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定点観測
report : 2016 | 
07 / 02

#427 | 実施日 : 2016 / 07 / 02 | 最高気温 : 31.8 | 最低気温 : 23.4 | 天候 : 曇りのち時々晴れ

第427回 定点観測 解説

大きなトレンドの転換期に浮上する「黒」のトレンド。

“脱シンプル”のトレンドがいよいよやって来る!?

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アスレジャーの流れが黒×赤の「ヘルスゴス」へとシフト中(左)、透けるほど薄手の素材のシャツドレスをジーンズルックの上に重ねる「ネオフォークロア」がかなり浸透していた7月(中)、肌見せ=セクシー=大人というトレンドが「ウチら世代」(アラサー)を中心に浸透中(右)。
ほぼ、夏がやって来た。
最高気温31.8℃、最低気温23.4度となった7月2日に実施した定点観測の解説をお届けしたい。

5月に「男女白トップス」6月には「女性(黒い)太パンツ」と、クリーンでシンプル、ゆったりとしていてリラックス感のある着心地、らくちんだけどきちんと感がある、そんな毎日着られるスタンダードなスタイルを取り上げてきたが、6月末くらいからか、白⇒黒で、クリーンなニュアンスからモードなニュアンスへとシフト。渋谷、原宿・表参道、新宿、銀座などをプレサーベイした結果、「男女黒トップス」を7月の定点観測のテーマとした。
 
その兆しは、実は6月から見られ、それまでずっと着ていた馴染みのあるアイテムを、色を黒にするだけで、印象がぐっと変わり、気分も変わる、ということだろうか。黒という色がもたらす効果としては、引き締まって見える、クール、モード(デザイナーズっぽい、ファッションっぽい)、かっこいい、大人っぽい、セクシーなどがあげられる。

実際のインタビューでも、「少し前までは、パステルカラーばっかり着ていたんですが、二階堂ふみちゃんのことを好きになってから、大人っぽいアイテムが欲しいなあと思うようになり、黒を着るようになりました」と答えてくれた21歳会社員(幼稚園教諭)に出会った。

定番色でもあり、ある層にはいつでもふつうに着用されている黒だが、何年かにいっぺん、「夏の黒」が流行として浮上することがある。過去の事例を振り返って考察すると、おそらく、“大きなトレンドの流れの転換期に浮上することが多い”といえそうだ。どうやら、長かった「シンプル&ベーシック」「ノームコア」といったトレンドが、今秋以降、デコラティブでクラフティ、ヴィンテイージライクでカラフル、レイヤードなど、対峙するデザイン、クリエーションへとシフトしていきそうだ。





これまでの定点観測のアイテムやスタイル、色、ヘアスタイルなど、テーマを経年ごとに見られるページがあるので、こちらもぜひ↓

これまでの全インタビューを経年ごとに見られるページもあるので、こちらもぜひ↓
各地点別の着用率は以下の通り。
カウント時間は各地点13:30~14:30の1時間。定義は以下の通り。
・男女黒トップス:上半身に着たものが黒いアイテムの男女すべて。上にアウターを羽織っていても可。素材は問わない。柄などがある場合は、黒い部分が全体の3分の2以上占めていれば含む。ワンピースも含む。

各地点のカウント結果は以下の通り。
5月は通行量が増加した(≒来街者数が増加)渋谷や原宿が6月は減少。一方の新宿地点の女性の数は増えていた。「女性太パンツ率」は、渋谷地点の13.9%がもっとも多く、次いで新宿地点が10.4%、原宿は9.3%という結果に。浸透率の数値以外に、各地点で撮影した約400カットの写真を見比べてみると、やはり渋谷が標準で、新宿がそのフォロアー、原宿はさらに先を行くエッジーな若者が多いという3地点の意味性が感じられた。

渋谷:n=2,993人/6月比161.3%
男性通行人 45.7%(1,369人)6月比126.7%
女性通行人 45.2%(1,626人)6月比194.0%
 うち、スカート着用 27.2%(443人)
女性黒トップス 11.5%(187人)
男性黒トップス 19.2%(262人)

原宿:n=3,820人/6月比93.2%
男性通行人 41.1%(1,706人)5月比100.5%
女性通行人 55.7%(2,144人)5月比88.1%
うち、スカート着用 37.9%(813人)
女性黒トップス 15.5%(332人)
男性黒トップス 14.0%(238人)

新宿:n=2,192人/6月比83.1%
男性通行人 48.4%(1,061人)6月比82.4%
女性通行人 51.6%(1,131人)5月比83.8%
 うち、スカート着用 35.3%(399人)
女性黒トップス 14.6%(165人)
男性黒トップス 13.6%(144人)
 
