モンベルクラブ渋谷店

モンベルクラブ渋谷店

レポート
2003.11.04

02年冬にミナミスポーツ渋谷店、今夏にはヴィクトリア渋谷店が閉店したのは記憶に新しい。渋谷のアウトドアスポーツ事情がますます貧困になるかと思われた矢先、10月17日、渋谷・東急ハンズ前に「モンベルクラブ渋谷店」がオープンした。
運営するのはアウトドアスポーツ用品メーカーである(株)モンベルグループ(本社、大阪市西区)の子会社(株)ベルカディア。9月に竣工された地下1階・地上6階建ての自社ビルを利用したもので、東京での旗艦店となる。これにより国内29店舗、海外(米・ボルダー)1店舗での展開となった。

実は同社は今回の出店の他、長野県の諏訪店、大阪府の箕面店と、10月だけでも3店舗をオープン。出店には常に意欲的だという。
「メーカーである我々は、良いものを親切・丁寧に売るだけでなく、アウトドアの楽しさを伝え、表現していかなければなりません。誰にも会いたくない、と思ってフィールドに出かけても、感動を共有できる理解者が欲しくなるもの。ごく一般の方々にもアウトドアを身近に感じて頂くきっかけになればと、出店するのは認知度の高い場所をセレクトしています」と、同店店長の半田久さんは話す。

ガラス張りの店内でまず目に飛び込んでくるのが、1階から3階の吹き抜け部分に設置された高さ13メートルのクライミングウォール。迫力あるオブジェとしての存在感はもちろん、実際にロッククライミングを体験することもできる。

1階から4階は都心部最大となる190坪の売り場、5階はイベントスペースとなっており、アウトドアライフの情報発信地として、写真展や講習会を開催していく。18日にはオープニングイベントとして、北磁極から南極点までの人力踏破や七大陸最高峰登頂の最年少記録を持つ若き旅人、石川直樹さん(26)のスライドショーが行われ、会場には20代を中心に100人以上もの若者が集まった。

地下1階には、同社としては5店舗目となるエスニックファストフードレストラン「スパイスマジック」を併設。地下とはいえ、坂道に面した大きな吹き抜けの窓が明るい、開放的な空間である。今回の出店を機に同店はリニューアル。既存のインディアンテイストに加え、タイやイタリアなどワールドワイドなスパイスに着目した商品を新たに投入した。コーヒーは、米国コロラド州ボルダー産の豆を直接入荷し提供している。

「アウトドアとは切り離せない“旅”のイメージを取り入れ、より同社のブランドイメージに沿った展開をしていきます。“スローフードに通じるファストフード”を目指し、有機栽培の食材も積極的に取り入れています」とは、同店プランナーの河村衡徳さん。

総務省の推計によると、03年9月現在の65歳以上の高齢者は、日本の総人口の19.0%と過去最高を更新した。高齢者人口は年々増え続けており、世界最高水準に達しているという。
「引退のないアウトドアは、健全な人生を送るために必要不可欠。総参加人口は確実に増えていますね」(半田さん)。

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