Johanna ho(ジョアンナ ホー)表参道 Flagship Shop
レポート
2008.11.20
ファッション|FASHION

Johanna ho(ジョアンナ ホー)表参道 Flagship Shop

Johanna hoがフルラインで揃う国内初の旗艦店

Johanna hoのフルラインが揃う。
オーガニックコットンやリサイクル
ファブリックを使用したラインの
「Johanna and Dorothy」。
小物も充実し、オンオフどちらにも
対応できるデザインばかり。
2階はパープルを基調にした
大人っぽい雰囲気の内装。
香港出身、ロンドン発の女性デザイナー、Johanna ho(ジョアンナ・ホー)の商品がフルラインで揃う、国内初の路面旗艦店が08年9月6日にオープンした。ジョアンナは1998年秋冬シーズンに「Johanna ho」レーベルを創設。日本では06年春から株式会社三陽商会が展開を開始し、同年3月には六本木ヒルズに初のオンリーショップを初出店している。今回オープンした旗艦店は、表参道のメインストリートから、一本路地を曲がった場所に位置している。

「06年の展開当初から路面店の出店を計画し、出店場所を探していました。表参道から少し入ったこの立地が、ブランドコンセプトに合った良いロケーションだと思っております」(プレス担当・小澤深雪さん)。

同社は東アジア地区へのビジネスを視野に入れ、香港を拠点に活動する、
ジョアンナ・ホーと出会い、デザイナー契約によるブランドビジネスを開始。現在ジョアンナは、香港と学生時代を過ごしたロンドンとを行き来する生活を送りながら、デザイナーを努めている。今年はレーベル創設10周年の節目として“ホーム”であるロンドン・ファッション・ウィークに参加するなど、新たなスタートの年でもあるという。

今秋冬のテーマは「Johanna's Diary(ジョアンナズダイアリー)」。10代のジョアンナが過ごした時代のロンドンを回想し、当時のパンクミュージックやカムデンマーケットのヴィンテージアイテム等をイメージしている。ヨーロッパ独特の淡い色使いも特徴的だ。

ジョアンナの得意なアイテムは、靴とニット。ジョアンナ本人が靴マニアということで、凝ったデザインながら履きやすい商品が揃っている。価格帯はヒール靴で2万円台前半〜3万円台後半。ブーツでは5〜6万円台が中心だ。7〜8cmのヒールがある靴でも、かかとの位置やインソールのクッションで、1日中履いていても痛くならない作りになっているそうだ。ニットは、パンキッシュにもエレガントにも見せられる完成度の高いデザインが特徴。オンオフを問わないシックな色使いで、2ウェイ、3ウェイの着こなしを提案する。

「クオリティを上げながらも、プライスは下げる挑戦をしています。デザイン性の高いアイテムを、抑えた価格で楽しんでいただけるように」と小澤さんが言うように、個性的でユニークなデザインの商品にも関わらず、比較的手頃な価格での展開が目を引く。トップスで1〜2万円台、オリジナルのアクセサリーは1万円以下から。

同店の内装デザインはジョアンナ本人とイー・エム・デザイン株式会社によるもの。2フロア構成で広さは合計153平方メートル。1階はガラス張りのエントランスで明るい印象。キーカラーのピンクを、蛍光色やスモーキーカラーなど、さまざまな色みで使用するほか、ジョアンナが好きだというウサギのモチーフを多用している。あちこちに細かいこだわりが見え隠れし、小澤さんによると「ジョアンナが楽しんでくつろげる空間をイメージして、遊び心をたくさん散りばめています」というのも納得の楽しい内装だ。

一方、2階はアンティークの壁紙やシックな色使いで、ゆったりしたサロン的なイメージ。2階だけにディスプレイされているのが「Johanna and Dorothy(ジョアンナアンドドロシー)」の商品だ。ビンテージレースなどの素材をリメイクしたアイテムは、全てジョアンナの手作業による一点物で、価格は5〜7万円台が中心。

「ジョアンナはもともとビンテージ好きで、そこにエコの考えをプラスしたのが「Johanna and Dorothy」です。彼女は香港のセレブ階級出身ということもあり、チャリティやボランティア活動にも積極的でした。古いものを良い状態で残したい、という気持ちは、春夏シーズンから通常のラインにもオーガニックコットンやリサイクルファブリックを使用する姿勢にも表れています。それも、全面に押し出してアピールするのではなく、さりげなく取り入れているのがジョアンナならではの特徴です」(小澤さん)。

ターゲットについては、年齢で区切ることはせず、クリエイティブな職業の人や、ファッション感度が高く、素直にファッションを楽しみたい人などを想定している。

「実際の客層は、以前からセレクトショップでジョアンナを知っていた方が多いですね。また、交通手段の面などから、六本木ヒルズ店には行きにくかったという方も来店されています。平日は近くにお勤めの方が仕事帰りに立ち寄ったり、休日は20代前半の学生さんから、少し上の大人世代までファン層は幅広いです。日本でもこれまでセレクトショップに入っていたので、大人世代の知名度が高いようですね」(小澤さん)

現在、海外では「satine(サティーン)」などの有名セレクトショップで展開しているほか、香港にも4店舗のセレクトショップを展開中だ。日本ではこれまで、六本木ヒルズを初めとしたファッションビル中心に卸していたが、今後は百貨店やセレクトショップへの積極的な展開を考えている。

「ブランドの立ち位置がよりわかりやすくなり、性質やアイデンティティなどが際立って見えることを期待しています。他のブランドと並ぶことで、それがより明確に伝わるのではないかと考えているんです」(小澤さん)

ひとくちに“表参道”といっても、南青山、渋谷、原宿など、隣接するエリアによって、ファッションのジャンルはいっそう細分化されてきた感が強まっている。それをいち早く見極めて出店するブランドとともに、変化し続ける表参道エリアの動向を見守りたい。

[取材・文/笠原桐子+『ACROSS』編集室]


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