東京コレクションレポート_fur fur(ファーファー)
レポート
2008.09.02
ファッション|FASHION

東京コレクションレポート_fur fur(ファーファー)

東京の女の子のリアルな今の気分

fur fur(ファーファー) 
9月1日(月)21:00〜@ラフォーレミュージアム原宿


「fur fur」(ファーファー)は2005年にチダコウイチさんがディレクションを務める「FUR」(ファー)として設立されたレディースブランド。2008年春夏からはブランド名を現在の「fur fur」(ファーファー)に変更し、チダさんのアシスタント・デザイナーだった古橋彩さんがデザインを手掛けている。

「fur fur」(ファーファー)として3回目となる今回のコレクションは、アコースティックギターやバイオリン、ハープの生演奏に合わせて、木々の間をモデルが行き交う演出でスタート。モデルたちはドライフラワーで作られた花輪や首飾りを身に付け、フェミニンでロマンティックな世界観を表現した。

「新鮮な生花もきれいですが、ドライフラワーの朽ち果ててゆく過程に魅力を感じたんです。そんな美しさを洋服の素材や色に活かしました」(古橋さん)。

白、ベージュ、茶、黒を基調に、黄、ゴールド、朱を差し色としてミックス。同ブランドが得意とするワンピースやワイドパンツ、ロングコートなど、ゆったりとしたシルエットのアイテムを組み合わせたレイヤードスタイルを発表した。素材はコットンガーゼやリネンなどのナチュラルな風合いのものが中心。フリルやレースなどのハンドクラフト感のあるディテールを盛り込み、花柄やグラデーションを多用。さらに足もとにスウェードモカシンを合わせるなど、ちょっぴりフォークロアテイストを感じさせるスタイルが目立った。

大人っぽさや女性らしさを強調したという今回のコレクションでは、それを象徴するアイテムとしてトレンチコートを多数発表。「流行というよりは定番として愛用してもらいたい」(古橋さん)という思いから、肌触りや着心地がよく、長く着られて愛着が湧くような、普遍的で美しいシルエットを目指したという。

ショーのための洋服作りではなく、あくまでもリアルクローズにこだわる同ブランドらしく、東京の女の子のリアルな「今」の気分が表現されたコレクションになっていた。

取材・文/『ACROSS』編集部


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