■都市のコード論:NYC編  vol.06
テーマ:HOTEL
レポート
2018.03.08
カルチャー|CULTURE

■都市のコード論:NYC編 vol.06
テーマ:HOTEL

在NYC17年の日本人ビジネスコンサルタント、Yoshiさんによるまち・ひと・ものとビジネスの考察を「都市のコード論:NYC編」と題し、不定期連載しています。

1年半ぶりの起稿。テーマは“HOTELと都市“です。日本でも異業種からの参入が増え、新しい展開をみせていますが、NYでは? データとともに解析します。


ニューヨーク市内で新しいホテルのオープンが相次いでいる。


2015年時点で市内には696件のホテル (107,000室) が営業していたとされているが、その後新規オープンが続き、2017年10月時点では、ホテル数はおよそ785件、 部屋数は115,000室に達したと考えられている。

ニューヨーク市のマーケティングを担うニューヨーク・シティ・アンド・カンパニーが2017年に発表したレポートによると、2017年末から2019年までに、おおよそ40-50件の新しいホテルのオープンがさらに予定されていて、27,000室が追加されることになり、その結果2019年末には900件近くのホテルが市内に存在することになる。

新しいホテルの業態はさまざまで、部屋数をみても14室のみの小規模なものから600室を超える大型のものまでそのバラエティは幅広く、ターゲットとする市場のセグメントもさまざまだ。とはいうものの、そこには共通する傾向もあり、そして新しい試みも散見される。

ということで、今回はNYマンハッタンのホテルの変化についてデータとともに解析してみることにした。



2015年以降オープンした (そして今後予定されている) ホテルの数を、ボロウ (区) ごとにみてみよう。

ニューヨーク市の中心であるマンハッタンでは、1年に20−30件のホテルが継続してオープンしていることがわかる。少し前に話題になったブルックリンも毎年5-10件ほどオープンしているもののすでにピークアウトしている。

一方、クイーンズでは2017年と2018年にそれぞれ10件前後、2019年には15件のホテルのオープンが予定されており、そのペースはブルックリンを上回っている。


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ボロウ別でなにより注目すべきことは、2017年からブロンクスにもホテルがオープンしていることだ

1980年代の犯罪のイメージから観光とは縁遠かったブロンクスが、いよいよ市内のホテル戦線に参入したことになる。確かに地下鉄に乗ればブロンクスからマンハッタンの中心部まで30分ほどで着くことができるし、近年はブロンクスの南端に位置するサウス・ブロンクスの開発も進んでいて、2017年に市内で家賃の大きな上昇率を示した地区の上位はブロンクスが占めていると報告されている。

ビジネスやエンターテイメントが圧倒的にマンハッタンに集中していた状態から、近年その重心は少しずつ隣接する他のボロウへと分散傾向にある。ブルックリンからクイーンズ、さらにはブロンクスへと、オープンするホテルのロケーションの移動は、人々の注目の移り変わりをも反映しているといえる。

ホテルの新規オープン (2015-2019年)を、マップにしたのが下のリンクである。
バブルの大きさはそれぞれのホテルの部屋数を示し、それぞれのホテル名と部屋数をインタラクティヴにみることができる。

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2017年11月に東京は錦糸町、大阪は本町にオープンしたマリオット・インターナショナルが20〜30代のミレニアル世代を対象とした家具や内装にこだわったデザイナーズホテルブランド「モクシー・ホテル」。ウエブサイトもポップで従来のホテルのイメージとは異なる。

マンハッタンをみてみると、伝統的に観光客とホテルが多いミッドタウンにひき続き新しいホテルが多くオープンしていることがわかる。

たとえば、マリオットが手がける、612室のモキシーNYCタイムズ・スクエア (http://moxy-hotels.marriott.com/en) が2017年にオープンした。

やはりミッドタウンのハドソン川近く、ハイラインの北端に位置するハドソン・ヤーズでは大規模な開発が進んでいる。最新のインフラを備えた大型オフィス・スペースが建設中で、完成と共に多くの企業がミッドタウンからハドソン・ヤーズへと移転することが予想されている。企業が移転する先にホテルができるのは当然なのだろう。ハドソン・ヤーズの隣には巨大なコンヴェンション・センターであるジャヴィッツ・センターもある。部屋数の多い大型ホテルが多いのもミッドタウンの特徴といえる。

