BAMBOO LUNA（バンブールナ）

中目黒駅から山手通りを青葉台方面へと歩くこと約7分。目黒川へと続く路地を入った場所に、レディース向けアウトドアセレクトショップ「BAMBOO LUNA（バンブールナ）」が、2008年9月19日にオープンした。運営元は、有限会社バンブーシュート。同店は、今年10周年を迎えた中目黒の人気アウトドアセレクトショップ「BAMBOO SHOOTS（バンブーシュート）」の姉妹店である。

「アメリカでのエコ・ロハスブームの影響からか、03〜04年頃から、アメリカのアウトドア見本市などで女性向けのアウトドアファッションが急激に盛り上がり、大手のアウトドアブランドからレディースのアイテムが続々と発売されるようになりました。BAMBOO SHOOTSではオープン当初から店内の一角にレディースのコーナーを設けて女性向け商品を扱っていたのですが、ちょうどその頃から女性のお客様からが多くいらっしゃるようになり、東京でも女性向けアウトドアファッションのニーズの高まりを実感。レディースに特化したアウトドアショップがなかったこともあり、今回、BAMBOO SHOOTSの10周年をきっかけに、同店のオープンに踏み切りました」（店長兼バイヤー　立石悦史さん）。

コンセプトは「国境や時代を越えて“動く”こと」。山や野原に行くアウトドアウェアとしても、ファッションを楽しむタウンユースの日常着としても、両方のシチュエーションで楽しめる商品を提案している。また、アウトドアを特別視せずに、ライフスタイルの1つとして身近に取り入れてほしいという思いから、軽登山や近場へのキャンプといったライトハイキング用のアウトドアアイテムを提案している。

同店では真冬に標高3,000メートルの雪山に登るような、重装備や安全ベルト等の限られたシーンだけで使うようなエクストリーム用のものは揃えていない。街と自然の中、どちらのシチュエーションでも、女性が心地よいと感じられるようなアイテムをセレクトしている。

取扱ブランドは、「WILDTHINGS（ワイルドシングス）」「GO LITE（ゴーライト）」「WALLA WALLA SPORT（ワラワラスポーツ）」「ARTESANIA（アルテサニア）「ARC’TERYX（アークテリクス）」等。商品はインポートが中心で、特にアメリカのアウトドアやスポーツブランドが豊富だ。商品構成は、ダウンジャケットやプルオーバー、ニット、Tシャツといったウェア、リュックやショルダー等のバッグ、シューズ、アクセサリー等と幅広く、防水機能等のハイテクなものを中心に、温もり溢れるハンドメイドのものまで様々だ。セレクトの基準は、使いやすくて軽く、動いたときに着心地がいいもの。女性らしいファッションを表現できるような、明るい色のものを選んでいるそうだ。

創業以来、中目黒で店舗を運営してきた同社らしく、物件は中目黒の路面店に絞って探したという。以前はパン屋だったという店舗は14坪。内装は黄土色の土壁と木製の床を使い、温かさを表現。ディスプレイ用ラックは、枕木と石を組み合わせてペイントするなど、スタッフの手作りによるものだ。自然素材を多様に活かした空間になっている。

「トレンドとの距離感が程よくカジュアルな日常着としても使えるアウトドアファッションが30代前後の女性に共感されているのではないでしょうか」（立石さん）。

メインの客層は30歳前後の女性。平日は、周辺に住む人や在勤者が会社帰りに立ち寄るケースが多く、夜7時以降に込み合うという。一方、土日はカップルでの来店が増えるそうだ。

ここ数年の音楽フェス等の野外イベントもアウトドアブームのきっかけのひとつとなっており、野外フェスをきっかけに、高機能のアウトドアファッションアイテムを取り入れたり、自然の魅力にはまって軽登山を楽しむようになったりと、ファッションとレジャーの両面からアウトドアを取り入れている女性が増えているという。

そんななか、同店は、あえてライトハイクが可能な商品に限定したことで、タウンユースにも適し、デザイン性も高い商品を充実。女性にターゲットを絞り、ファッション性とアウトドアアイテムとしての機能を両立している点が、女性が漠然と持つアウトドアへのニーズを、うまく具現化していると言えるだろう。これまでになかった、新しいスタイルのアウトドアショップが誕生したといえそうだ。

［取材・文／緒方　麻希子（フリーライター）＋『ACROSS』編集部］

http://www.bambooshoots.co.jp/bambooluna/index.html

東京都目黒区青葉台1-28-7 #103
Tel: 03-5722-7508


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