Lovelies Lab. by miou(ラブリーズラブバイミウ)
6%DOKIDOKI(ロクパーセントドキドキ)
レポート
2009.08.03
ファッション|FASHION

Lovelies Lab. by miou(ラブリーズラブバイミウ)
6%DOKIDOKI(ロクパーセントドキドキ)

6%DOKIDOKIの併設ギャラリーが、新ディレクターを迎えてリニューアル

リニューアル第一弾として5月31日に
アーティストによるフリーマーケット
を実施。
今シーズンの売れ筋はリボンモチーフの
アイテム。リーズナブルに“Kawaii”
アイテムが揃う。
ロリータ系やゴシック系、パンク系の
ほか、08年あたりからはギャル系や
ストリート系なども来店するように
なっているそうだ。
ショップガールのユカさん。
ショップガールに会うために、地方や
海外からわざわざ来店するお客さんも
少なくないそうだ。
右:6%DOKIDOKIディレクターの
益田セバスチャン氏
左:Lovelies Lab.ディレクターの
miou(ミウ)さん。
2005年に現在の店舗に移転。
プロペラ通りのピンクの外壁が目印。
1995年のオープン以来、裏原宿に根ざして「かわいいもの・こと」を発信し続けているアパレルショップ「6%DOKIDOKI(ロクパーセントドキドキ)」。同店が運営するギャラリー「LOV−LAB(ラブラブ)」が、新ディレクターを迎えて「Lovelies Lab. by miou(ラヴリーズ・ラブ バイ ミウ)」として2009年5月にリニューアルオープンした。

「6%DOKIDOKI」は、演劇や現代美術のパフォーマーやスタッフとして活動していた増田セバスチャン氏により、1995年に裏原宿にオープン。96〜7年のインディーズデザイナーのブームの先駆者的な存在として「衝撃的なカワイイ」「度を超えたカワイイ」「可愛過ぎるモノ・コト」を意味する「センセーショナルラブリー」をコンセプトに、オリジナル中心のポップでキュートなデザインのアクセサリーや洋服を販売してきた。同ブランドの世界観を体現する「ショップガール」が、イメージアイコンとして接客や広報モデル等の活動をしているのも特徴だ。

2005年の移転を機に、ショップの上階にギャラリー「LOV−LAB」をオープンし、店内で行っていたアート等の展示を同ギャラリーで開催。展示ディレクションはすべて増田氏が行っていたが、同店や原宿の世界観に縛られずに広い視野でカルチャーを発信していくため、新ディレクターにmiou(みう)さんを迎え、名称も変更してリニューアルすることになった。

今回ディレクターに就任したmiou(みう)さんは、小学生の時からぬいぐるみの制作を始め、学卒後からディレクター就任直前までアパレル企業に勤務しながら、ぬいぐるみ作家の活動を両立。2004年からは「miou petite pisseuse(ミウ プティットゥ ピシュウズ)」としてオリジナル作品を発表するほか、国内外のアーティストのぬいぐるみ作品を紹介したり、日本やフランス、ドイツ・デンマークでワークショップを行ったりと、幅広い活動を行っている。もともと同店のファンで、増田氏と親交があったことから、今回ディレクターに起用された。

「miouさんは海外のアーティストにネットワークがあるので、“Kawaiカルチャー”を広い視野で発信してくれると思い、ギャラリーの一切をお任せすることにしました。オープン当初からファンの方は、お子さんがいらっしゃる方も多いんですが、ギャラリーがあればお子さん連れでも来やすいと思いますし、Kawaiiカルチャーの根幹に年齢は関係ないので、様々な世代に来てもらいたいです。」(6%DOKIDOKIオーナー・増田セバスチャン氏)。

同ギャラリーのコンセプトはずばり「かわいい(Kawaii)」。ジャンルや、イベント・展示・ワークショップ等の形式に捉われずに、幅広い世代に向けて世界中のかわいいもの・ことを発信する。リニューアル後第一弾のイベントとして5月31日に、「ハッピーの交換ができる」という発想から、アーティストによるフリーマーケットを開催した。

「ギャラリーをやっていく上で大切にしているのが、かわいいのなかにあるハッピー感。エキシビジョンでは、作品やアーティスト自身に温かいものが感じられ、人と人とのコミュニケーションが生まれるようなもの、を選出しています。ただ作品を並べる展示ではなく、サーカスを見るように感情が動かされるような方法を取りたいです」(Lovelies Lab. by miouディレクター・miouさん)

ショップのコアな客層は18〜23歳の女性で、これはオープンから14年間変わらないという。訪れる女性のファッションは、デコラティブなロリータ系やゴシック系、パンク系のほか、08年あたりからはギャル系やストリート系も多くなっており、地方や海外から訪れる熱烈なファンも多いそうだ。ショップに訪れた客がふらりとギャラリーへ足を運ぶことが多く、ティーンズや若年層がアートやカルチャーに初めて触れる、入口の役割を果たしているそうだ。

「自分が10代だった頃は、『宝島』など、音楽も演劇もファッションもセグメントされずに掲載されている雑誌があり、様々なジャンルのものから影響を受けました。また、同店をオープンした90年代半ばはまだインターネットが普及していなかったため、若者たちは街に出て能動的におもしろいものを探す傾向が強かったと思います。しかし最近の10代〜20代前半は、ファッションだけ、音楽だけ、というように自分で興味の対象を狭めていて、洋服を買うのにも、インターネットや駅ビルで満足する受身の姿勢が強い。そんな世代のなかでも、原宿に来ている子たちはモチベーションが高く、現在のマーケットに対して何か違うな、と感じている子たちだと思うので、そういった子たちに向けて当ギャラリーがメッセージを発信し、何かを感じるきっかけになれば嬉しいです」(増田氏)。

同店のほか、弊誌で取り上げた「kagure(かぐれ)」「GLASS GALLERY291」「monster in my daydream(モンスターインマイデイドリーム)」等、展示やワークショップを行うショップが増加傾向にある。ショッピングがインターネット上で成立する現代において、店に足を運ぶための買う以外の目的を与えると共に、訪れた客に思いがけない出合いを提供することができる。

また、大手企業の画一的なデザインや品揃えが並ぶなかで、手間をかけてでも、人と違うものや自分だけのお気に入りを探して隠れ家ショップを回遊する層が少しずつ増えている。類を見ない個性的な商品と、足を運びたくなる仕掛けが充実した同店は、90年代リバイバルのトレンドやコスプレ感覚の一般化ともフィットしており、今再びブームになりそうだ。

また、8月15日にサンフランシスコに誕生する日本のポップカルチャーを発信する複合商業ビル「NEW PEOPLE(ニューピープル)」の、オープニング期間限定ショップとして「6%DOKIDOKI」が期間限定オープンする予定で、今後に注目が集まる。

取材・文/緒方麻希子(フリーライター/エディター)+『ACROSS』編集部
■6%DOKIDOKI(ロクパーセントドキドキ)
■Lovelies Lab. by miou(ラブリーズラブバイミウ)

〒150-0001
東京都渋谷区神宮前4-28-16 TX101ビル2F・3F 
tel:03-3479-6116
営業時間:12:00〜20:00


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