マンハッタンの南端に近いファイナンシャル・ディストリクト (旧金融街) からバッテリー・パークにかけても新しいホテルが増えている。グラウンド・ゼロ1ワールド・トレード・センターが完成したことで、コンデナストやデイリー・ニュースなど、多くのメデイア企業がタイムズ・スクエアからダウンタウンへと移転している。そうしたビジネス向けの需要はもちろんのこと、ロウワー・マンハッタンはかつての金融街から比較的若年層の人たちが住む地区へと急速に変化している。伝統的な観光地のミッドタウンを敬遠してロウワー・マンハッタンに宿泊することを選ぶ観光客も増えているということなのだろう。


 
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ハドソンヤードの開発のようす(2018年1月撮影)


ブルックリン
はというと、ダウンタウンウィリアムズバーグからグリーンポイントにかけて、そしてクイーンズではロング・アイランド・シティのほかにジャマイカでもホテルがオープンしている。

ロング・アイランド・シティは、マンハッタンのミッドタウンまでイースト・リバーを超えてすぐの場所にあり、マンハッタンよりも手頃な宿泊料金に設定されている。さらには部屋から川の向こうにマンハッタンの眺めを楽しむことができる。マンハッタンに滞在していたら目にすることができない贅沢だ。JFK空港行きのエアトレインが発着するジャマイカは、空港と市街地との両方へのアクセスの良さからホテルができているようだ。

ホテル数が急速に増えていることから、ニューヨークのホテル需給は緩和すると予想されている。激化する競争に生き残るためのカギは、差別化にあるようだ。

ニューヨーク市シティ・プランニングのレポート
によると、市内のホテルの部屋数のおよそ38%は独立系のホテルだという。チェルシーにあるハイライン・ホテル (http://thehighlinehotel.com/)、ミッドタウンのルーズヴェルト・ホテ (http://www.theroosevelthotel.com/)ロジャー・スミ (https://www.rogersmith.com)、ブルックリンのウィリアムズバーグのウィリアム・ヴェイル (https://www.thewilliamvale.com/) などが独立系に相当する。

これらのホテルは全国展開する大手ブランドとは提携していない。戦略的な選択だ。

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市内に43,600室あるとされる独立系ホテルの部屋のうち、49%は広義のハイエンドに属し、エコノミーのセグメントに相当する部屋数はその28%にすぎない。独立系のホテルがハイエンドをターゲットとしていて、独立系
であること (大手ブランドの一部ではないこと) を高付加価値化に利用していることがわかる。実際に、大手を避けて、独立系のホテルでの宿泊を選ぶ人は増えている。


独立系のホテルは、マンハッタンではダウンタウンブルックリンの一部クイーンズのロング・アイランド・シティなどでオープンしている。典型的な観光地ではない場所の選定がその価値の欠かせない一部であり、ハイエンドのイメージとロケーションが分かちがたく結びついていることがわかる。ロケーションはそのブランドの一部といってもいい。

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トリップ・アドバイザーが買収した現地ツアーの予約ができるプラットフォーム「ヴィアター(www.viator.com)」。

興味深いのは、大手ブランドもニューヨークでは独立系のアプローチを模索していることだ。

テキサスを拠点とするあるデベロッパーは、通常マリオットやヒルトンと提携してホテルを展開するものの、ニューヨーク市内では大手ブランドと提携せずに運営している。

なかには大手ブランドの傘下であることを隠して、独立系にみせて運営する覆面独立系ホテルもあるという。そのため、市内のホテルを独立系と非独立系にホテルに分けることは容易ではない。少なくともニューヨークに関する限り、ハイエンド市場は、独立系としての独自性を提供することが条件となっているようだ。

同時にヒルトンマリオットも、別名を用いたソフト・ブランドのホテルをオープンし、より小規模で、標準化されていない部屋を提供しようとしている。

日本でも2018年の春に軽井沢にオープンする予定のキュリオ・コレクション・バイ・ヒルトン
(http://curiocollection3.hilton.com/en/index.html) や、タイムズ・スクエアとミッドタウンの2カ所にあるマリオットのオートグラフ・コレクション (https://autograph-hotels.marriott.com/) などがその例であり、既存のブランドとは距離を置く位置づけになっている。

ソフト・ブランドはブティック・ホテルとして運営しつつ、同時に大手ブランドの一部として、予約やリウォードのシステムにアクセスできる利点もある。

 
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2017年、マンハッタン31丁目にオープンしたライフ・ホテルは、かつて雑誌『ライフ・マガジン』の本社だった建物を改修したものだ。

