XXX LOVES CHANGE(ラブズチェンジ)
レポート
2008.12.16
ファッション|FASHION

XXX LOVES CHANGE(ラブズチェンジ)

女性の変身願望を満たすファッションウィッグショップ

店内の中心にドレッサーを設置。
座ってゆっくりと試着できる。
売れ筋のつけ毛タイプ。スッキリと見えるよう、
商品は箱に入れてディスプレイしている。
シュシュやカチューシャなどのヘア
アクセサリーも充実。ウィッグと
あわせて買う人も多いそうだ。
人気アクセサリーブランドRISH DECO
のピアス。ファッションアイテムと合わせて
ウィッグを提案している。
人気の前下がりボブのフルウィッグ。1万6,800円
人工肌が付いているので分け目も自然。
付け毛を中心としたウィッグショップ「XXX LOVES CHANGE(ラブズチェンジ)渋谷店」が、路面店(渋谷マルイシティ)として、2008年7月11日にオープンした。運営元は、1970年の創立以来、女性用ウィッグの卸販売および輸出入を手掛ける、アデランスグループのフォンテーヌ株式会社。

「当社のウィッグに必要なファイバー(髪)の技術力には定評があり、これまで高品質なものを提供してきたという自負があります。その技術を若年層向けのファッションウィッグに活かしたことで、これまで、ファッションウィッグの毛質はパサパサしているのではないかと、敬遠していた人にも受け入れられたんだと思います」(店舗開発部 戦略ブランド担当 係長 利重剛史さん)。

これまで百貨店内や直営店を中心に、中高年層をメインターゲットにブランド展開をしてきたが、2007年9月に同ブランドをスタート。若年層に向けたファッションウィッグに本格的に展開している。

渋谷店は、同ブランドの旗艦店。福岡店、大阪店に続く3店舗目であり、初の路面店だ。実は同社では、以前より若年層向けの展開をテストしてきた結果、よりファッション性を強化し、おしゃれを楽しむアイテムとしてウィッグを提案する、「XXX LOVES CHANGE(ラブズチェンジ)」を07年に立ち上げた。

コンセプトは、「変身することが大好きな女性たちへ」。シーンや気分によってファッションを変えるのにヘアスタイルはいつも同じ、という点に物足りなさを感じている女性をターゲットに、ウィッグによるヘアスタイルチェンジを提案する。

「さまざまな角度から商圏を分析した結果、ターミナル駅で、社会人も学生も多く訪れる、渋谷と新宿を中心に物件を探しました。渋谷店では、ウィッグへの敷居を低くして、ふらりと立ち寄りやすい店舗を作ることを目指しました」(利重さん)。

商品構成は、ロングタイプ付け毛が5割、アップスタイル用付け毛が3割、フルウィッグが1割、バングス(前髪)用付け毛が1割。また、シュシュやヘアクリップ等のアクセサリーやオリジナルのヘアジュエリーも揃えている。ウィッグの素材は合成繊維と人毛ミックスタイプの2種類で、形状は12種類。カラーは最大8色から選ぶことができる。

売れ筋は、キャラメルブラウンの巻き髪の部分用付け毛で、長さ50センチのロングタイプ。また、前下がりボブのフルウィッグも人気だという。価格帯はロングが2,520円〜1万1550円、アップが2,310円〜7,560円、フルウィッグが1,5750円〜3万6,750円、ヘアアクセサリーが500〜1万5,000円。客単価は約8,000円で、ウィッグとアクセサリーを合わせて購入するケースが多いという。

店舗面積は約12坪。自分の部屋でくつろいでいるように、リラックスして買い物を楽しんで欲しいという思いから、内装は女性の部屋をイメージ。ブラック、ゴールド、ピンクをテーマカラーに、ミラーや暖炉を配置し、スタイリッシュでありながらどこかアットホームな雰囲気だ。中央に設置されたドレッサーに座って、試着しながらウィッグを選ぶことができる。

また、ウィッグ=ファッションアイテムというイメージを訴求するため、アパレルブランドの「JAYRO(ジャイロ)」とコラボレーション企画を実施。店内にJAYRO(ジャイロ)の洋服を着用したマネキンを展示し、購入者に相互で使える割引チケットを配布するというイベントを行った。

「軽い変身ならメガネや帽子でもできますが、ヘアスタイルをがらりと変えられて気分を上げられるウィッグは、変化を楽しむ最良のアイテムだと思います」(利重さん)。

客層は、25〜30歳のOLを中心に、10代〜40代までの幅広く、平日の夕方は在勤者、休日にはショッピング目的の来街者が来店するという。

「109や丸井でショッピングをするようなギャル系の方から、『BAILA』を読むようなOLさん、トレンドに敏感な『アラフォー』まで、お客様のファッションも年齢もさまざまです。2007年春頃から、それまでの編み込み式のエクステンションから、より簡単で髪へのダメージが少ない前髪ウィッグや付け毛タイプの部分ウィッグへとニーズが移行しています。また現在は、じわじわとフルウィッグへの注目が高まっており、購入されるお客様も増えています」(利重さん)。

付けまつ毛やまつ毛のエクステンション、ジェルネイルやカラーコンタクト等、変身したい女性たちの好奇心を満たし、年代や層を限定しないアイテムは、ブームを超えて定番となりつつある。ファッションウィッグは、結婚式等の特別なシチュエーションだけでなく、日々のファッションを楽しくしたり、髪に対する悩みを解消したりと用途が広いので、女性の潜在的なニーズを掘り起こす余地はまだまだ十分にあるといえそうだ。ファッションに合わせて自分自身を着替える、新たなジャンルがまた1つ確立されようとしている。

[取材・文/緒方 麻希子(フリーライター)+『ACROSS』編集部]

XXX LOVES CHANGE(ラブズチェンジ)

http://www.loveschange.com/

東京都渋谷区神南1丁目21-3
Tel:03-5489-8182


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