memo(メモ)

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レポート
2005.10.15
ファッション|FASHION

あえて“ちょっとこジャレたリサイクルショップ”を目指す、
中古家具&古着店が明治通りに登場

渋谷から恵比寿へ向かう明治通り沿いに、中古家具と古着を扱うショップ「memo(メモ)」が05年5月にオープンした。

オーナーのひとり、堀江浩樹さんは、老舗の古着店「CHICAGO(シカゴ)」を経て古着店「LOSTHILLS(ロストヒルズ)」の原宿店のプレス業務を担当。『smart』や『GET ON!』、『Rightning』など、幅広いファッション誌にご意見番として登場するなど、実はストリートではちょっとした有名人である。

「『ロストヒルズ』時代は雑誌の編集部によく売り込みに行きましたね。当時は古着屋のプレスということ自体が珍しく、面白がって取り上げてもらえました。クラブでもよく遊んでいたので、スタイリストやプレスの方を呼んだファッションセミナーみたいなイベントを開いたり。おかげで編集の方やスタイリストさんとは繋がりができ、今でも雑誌の掲載やリースなどに使って頂いています」。

晴れて独立しオープンしたショップ「memo」は、スタイリストやライターの仕事をする中島貴大さんとの協同経営だ。取り扱う商品は、インポート古着と中古家具、雑貨などだが、「おしゃれ古着屋」というよりは街中のジャンクなリサイクルショップのような印象を受ける。

「変な話ですが、若者よりも年配の人が家具を売る方が説得力があるじゃないですか。自分ももう32歳なので、今後のことを考えるといいかな、と思い、はじめてみることにしました」(堀江さん)。

実は、「memo」をオープンするのにあたり、「古着だけでは…」と悩んでいたときに、人気セレクトショップの「エディフィス」で家具を担当している友人から「家具もおもしろいよ」と勧められたのがきっかけだとか。さっそくその友人について勉強し、現在では、中古家具類は、海外仕入れや地方で開催される競りで買付ける他、一般の方からの買取も行っている。

家具といえば、都内では「ファニチャー通り」との異名をもつ目黒通りにオープンが有名だが、
「目黒の家具屋は格好良くて、良いものが揃っていると思います。でも、自分はインテリアにルールは要らないと思うんです。例えば70年代風が格好いいからといって、部屋のなかのものを全部70年代風のテイストで揃えなくてもいいじゃないですか。というか、それじゃあ、いつまでたっても賃貸の部屋に住む若者たちは好きな家具は買えません。家具も古着を選ぶように、もっと自由に組み合わせてもらいたいと思い、白い壁紙で自分の部屋のような雰囲気を意識しました。イメージとしては“ちょっと、こジャレた”リサイクルショップ。となると、目黒通りは違ったというわけです」と堀江さん。

半年から1年ほどかけて物件を探した条件は渋谷のような繁華街からほど近く、近くにコンビニがあり、渋谷や原宿、新宿からみて明治通りの下り車線側であることだそうだ。

「今のサラリーマンとかOLの方って帰宅時間が遅いじゃないですか。かといって土日にわざわざ混んでいる街なかに買い物に出てくる気はしないじゃないですか。だったら閉店時間を遅くして、会社帰りに気軽に立ち寄ってもらえたらと思ったんです。下り車線にこだわったのも同じ理由で、車で移動する編集者やスタイリストさんが立ち寄りやすいのでは、と思ったからです」(堀江さん)。

そんな同店は、2人の友人をはじめ、ファッション業界の関係者が立ち寄ることが少なくなく、ときには結果的に深夜の2時3時まで営業していることもあるそうだ。

「オープンしてみて驚いたのは、恵比寿や広尾を控えたこのあたりは、お金持ちの日本人や駐在系の外国人の方が多いことです。ふらっと立ち寄ってはさくっと椅子などを買っていかれたり、逆に、突然買い取りの依頼を受けたり。また、買い取りでお宅に伺うと、ものすごい豪邸で驚かされることも少なくありません。今後はそういったこのエリア特性を活かし、もっと地域に密着した店作りを考えていきたいですね」(堀江さん)。


取材・文:苫米地香織(フリーライター)+『WEBアクロス』編集室


memo
東京都渋谷区東2-20-14
タワーホームズ氷川102
TEL:03-3498-9100
営業時間:12:00〜23:00 不定休

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