ホスピタリティのビジネスにもテクノロジーとデータは欠かせない。
ニューヨークのホテルでは、自分でチェックインを済ませるところが増えているiPadに接続された端末を利用してチェックインする。わからなければ、必要に応じてスタッフが助けてくれる。テクノロジーの利用でコストを抑えるホテルは多い。


ホテル各社はゲストに関する大量の情報を有している。そのデータをもとに、それぞれのゲストにどんなサービスを提案するのかがビジネスを左右することから、ホテル・テクノロジーのスタートアップ企業の買収も活発になっている。

現地ツアーを予約するサイトのヴィアター (https://www.viator.com) を買収したことで、ホテルやレストランの予約サービスを提供するトリップ・アドバイザー (https://www.tripadvisor.com/) では、ホテル以外の売上が31%増加した。マリオットは、データに基づいて、それぞれのゲストが気に入りそうな体験を個別に提案している。


ローカルな体験を提案するホテルは多い。マリオットが最近買収したアロフト・ホテル (https://aloft-hotels.starwoodhotels.com/) は、ローカルのアーチストによる音楽の演奏をスポンサーしている。ホステル感覚のブティック・ホテルを謳うモキシーは、部屋は狭くそれ自体がニューヨークの経験だという。

こうした動向の背景には、ホテルの競合はairbnbだという認識がある。airbnbがマーケットする、これまでのような観光客ではないローカルとしての体験をとりこむべく、宿泊に付随するローカル性をホテルが重視し始めていることが、現地ツアーやアクティビティの予約サイトの買収を後押ししている。ホテル周りのビジネスをいかにして取り込むのかは、これからも大きな課題だ。

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アーチ状の構造を多く手がけた建築家、エーロ・サーリネンによって1962年にTWA航空のターミナル4をホテルに改修したTWAホテル。
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TWAホテルのHPより。独特のレトロモダンな内装はある層にとっては宿泊することが目的となりそう。


新しいホテルを見て回ることで気づくことのひとつは、かつてのように、入口を入ると目の前に巨大なレセプションが広がっているという光景を目にすることはないということだ。ハイエンドのホテルにその傾向が強く、大きなデスクの背後に何人ものスタッフが立って待ち構えているという光景は過去のものになりつつある。

自分でチェックインするためのiPadが並んでいる以外には、入口のフロアにはソファが並ぶくつろぐ場所があったり、レストランがあったりする。2017年にマンハッタンの31丁目にオープンしたライフ・ホテル (https://lifehotel.com/
) のように、入口を入ってもどこにレセプションがあるのかすぐにはわからない、むしろレセプションをできるだけ見せないようしているようにさえ思えるところもある。

ライフ・ホテルはかつての雑誌の『ライフ・マガジン』本社だった建物をホテルに改修している。商品をマーケットする際に、それにまつわる物語を付加する物語マーケティングが一般化しつつあるが、ライフ・ホテルは既にそこにあるライフ・マガジンのレガシーの周りにホテルというビジネスを構築したのが興味深いところだ。

他の場所で再現不可能なプロジェクトには、他にはない固有性がある。オーセンティックなトーンを前面に出している内装にもそれは見てとれる。新しいコンセプトやデザインを考えたところで、ひとたび注目されたらそれはすぐに模倣され、あっという間に世界中でコピーされる。模倣されることを避けるためには、他にないユニークな場所を開発するしかないということなのかもしれない。

他にはないホテルといえば、JFK空港内で工事が進んでいるTWAホテル (https://www.twahotel.com) は、かつてのTWA航空のターミナル4をホテルに改修するものだ。 エーロ・サーリネンの手によって1962年にオープンしたターミナルで、トランス・ワールド航空 (TWA) はもちろんもう存在しないが、
その歴史とアイコニックなターミナルを利用したホテルとして復活する。
 
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1980年代にブティック・ホテルのコンセプトを導入したイアン・シュレージャーが手がけるPUBLIC HOTEL。冒頭のソファーの部屋の写真もここ。日本だと結婚式の会場としてのニーズは必須だが、NYの場合はアートイベントや音楽イベントが開催できるようなスペースを設けるところが多いよう。(https://www.publichotels.com/)
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日本における近年のデザインホテル、ブティックホテルのトレンドは、2012年にブルックリンに暮らす3人のオーナーの手によって開業したこのWHYTHE HOTELが有名だ。1901年に建てられた、精糖所に納める木樽を製造する工場をリノベートしたインダストリアルな意匠は、その後の日本における“ブルックリン・ブーム”や“ポートランド・ブーム”を後押ししたが、そういった表面的なことに留まらず、小資本(インディペンデント)であることをはじめ、レストランのメニュー、バー、パブリックスペース、ジムなど、従来の都市のホテルユーザーとは異なる“新しいラグジュアリー”なライフスタイルを提案していた点こそが新しい(写真は2013年8月に撮影したもの)。
 