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昨夏白Tから肩のピークの部分だけをまるっと露出するオフショルダーのトップスに着替えたのでは、と思われるモードコンサバ系の女性(左)、ボートネックにもオフショルダーにもなるタイプのトップスを太めのデニムと合わせてLAセレブ風な着こなし(中)、コンパクトなトップス=オフショルダー&ショート丈という理由からの選択も(右)。
 ズームアップ1:肩出し/肩抜き/オフショルダースタイル

ノームコア全盛/定着の一方で、一部の女子のあいだでは、ヘルシー&かわいいセクシーな肌や肩を露出するスタイルが浮上しているので、「ズームアップアイテム」として注目することにした。

なかでも、ビッグシャツの肩ヌキや、チューブトップのまるっと肩を出したスタイル、肩のラインに沿ってスリットが入っているので肩が出る、というデザイントップスなど、ギャルっぽい子から、上品なボトムスにプラスするコンサバなOLさんまでと幅広く着用されていた。おそらく、本格的なセールシーズンになったからだろう。さらに幅広い層へと浸透しているようだ。

とはいえ、日本人女性の多くは、これくらいだったらOK、これ以上はNGなど、“肌の露出具合“にはとても細かいので(男性のおしゃれさんのサイズ感へのこだわりにも似ている!)、両肩を出すのはちょっと勇気がいりそう、というグループには、シャツなどのシャキッとしたコットン素材で襟ぐりが大きめに開いた「鎖骨見せ」をしているようだった。

インタビューでは、ボリュームのあるボトムスに対して、着膨れしないよう「コンパクトなトップス」=オフショルダー(しかもショート丈)と探した、という女性や、お祭りとかおしゃれな友だちとショッピングをする時など、気合いを入れたい時に着ます」という中学生も。

「ミニ丈で太ももを出したり、ショート丈/ミドリフ丈でお腹や脇を露出するほどスタイルに自信がないので、肩を出すくらいがちょうどいい」という声も聞かれた。


マーケティング業界では、いまだに、「今どきの若者は消費しない」「〜クルマに乗らない」といわれているが、定点観測のインタビューでは、昨年あたりからドライブに行く若者が増えている(!)。
 
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2002年の「スカパン(スカート・オン・パンツ)」の写真(左)、恐るべし、GUのMD力!昨年の黒ガウチョパンツに引続き今年大ヒット商品になっているのが、サイドに深いスリットが入ったこの白いロングTシャツだ(中)、00年代初頭のスカパンの一般化は、その後ずーっと一定層はいる“なるべく脚を露出したくない”という女子のグループのライフスタイルファッションをもたらした(右)。
ズームアップ2:スカパン(スカートONパンツ)

90年代後半や、2000年前後に流行したスカパンスタイルが帰ってきた!

と30代後半以上の一部の女性にはワクワクするレイヤード・ファッションが復活しているので、取り上げることにした。「ACROSS」編集部イチオシの「スカパン女子(俗称)」が下のいちばん左。2002年の定点観測の写真だ。

「スカパン」とは、スカートの下にパンツを重ね履きする=スカート ON パンツの略で、ボトムスを重ね着する=レイヤードスタイルをいう。過去の定点観測を振り返ってみると、女性にとっての「スカート」「パンツ」は、女性の生き方や価値観、ライフスタイルなどの変遷とリンクしていることがわかる。

たとえば、1980年には70%だった女性のスカート着用率は、ストリートカルチャーの時代だった1990年代には30%に激減したのだが、2002年に取り上げた「スカパン」(写真いちばん左)のように、スカートとパンツの両方を履くようになったあたりから、「かわいらしさ」と「かっこよさ」のバランス感を追求するようになっていくのである。

つまり、2000年前後の「スカパン」の台頭は、その後のゼロ年代以降の「レギンス」という市場の発展へと繋がったエポックな出来事だったのである。

その後のゼロ年代は、ソックスのバリエーションが飛躍的に広がり、ソックスブランド、メーカーも続々登場。レギンスやトレンカ、デニンスなど、“レングス市場”が誕生。スカートやショートパンツが多様になるのと同時に、いろいろな丈のグラディエーターや機能性とデザインを合わせ持ったムートン靴、インヒールスニーカーなど、靴のデザインも多様になり、それぞれの組み合せによるバランス感がトレンドになっていったのである。


この後、真夏はさすがに暑いのでシンプルファッションへと揺り戻すと思われるが、秋には一気にレイヤードスタイルが台頭しそうな予感も!

 


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