レポート
2009.10.28
ファッション|FASHION

2010SS東京コレクションレポート_MIKIO SAKABE(ミキオサカベ)

 ショーのトップを飾ったのは、東京・パリ・ミラノの3都市でコレクションを発表する「MIKIO SAKABE(ミキオサカベ)」。今回は「トワイライト」をテーマに、初の試みとなる黒を基調にしたコレクションを発表した。

 多くのブランドが作っており、誰もが着用するアイテムの象徴として、Tシャツとジーンズを中心に構成。カジュアルなアイテムだが、よく見るとTシャツは薄く繊細な素材のパッチワークになっていたり、ジーンズにグラデーションカラーのブリーチがかけられていたりと、精緻なテクニックで作り込まれている。Tシャツに施された十字架プリントや、バンドTシャツ風のロゴ、破れた黒ストッキングなどに加え、ウェットな無造作ヘアやスモーキーなアイメイクなど、ゴス/メタルの要素を取り込んだスタイルが中心。これまでの同ブランドにはなかった、ストリート要素を盛り込んだ。

 「90年代の、マリリンマンソンやハードロックを聴くような、個性的な女の子がイメージです。インターネットが普及する前のように、少ない情報の中から自分の好きな物を自由にセレクトできた時代こそ、個性を表現できたのではないでしょうか」とデザイナーの坂部三樹郎さん。昨今のインターネットの普及が自然と選択肢を増やし、“選択回避の法則”から結果としてみな同じトレンドに乗り、似たようなファッションになってしまっていることに対する異議を込めて、「個性とは何か」というメッセージを訴えかけた。


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