ホテル・ビジネスの競争の中心は、部屋よりも宿泊の周辺へと移動している。

昨今の宿泊客の半分はレストランでホテルを選ぶというデータもある。ライフ・ホテルのロビーはレストランをフィーチャーしていて、近所の人たちが立ち寄るような場所を目指しているという。同レストランは、レストラン起業家のステファン・ハンソンが所有・経営している。

ホテルの中のレストランの多くは第三者の業者が経営し、ホテルとのシナジーが欠けていることが多い。ライフ・ホテルではハンソン自身が同ホテルに投資をしており、レストランの売上の一定の率を家賃としてホテルに払う仕組みになっている。

一般的に、レストランをオープンした後、その周辺が人気の地区になったら、家賃が上がり今度は追い出されることになりかねない。不動産価格の高騰に終わりの見えないニューヨークでは頻繁に耳にする話だ。ビジネス面での新しい取り組みは、その防止策でもある。

2017年にロウワー・イースト・サイドにオープンしたパブリック (https://www.publichotels.com/) は、1980年代にブティック・ホテルのコンセプトを導入したイアン・シュレージャーが手がけるホテルだ。

その名が示す通り、誰もが立ち寄ることができるように、コワーキング・スペースパブリックの場所があり、仕事をしたり、打ち合わせをしたりしている人たちが多い。上層階にはフード・ホールバーがあり、地下にはコンサート・ホールもある。エンターテイメントは利益が出せるものの、ホテル産業にノウハウがない部分でもある。その開発の意図がある。

こうしてみると、新しいホテルにはいくつかの傾向がある。宿泊周りの体験をとりこむこと。他にない固有性を求めるところもある。そしてテクノロジーとデータがホテル産業の未来に欠かせないコアであることも間違いのだろう。

[取材・データ/文:Yoshi(在NY・コンサルタント)]

 

