定点観測
2002.06.01

#258 | 実施日 : 2002.06.01 | 最高気温 : 26.5 | 最低気温 : 19.1 | 天候 : 曇り、一時晴れ

258 定点観測・解説


このところの女の子っぽいスタイリングからの「ボーイズ系」へという反動か、
それとも、次に来る大きなトレンドの波の狭間である「らくちん系」へのリセットなのか?

キレイめ×らくちん=ハイストリート

6月1日に実施した第258回目の「定点観測」。いつも通り、約1週間前からプレサーベイを行った結果、“気がついたら増えていた「シャツを羽織る」スタイル”を取り上げることにした。

「シャツを羽織るように着る」スタイルは、銀座や青山、表参道辺りでは、アダルトな女性の春夏の典型的なスタイルだが、ストリートファッションの流れから見ると、02年4月に取り上げた「トップスの重ね着」が進化したものといえるだろう。

アイテム単品でみると、衿元を大きく開けたカットソー、ジャージー素材のものが主流だったのが、衿のある「シャツ」へと変化しているのがポイントだ。

着こなしのパターンは大きく2つ。ひとつは、全国的にみると数が多い、「コンサバ系(女子大生や女子短大生、OL)」たちで、先月(02年5月)取りあげた「白」のように、シャツの衿を立て、胸元を大きく開け、裾をボトムスの中にインし、足元はポインテッドトゥのミュール。さらに、ボストンバッグかトートバッグ(エルメスのフールトゥなど)を持ち、ヘッドの小さいのゴールドのアクセサリーを複数つけるなど、相変わらず、80年代後半に台頭した“フツーではなさそうなちょっぴりゴージャスなOLさん(Hanakoさん)”が目立つ。

もう一方は、若者の大半と実年齢は高くてもクリエイター系の人々を含む「らくちん系」。彼女らのシャツの着こなしの特徴は、まずは、素材が、コットンやガーゼなど、天然素材が多く、シャツ一枚で着用するのではなく、下になんらかのアイテムを着た上に、はらりとルーズに羽織るレイヤードアイテムのひとつとなっている点である。色は、白だけでなく、チェックや小花柄、裾にだけ柄が入っているものなど、実にさまざまで、丈がやや短かめでシルエット的にも細身過ぎないスタンダードでトラッドっぽいシルエットのものが多い。

もちろん、ストリートファッションの変遷の中で、取り上げたいのは後者である。5月に取り上げた「男の子のシャツ羽織り」が、女の子にも流れてきており、このところの女の子っぽいスタイリングからの「ボーイズ系」へという反動か、それとも、次に来る大きなトレンドの波の狭間である「らくちん系」へのリセットなのか? については、来月の「定点観測」で…。

ちなみに、ここでいう、「らくちん系」とは、まちがっても、ルーズでダボダボっとしたベタベタなストリート系ではなく、ちょっとキレイめな「ハイストリート」。キーワードは、ストリートからハイストリートへ、なのである。


■その他、6月のストリートのポイント


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