CANTIK

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レポート
2003.07.12
フード|FOOD

5月23日、カフェ&ダイニング『CANTIK(チャンティック)』がオープンした。場所は渋谷区桜丘町のJR線の線路沿い。03年2月に突然閉店した「WIRED DINER」跡地である。

「実は、私の本業は広告やイベントの制作です。仕事柄、クライアントから“期間限定カフェ”を依頼されることがあるんですが、既存店舗とのタイアップだと規制があってできないことが多い。それなら自分で店を持ち、そのつどクライアントのオーダーに答えたほうがいいのでは、と思ったのがきっかけです」というのは、同店のオーナーであり、現役プロデューサーの(有)フリーク代表取締役・鈴木千里さん(28歳)。

同店は、一見スタンダードなアジアンカフェ。オープンテラスへと続く階段の脇には水が流れ、あちらこちらに置かれた植栽と店頭にある街路樹とが相まって、アジアンリゾートな雰囲気を醸し出している。もちろん、イスやテーブルなどのインテリアはバリ島やタイ、フィリピンのものだ。

建物の1Fエントランスには、これまたアジアンリゾートを思わせる大きなジャングルの絵が壁一面に飾られており、その横にはキャンドルやフォトフレームなどアジアン雑貨を扱うショップが併設されている。

全体がアジアンテイストで統一されているのかと思いきや、2Fは3方を白い壁で覆い、シンプルなインテリアでまとめられたギャラリースペースとなっている。

「別件で知人のアーティストから展示場所について相談を受けていたこともあって、いっそここをいろいろなアーティストの情報発信基地にしようと考えました。今後は、服や音楽といった幅広いジャンルとのコラボレーションを企画していきたいですね」(鈴木さん)。

実は、このギャラリー案は、同店運営の委託先である (有)act growingからの提案もあってのこと。同社はカフェやバーなど飲食業界での勤務経験を持つスタッフ4名により、03年1月に設立されたばかり。代表の山岡純一郎さん(28歳)と鈴木さんが知り合いだったことから今回の共業が実現したのだそうだ。

主に、若手アーティストたちの作品を扱うギャラリースペースを常設するだけでなく、オファーによっては店そのものを「期間限定カフェ」としても活用する。そんなフレキシブルなコンセプトの同店は、「複合型カフェ」という業態の枠をも超越した「anonymous(アノニマス)」な飲食店といえそうだ。

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