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未来を顧りみれば

米国の中高生が大学に行くよりも、手に職をつけることを選ぼうとしている。進学よりも電気工や溶接技師といった現場仕事を望む十代が増えているのだという。 たしかに大学の授業料は手に負えない高騰ぶりだし、仮に学費をどうにかして大学を出たところで、いい仕事どころか定職に就けるかどうかも怪しいときている。多額の学資ローンを抱えてバイトに明け暮れるその日暮らしが関の山なら、高校を出てすぐに働ける準備をしたり、学校といっても大学ではない職業に特化したトレーニングを選ぶ方が理に敵っているというべきかもしれない。 中高生を対象とした最近の調査結果はその傾向を明瞭に示している 。高校卒業後に大学進学を考えている人は45%のみで、2018年調査時の73%から大きく落ち込んでいる。他方、職業訓練学校や見習いを考えている中高生は38%で、2018年時の12%から大幅に増えた。面白いことに、都市部に住む十代の間で大学を避ける傾向が最も強い。 製造や建設関連の技術を教える高校の「ショップ・クラス」を希望する生徒も増えている。ショップ・クラスは木工や溶接といった技術を教えるいわば手工クラスであり、以前はほとんどの生徒が進学準備のクラスに向かったため閑散としていたが、ここ数年で参加希望者が再び急増していて、学校側もショップ・クラスの設備投資を急ぎ、今の時代にふさわしいコンピュータ制御の工作機械などへのアップデートを進めているという。 手や身体を使う仕事の需要は強く、賃金も新卒では会計などよりも建設関連の方が上回る傾向が続いている。オンラインでは「ブルー・カラーを再びクールに」と訴えるインフルエンサーが現れて、こうした仕事は決して低賃金の単純労働ではないとイメージの回復を訴えている。実際今日のブルー・カラーは再生可能エネルギーやテクノロジーと分かち難く結びついていることが多いのも事実である。そうした働きかけも奏功しているのか、米国内では配管工や大工などの平均年齢が下がってきている。 さらに足下の統計を見ると、大学を出て間もない人たちの失業率が高水準に達していて、大卒の失業率が高卒のそれを上回る逆転傾向に転じたことが、にわかにエコノミストの関心を集めている。「大学は出たけれど」の状態は、米国だけでなく英国でも同様だという。 少し前に「約束された未来」が喧伝されたSTEMといえば、「役に立たない」などど言われた歴史や哲学専攻の新卒よりも今や失業率がずっと高くなっている有様だから、「何を学んだところでこの世の中に確かなことなど何もない」と若い世代が達観するのも無理はない。それなら自分にとって大事なことを学びたいというわけで、ニューヨーク市内の大学ではアート・スクールのプログラムに志願者が殺到している。 中高生は大学を敬遠しつつあるが、その親は進学を薦めることが多いのだという。大卒の恩恵を享受できた時代の体験を抜け出せない親世代と、ずっと現実的な今日の子供たちとの温度差というべきか。 新聞雑誌が伝える大学に行かない十代の言い分を見てみると、パンデミック期に両親が一日中家でスクリーンに向かっている姿を見て自分はそうなりたくはないと思ったという冷徹な観察を伝えていたり、現場作業にはキリがいいところで手仕舞いをして毎日の達成感を確認できる充足感があるといった意見もある。自分で決める余地があることも大きな要因のようだ。親方や雇用主はいるにしろ、必ずしもあれこれ指図されるわけではなく、段取りなどを自分でさばくところなども魅力らしく、どうも算盤勘定だけではないらしい。 「知識労働の終わりの始まり」が早速囁かれたりもしているが、目先にとらわれ過ぎてもいけない。予測をしているわけではないし、長期的な潮の変わり目は事後的にしかわからないもの。足下のことは一度忘れて、長い目で見るために、200年ほど遡ってみてはどうだろう。 近年ラッダイト運動が再び注目されている。ラッダイトといえば、19世紀初めに機械の導入によって仕事を失うことを恐れたイギリスの織物工たちが機械を打ち壊した一連の騒動として記憶している人も多いだろう。今日でも誰かを「ラッダイト」と名指しするとき、そこには前進を拒む後ろ向きな人だと非難する含みがある。 しかし近年の研究者やジャーナリストたちが主張するところによると、「機械を拒んだ時代錯誤のラッダイト」は史実を正確に反映したものではなく、ラッダイトたちの攻撃対象は機械そのものではなく、雇用主の機械導入目的やその利用の仕方だったとの見方でほぼ一致している。 織工よりも安く早く大量生産できる工業機械を、企業家たちは導入した。機械生産の織布は低品質だったが、何より低コストで、工場主の利益は大きかった。そして工業機械導入に伴い、長年の訓練を積んだ織工ではなく、技能のない人たち、特に子供を雇い始めた。そのやり方に対して、高品質の生産を行う機械を要求し、見習い経験のある熟練者がその機械を扱うこと、そして適正な賃金を求めたのがラッダイトだったのだという。今日のビジネス言語でいうなら、工場主のプラクティスに反対したということになる。 工場主が工業機械に利益を見たことは容易に理解しうる。しかし働く者にとっては、それは、工程を画一化して反復作業に細分化し、かつては自ら作業をとり仕切っていた織工の自発性を奪い、管理を工場主に集中することを意味した。 手に職をもつ熟練者は、誰かが監視しているからではなく、いいものをつくることが自分にとって大事だから、そうするものだ。そこに働くことの楽しみもある。必ずしも日銭目的のためだけに働くわけではなく、道具を自分流に使いこなしたり改造したりと創意工夫を重ね、それによって出来栄えが変わるところに面白味がある。一種の腕比べのようなものである。 