YouTubeやテレビをみていると、あちらこちらから「かわいい」を歌う音楽が聴こえてくる。HoneyWorksによる「可愛くてごめん」(2022年)を皮切りに、2022年「わたしの一番かわいいところ」でSNSを風靡した「FRUITS ZIPPER」、それに続いて2024年「かわいいだけじゃだめですか?」でこれまたかわいいの旋風を巻き起こした「CUTIE STREET」。どちらのアイドルも、かわいい衣装を着て、跳ねるようなダンスやあざとい表情をする——そういえば、テレ朝の『あざとくて何が悪いの?』放送開始が2020年であったが、2026年9月に終了し、あざといの時代は終わり始めているのかもしれない。あざといの時代が終わり、純粋かわいいの時代が始まる……のだろうか。
これらのアイドルをプロデュースするのはKAWAII LAB.(カワイイラボ)である。同時期、「最上級にかわいいの!」と歌う、超ときめき♡宣伝部もバズになる。アイドルたちはかわいいの中でポピュラリティを得ていく。
動くたびにひらめくフリルや派手なリボンや繊細なレース——かわいいファッションを身にまとうのは、ステージでスポットライトを浴びるアイドルだけではない。街行く人々もまた、かわいさを装う。「定点観測」の街頭インタビューで、フリルやレース、リボンをあしらったアイテムが特徴的なブランド、メリージェニーのロンT、Y2Kモチーフでありつつアイロニカルな雰囲気を持つイグサのシャツやパンツを着用し、ロリータファッション研究をしているある人はこう語る。
着ると気分が変わるパニエとか服の面積が増えて人に迷惑がかかるけど、目立つが故の堂々さとか強マインドになれて、これが本当の私だと。ロリータでしか満たされない気持ち「乙女心」が満たされる洋服だなと思います。一生やりたいけど似合わなくなるのが嫌なのでピンクハウスに移行するのかなと思う。(定点観測 2026a 21歳 女性 / 大学4年生(環境デザイン))
「強マインドになれて、これが本当の私だと」感じたり、「ロリータでしか満たされない気持ち「乙女心」が満たされる」と言う。同じくメリージェニーやイグサのアイテムを着こなす別の人は「JKにかわいいおばあちゃんってチヤホヤされて店で過ごしたい」と言う(定点観測 2026b 原宿 10036 21歳 女性 / 大学4年生 服飾)。







