヘソ出しルックも見られたのだった。

そんななか、プレサーベイをしていて最初に気になったのは、日本流行色協会が発表していた「令和 慶祝カラー」ともいえるくすんだピンク〜ラベンダーの色合いのアイテム。実は、5月8日(水)〜9日(木)とソウルに出張したのだが、繁華街である漢南洞(ハンナムドン)や江南(カンナム)などの街中を移動していると、もやっとしたピンクのジャケット&パンツのスーチングスタイルが若い女性たちに流行。今回の取材先である合同展示会「K FASHION AUDITION」の出展者にも同様のモスピンクのスーチングルックが見られ、「ああ、ファストファッションが先攻する時代、トレンドカラーは万国共通になるのだなあ」という確認にもなった。

テン年(2010)代以降、常にある一定数はいる優しいピンクは、日本のコンサバ系女子の定番色。このところ人気だったピンクベージュから青み系、パープル系ピンク〜薄いラベンダーへと変化した、ともいえそうだ。

そういう“ストリートファッション”の背景を踏まえ、「ACROSS」編集部が今月注目したのは、ウエストの位置がどんどんジャストウエスト〜高めになっている点だ。

気がついたらすっかりトップスはインするのが一般的になり、さらにベルトでキュッと締めたり、トップスやジャケット、アウターの上からもベルトを締めるなど、つい先月までは大流行していた“ビッグ&ビッグシルエット”のアンバランス感から、トップスとボトムスが分離されたシャープな装いへと変化しつつあるようだ。

ローライズやリラックス、ビッグシルエットなどに表徴されていた“リラックス&ルーズ感”、または極端にビッグなシルエットだったりゴツめの小物などによる“アンバランス感”から、トップスに視線のいく、“きちんと感”、“ちゃんと感”、“シャキッと感”へ。着用する人びとのマインドも変化しつつあるのだろうか、という辺りは、再来週(24日)のインタビュー公開日に再度本誌をチェックして欲しい。


ちなみに、直近の「定点観測」では、2018年10月に「ハイライズデニム/ハイウエスト」という名称でズームアップアイテムとして取り上げている(下の写真左2点)。右から2番目は1990年9月、いちばん右は1987年5月の「定点観測」の時に撮影&インタビューさせていただいた写真で、いわゆるバブル期、“アラウンド90年”のストリートファッション(街場の流行)が、リバイバル〜アレンジが入ったリミックススタイルであることがわかる。

数は少なかったものの、ショート丈のアウターも増えており、ハイウエストと相まって、今秋冬は「肩パット」の入ったジャケットやボレロ、さらには「ボディコンルック」が流行しそう! 2019年5月はトレンドの転換期だったといえそうだ。

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左2点は2018年11月に「ヒョウ柄」をテーマとして注目したときの女性たち。右2点は、2019年5月の「定点観測」で急増していた、“動物そのもの”がグラフィカルな柄となっていたケース。右から2番目は渋谷、いちばん右は原宿地点。
さらに遡ると、左から1982年5月、1986年11月、いちばん右は1990年3月のそれぞれ「定点観測」で出会ったアニマル柄を着用していた女性たち。

②“ちょっとアレンジ”としてのアニマルの柄と、“動物そのもの柄”!

1つ目のズームアップアイテムはこちら。

つい、昨冬、
2018年11月のズームアップアイテムとして「ヒョウ柄」を取り上げたが、2019年5月になり、幅色い層へと浸透している、とプレサーベイ時に編集部員全員のあいだでコンセンサスを得たので、再度取り上げることにした。

アイテムでもっとも多かったのはスカート。茶×黒の比較的モチーフが小さめのヒョウ柄をはじめ、モノトーンのダルメシアン柄など、比較的おとなしめの柄が目立った。

アウターやトップスにも見られ、ピンク色のヒョウ柄や、モノトーンのゼブラ、グレーイッシュなヘビ柄など、ここ数年定番だった花柄やボタニカル柄の変化形としての“アニマル柄”があっという間に浸透していた。グッチの影響なのだろうか? 後日確認したところ、ファストファッションブランドのウェブサイトでは取り扱われており(店頭はあまり見かけなかった)、いずれにしても、着用するスタイルは、かなりジャパナイズされたトレンドといえそうだ。

また、渋谷と原宿地点限定だったが、犬、犬、犬とみっちり犬がグラフィック柄になっていたり、シカや馬、クジラなどがいくつも連なっているなど、“動物そのものが柄になっている=アニマル柄”が急浮上していた点も興味深い!

実はいずれも服のかたちとしては奇抜なものは少なく、ユニークで楽しいアニマル柄のトレンドは、4月に取り上げた“ちょっとアレンジされた新定番アイテム”のアレンジのポイントとして一気に浸透しているともいえそうだ。
 
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左から、2019年4月、2019年5月、1998年4月のそれぞれ「定点観測」で撮影・インタビューさせて頂いた「Tシャツの重ね着」スタイル。

③ホットトレンドの「Tシャツの重ね着」は、 きちんと感と対峙する“90年代ストリート感”がポイント。

2つ目のズームアップアイテムはこちら。

プレザーベイ時に原宿の男子に多く見られた「Tシャツの重ね着」スタイル

定義としては、「いちばん上に着用しているのが半袖のTシャツで、その下に着ているアイテムが露出しているスタイリング」とした。

2018年5月に「ロンT(ロング丈Tシャツ)」を取り上げているが、その時に比べるともっと薄手のTシャツっぽい素材感のものが着用されているようだ。

とはいえ、裾だけ出ている「裾出し」というよりは、袖がレイヤードされているのがポイント。下の写真の右2点(1998年4月)のような、アウターを着ないで「TシャツONTシャツ」とTシャツを重ねるスタイルはかなりカジュアルで若者らしい印象を受ける。

先の2つのトレンドとは対峙する、“ストリート感”=“90年代の流行のリバイバル&リミックス”ともいえそうだ。

また、Tシャツの上に大きめのベストを重ねる男子や、ビスチェ、サロペットなどとのレイヤード感なども見られ、今夏の「Tシャツをベースとしたややアメリカンな着こなし」の展開が期待される。

速報は17日(金)、インタビューは24日(金)に公開予定。

[文責:高野公三子]
 


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