1977年に設立したパルコのファッションとカルチャーのシンクタンクが運営するメディアです。1980年8月より毎月、渋谷、原宿、新宿の路上で、若者*1をファッションを、観察・インタビューする「定点観測」を実施しています。
*1:2005年以降は、街と風俗の変化に合わせ、30代、2010年以降は40代〜50代も対象に行なっています。
コンセプトは“ストリートファッション・マーケティング”。
“ACROSS”とは?
2026年現在、『ACROSS』編集室の主な活動内容
「ACROSS」のあゆみ
・1977年10月: 『月刊アクロス』創刊。パルコの情報発信の一環として、定期刊行物として都市部の書店でも扱われる媒体をめざすが、実態は販売日は不定期だった(雑誌媒体だったが、書籍コードだったため規則的には問題はなかった)。
・1980年8月: 渋谷、原宿、新宿の3地点で、若者とストリートファッションを観測・分析する「定点観測」スタート。以後、毎月1回3地点で実施。ときどき、下北沢や吉祥寺、銀座をはじめとする都内のスポットや、地方での実施も。前史として、77年12月号より79年11月まで、本誌内に「スナップショット」や「STREET EYE」というコーナーも。
・1984年12月: 写真撮影に加えデプスインタビューも付加。以後毎月インタビューも実施するようになる。
・1993年5月: 『流行観測アクロス』に名称変更。
・1998年6月: 7月号を最後に同誌は休刊するも、定点観測は毎月途切れることなく実施。インタビューの内容(項目数や深さ)もディープに。
・1999年: 『アクロス』編集室主催による「ストリート・ファッション・セミナー」(毎日新聞カルチャーシティ)の開催を機に、外部企業からマーケティングリサーチや販促関係の企画・制作、コンサルティングの受託も開始。シンクタンクとしての活動をスタートした。原稿の執筆、大学や各教育機関等での講師なども開始。
・2000年10月: ウェブマガジン『WEBアクロス』創刊。 ストリートファッションや若者の世代分析、「渋谷」の分析、雑誌など分析をテーマとしたセミナーの開催や白書『SHIBUYA 2000 REPORT』を発行。
・2002年4月−9月: 朝日新聞「Be」にストリートファッションの企画「装い街から」連載。一気にアクセス数と認知度がアップする。
・2002年5月: サイトを全面リニューアル。
・2003年4月: 人気企画、「今月の消費生活」をまとめた単行本『トーキョー・リアルライフ〜42人の消費生活』(実業之日本社)を上梓。4万部を越えるロングセラーに。
・2005年12月: 第300回定点観測を実施。
・2007年3月: 株式会社パルコより同社の100%出資子会社、株式会社パルコ・シティ(現パルコデジタルマーケティング)に業務移管。同社のマーケティング事業の強化の一旦を担う。
・2007年12月: 5年ぶりにリニューアル。
・2009年3月: 株式会社パルコ・シティから、再び株式会社パルコへ。パルコおよびパルコグループ各社のマーケティング機能を強化すべく新設された事業戦略室マーケティングの所管に。
・2010年4月〜7月: NPO法人ドリフターズインターナショナルといっしょに、「ドリフのファッション研究室」を企画・実施。一部を渋谷パルコの遊休スペースにて開催するなど、その後のWSブーム、トークイベントブームの先駆けとなる。
・2010年8〜12月: 「定点観測」30周年を記念して、NPO法人シブヤ大学、慶應義塾大学政策・メディア研究科の加藤文俊研究室といっしょに、「シブヤ大学定点観測学科」と題したワークショップ型のリサーチ「渋谷のまちの今を知ろう!」を実施。慶應義塾大学加藤文俊教授の協力のもと、約110名のなかから面談等を行い、35名が参加。6グループに分かれて、渋谷の街をフィールドリサーチし、発表した。
・2013年春にリニューアル。
・2014年4月: 第400回定点観測を実施。「定点観測 in NYC」をや「定点観測 in LA」、「定点観測 in ソウル」なども実施。『東京人』5月号の「フィールドワーカーになる」という特集号に編集長の高野が記事を起稿。6月には、NHKワールドの「FASHION EXPRESS」にも出演。他にも、地方都市部でのエスノグラフィック・リサーチなども実施。
・2017年6月: Googleのワールドワイドの非営利組織、Google Culturral Instituteが主宰する“Arts & Culture”の“We Wear Culture”のプロジェクトに参加。
・2021年3月:楽天ファッションウィークの関連イベントとして、過去のストリートファッションのアーカイブをARに再現した『ストリートファッション1980-2020AR展』を開催。
・「定点観測」40年目の2021年8月、『ストリートファッション1980-2020〜定点観測40年の記録』(PARCO出版)を上梓。
PARCO出版のページ
https://publishing.parco.jp/books/detail/?id=405
費生活』(実業之日本社)。
「定点観測」とは?