工場主はそこに価値を見なかった。使用人たちに「規則正しく」と口を酸っぱくして繰り返し、「熟練者は不規則に働きがちだから現場から外す必要がある」と漏らしていたところに、機械化の企図を見てとることができる。それは熟練的働き方を無効にする「ディスキル化 (deskill)」をもたらした。 今日に至るまで、職人的な人たちには独立心が強く、気ままなところがあるが、当時組織化されつつあった産業資本はそれを好ましく思わなかったらしく、異なるやり方で労働を再編した。 工業機械導入前の織工は家内工業で、自宅で自分の都合に合わせて働きたい時に働く出来高払いの生産者だったが、工場では予め決まった時間に使用人として働くことになり、労働時間も長くなった。そして一様の規律が強いられて、序列と階層が派生した。それは今日私たちが知っている「仕事 (job) 」に近いものである。職人的な技能よりも集団行動が重視されるようになり、従順さなどの異なる資質が求められた。機械導入は働くことを根本的に変えた。 最近発表された英国の調査は、1990年代以降、オフィス職で「タスクの裁量権」が一貫して失われる傾向にあることを伝えている。 毎日の仕事において、どのタスクを、どのように行うかを自分で決めることができるかどうかに関して大きな裁量権をもつと答えた人は、1992年には62%いたのに対して、2024年には34%へと大きく減少している。以前は低給のオフィス職で減少傾向が顕著だったが、2017年から2024年にかけては、プロフェッショナルや高スキルの人たちの間で裁量権が縮小している。 デジタル・テクノロジーの浸透によって、ホワイト・カラーの仕事の生産性がリアルタイムでトラック可能になり、新しいやり方を試したり、より良い方法を提案しうる余地が減っているのだという。 アマゾンのエンジニアが、AIの導入によって、仕事がコードを書くことからAIが書いたコードを読むことに変わり、「倉庫で働いているようだ」と漏らしている記事を最近目にした。AIの利用を命じることで、雇用主はより早く、より多くのアウトプットを要求する。従業員にとっては、コードを書くことは楽しくもあるはずなのだが、AIが書いたコードを読むのは楽しいとはいえない作業だ。倉庫で働く人たちの一挙一動が細かく監視モニターされていることはよく知られているが、その点に関しては、オフィス職もさほど変わりはないようである。 2020年にパンデミックでオフィス勤務者が自宅で働くようになった。その後オフィスに戻す企業が徐々に増えてきて、2025年第二四半期には、フォーチュン500社のうち従業員に週5日オフィスに戻ることを命ずるRTOポリシー (return-to-office) を採択している企業が初めて過半数を占めるに至ったという。 多くの調査結果はリモート勤務の生産性がオフィス勤務と遜色ないことを示しているにもかかわらず、それでも雇用主はRTOを求め、それを一種の踏み絵としている(「出社しないなら辞めろ」)。一方従業員はそれに抵抗し、出社を迫られた挙句に別のリモート職へと移る人も少なくない。そこで続いている綱引きは、おそらく自宅とオフィスの生産性や利便性などとは別のものであり、200年前に工場主が何よりも一律の規則性を強いて、それに織工たちが抵抗したことと、どこか重なってみえてくるのである。 一般に人がコントロールをとりもどす最善の方法は、自分の手を使って何かをすることだという。最近多くの人たちが熱心にzineをつくっているのも、そうしたことと関係しているのかもしれない。自分が思うものを、ソーシャルメディアのように横槍が入る心配なく、プラットフォーム領主が強いるお作法に阿ることも、「いいね」を集める必要もなく、自分の判断と責任において好きにつくり、自分で考えたやり方で流通させる。それは仕事ではない。だから時間と労力と工夫を惜しみなく投じて取り組んでいるのだと思う。 仕事であっても違う働き方はありうる。たとえばソーラー・パネルの設置に携わる人たちがビジネスを共同所有し、そのポリシーやプラクティスを自分たちで決めて働くなど、手を使う仕事の人たちのコレクティヴの例は数多くある。働く日や時間を自分で選ぶことができるし、取引先や顧客の選定についても意見し、意思決定できる。株主に急成長を強いられることもない。同じ職種の大企業で働くよりも収入は少なくなりがちだが、それよりも自分にとって大事なことはある。職工は人に命令されることを拒むが、命令する側に立つことも好まないことが多い。 産業革命に続く19世紀後半には、様々な空想的未来構想が小説の形をとって現れた。そのひとつの2000年のボストンを舞台とした未来小説では、機械利用を増やして労働時間が大きく減り、どこかアマゾンを思わせる著しい集約的効率性を通じて人は必要なモノを苦もなく得られる世の中が描かれた。それに対して、理想は労働を最小限に減らすことではなく、労働の苦痛を最小限に減らすことにあると批判し、自らの未来像を手工世界として著した人があったことはよく知られている。それを機械を忌避する後退的ラッダイトと非難した人たちもいた。しかしそれは、働くことを貧しくすることに抵抗したラッダイトだというべきである。 先の歴史が教えるところによると、今後また様々な空想的未来構想が出てくるのかもしれない。資本集中、テクノクラートの重用、技術・エリート信仰、トップダウンの集権化など、よく似た条件が準備されつつある。そうしたことを考えると、手に職をつけることを考えている米国の十代は、世の中を実によく見据えていて、職人的な未来へと向かっているようにも思えてくるのである。 (おわり)

yoshiさん


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