定点観測
2003.10.4

#274 | 実施日 : 2003.10.4 | 最高気温 : 22.0 | 最低気温 : 16.5 | 天候 : 晴れ一時くもり

274定点観測・解説


■2003年10月4日(土)実施:女性黒トップス着用、うち羽織りスタイル

日一日と気温が下がり秋めく今日この頃。次なるトレンドを!とプレサーベイを繰り返したものの、結局、今春夏に台頭したユルいデザイン系のトップスやボトムスのレイヤード・スタイルが再浮上。新鮮さにはちょっと欠けるものの、それが事実、ということを噛み締めつつ、秋冬の立ち上がりの定番になった「黒トップス」を記録することにした。

ひとくちに「黒」というと、本当に何の新鮮味もない。それもそのはず、02年9月も、01年の9月も「黒」しかもともに「黒トップス」をカウントしているからである。しかし、実際に過去の定点観測のページを振り返って見てみると、00年以降、スカートオンパンツを代表とするレイヤードスタイルやカーゴパンツ、キャップにメガネ、80年代風デザイントップスなど、同じようなアイテムやスタイリングが出ては減り、再び増えてはまた減る、の繰返し。実は、00年以降のストリートのトレンドが、それほど大きく(画期的に)変化してはいないことを再認識させられた。

01年、02年はそういった現象についてを「トレンド2年越し」と解説していたが、03年の今となっては「トレンド3年越し」! というより、時代や世代を越え、すべてのトレンドが並列化=「トレンドがフラット化」した、と言い換えた方が正しいのかもしれない。

そんななか、強いて「今っぽさ」として注目したのが、デザイントップスの人気が再び上昇していることである。昨秋冬に急増したくすんだピンクベージュやスモーキーグレーのデザイントップス(+ワンブレイク・ボトムス、またはブーツ・インといったスタイリングでした)が、色が黒という定番カラーになったことで、デザインやパターン、素材(異素材との組み合せ)などがより大胆に、かつより幅広い層に支持されるようになり、ボリューム化しているのである。

たしかに、裾や袖、前見頃と後ろ見頃などがアンバランス/アシンメトリーなだけでなく、着物スリーブや極端に丈の短いボレロ、わざとナナメにシャーリングなどが施されたりなど、言葉では表現しきれないパターンのトップスがいっぱい。さらに、そういったデザインされたトップスをそのまま着用するだけでなく、首まわりにストールのように巻き付けたり、前を開けたまま(もともとそういうデザインのものも多い)、肩に引っ掛けたりなど、「羽織るように着る」というスタイリングを共通するポイントととした。そういえば、男の子のトレンドから「シャツの羽織りスタイル」は今も顕在。「アクセサリー感覚」というのもキーワードといえそうだ。

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