WAHREN(ヴァーレン)

WAHREN(ヴァーレン)

レポート
2003.10.23
ファッション|FASHION

03年8月8日、渋谷のはずれにメンズセレクトショップ「WAHREN(ヴァーレン)」がオープンした。場所は旧山手通りの神泉交差点そば。自動車修理工場やインテリアショップなどが入居する雑居ビルの1階だ。

「1号店ということで、渋谷をはじめ表参道や青山、代官山、中目黒エリアのあらゆる物件を見ました。表参道や青山は家賃が高額で、中目黒は物件自体が少ない。渋谷はカジュアルな若者の街、代官山は女性の街というイメージが強く、メンズショップには不向き…と検討していった結果、最終的に落ち着いたのがこの場所です。天井が高く、車が停めやすいことも決め手のひとつでしたね」というのは、運営元の(株)ヴァーレン代表取締役の朝賀俊行さん(31歳)。

朝賀さんは、約10年にわたり某メンズブランドに勤務。販売を中心に営業から商品企画までの業務の経験を経て99年に独立。翌00年に会社を設立し、複数のブランドの代行業を行って来たが、今春、ショップのオープンが実現したというわけだ。

「お客様の年齢層は25〜50歳までと幅広いんですが、一番反応がいいのは40〜50代のかたでしょうか。一度にまとめて数百万円分購入されていくかたもいます。なかには、30分で服を選んで2時間近くお話をされていかれるかたなどもいらっしゃるので、ゆっくりとくつろげる空間をつくったつもりです。最近は南平台や青葉台など周辺にお住まいのかたもお見えになります。土地柄もあって上質なかたが多いようですし、この場所を選んで正解だったと思っています」(朝賀さん)。

店内は黒とライトグレーが基調。左壁ぎわと中央の棚に商品が整然と並び、右側には革張りの黒いソファと天井から黒のベルベットのカーテンがゴージャスな試着スペース。そして、突き当たりの壁は全面鏡となっている。

商品は、「bajra(バジュラ)」、「Dirge(ダージュ)」、「YASUYUKI ISHII」の国内3ブランドをはじめ、イタリアの「JACOE BE(ヤコブ ビー)」、「ブイネック」など。併せてオリジナルブランド「ヴァーレン」も展開する。

「コンセプトは“ハイクオリティ、大人のドレスダウン”。オリジナルでは、ダーツやベルトの位置、袖口など、レディスを意識したつくりのものもあります。ゆくゆくはドレープやプリーツを取り入れたエレガンスなラインも取り入れていきたいですね」(朝賀さん)。

黒をベースに、モードっぽさを取り入れつつ、どこかデコラティブでセクシーなメンズウェアを展開する同店は、『MEN'S NON-NO』に見られるようなハイストリートでもなく、『GINZA for men』が提唱するハイカジュアルでもない、「ちょいキザ」とでも言うような、新しいカテゴリーのスタイルを提案するショップといえそうだ。

01年秋は「食」、02年秋は「ライフスタイル」、そして今秋は、ギンザシップス(8/28)をはじめ、ユナイテッドアローズ原宿本店メンズ館(9/1)、渋谷パルコパート1・6階のメンズゾーン(9/6)、伊勢丹新宿店メンズ館(9/10)など、「メンズ」をキーワードにしたリニューアルがめじろ押し。いよいよ、「ストリート」を卒業した男性たちをめぐるメンズファッションの細分化が始まっているようだ。

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