「定点観測」は、よくあるおしゃれな若者のファッションを紹介するスナップ企画ではありません。
『アクロス』のスタッフが、初めて渋谷、原宿、新宿の街に出て「定点観測」を行ったのは1980年8月9日のことでした。以来、毎月第1土曜日、渋谷・原宿・新宿を基本拠点とし、考現学×エスノグラフィー×フィールドリサーチ/フィールドワークといわれる手法を応用した「カルチュラルスタディーズ」のアプローチで、街の若者とファッション/カルチャーを観測、分析してきました。
なぜそのような手間のかかること、しかもアナログなことを約40年間も行ってきたのでしょうか。
「服装は社会の表現である(中略)」(1992, バルザック(著),山田登世子(訳)『風俗研究』,藤原書店)というように、時代の気分や人びとの価値観の変化などがもっとも早く表象化されるのが服装といわれています。街を歩く人々をミクロな視点で観察するだけでなく、1人ひとりに丁寧にインタビューを行うことで、表層的なファッショントレンドだけでなく、人びとの価値観の変化のきざしやインサイト、次の時代のトレンドのヒントに気づくことができるのです。
特徴は大きく4つ。
①まず、毎月実査の前にプレサーベイを行っていることがあげられます。当日フォーカスする「アイテムやスタイル」を事前調査により決定しています。プレサーベイの背景には、渋谷や原宿に限らず、いろいろなまちやイベント、ショップなどをリサーチしている日ごろの活動があります。
②2つめは、ファッショントレンドを数値データで押さえている点でしょう。「アイテムやスタイル」を一定の通行人数から「着用率」として測定(カウント)することで、「流行っているな」という感覚を客観的に立証しています。実際に、各地点13時半〜14時半の1時間、スタッフがカウンターを片手に、通行量や着用者などを(アナログに)測定しています。しかし、「着用率が高いこと=トレンド」というほどファッションは単純ではありません。トレンドの細分化やミックス化、世代別の特性、時代・社会の価値観の変化との関係性など、さまざまな要素を複合的に分析する姿勢を大切にしています。
③3つめの特徴は、「アイテムやスタイル」に該当する人を撮影していることです。その数は毎月約600カット×3地点。年間約2万人以上のファッションを撮影しており、シャッターを切る前にはより多くの人とファッション、ふるまいなどを観察していることになります。
④4つめの特徴は、1984年12月より行っているデプスインタビューです。当初は、ファッションについてのみ尋ねて今したが、1995年以降はより細かく、たとえば収入はもちろんのこと、可処分所得から将来の夢、現在ハマっていること、悩み、親の年齢に至るまで、1人ひとり丁寧にインタビューを行っています。その数は毎月約30余名。延べ約5万人以上の方に、デプスインタビューしてきたことになります。
*このように、「ACROSS」編集室の「定点観測」は、ミクロな視点から定性〜定量かけ合わせた独特なリサーチ方法へと進化。「ストリートファッション ・マーケティング」と命名しました。このメソッドを応用し、ご依頼に合わせて、郊外や地方都市、海外などでもリサーチを企画・設計から実施、解析を行なっています。








