“オトナ”に人気のDVDを強化したHMV

“オトナ”に人気のDVDを強化したHMV

レポート
2002.07.03
カルチャー|CULTURE

“世界一のレコードタウン”といえば、渋谷・宇田川町。その入り口ともいえる場所に位置する『HMV渋谷』が、6月21日、リニューアルオープンした。

そもそも同店は、98年7月に、文化村通り沿いのビルから、現在の高木ビルの1F〜5Fへと移転し、店舗面積を約411坪から約1,200坪へと拡大。その6〜7Fには、渋谷初の大型パソコンショップとして「T・ZONE.渋谷店」が出店したが、今年の3月に閉店。それに伴い、1フロア拡張し、総売場面積を約20%増床した。

「10代〜20代の若者はもちろん、さらに30代以上のオトナたちを積極的に取り込み、新たな層の顧客を獲得するのが、今回のリニューアルの意図です」というのは、HMVジャパン(株)マーケティング部の坂本さん。

そこで、今回、同店が最も注力したのはDVD。ジャンルごとに各階に分散していた音楽系のソフトを4Fに集約。さらに、洋画や邦画、アニメ、カルト作品、TVドラマなど、映像系のソフトも集め、4F全体を、総在庫数約10万タイトルの品揃えを誇る“DVD専門コーナー”として新設したのである。フロアには約20台の試聴機が取り付けられ、奥には、巨大スクリーンも設置。ミニシアターのような空間を演出するなど、音楽ソフトショップとは思えない贅沢なつくりとなっている。

実は、この“オトナ”に人気の高いDVDの強化策は、01年から「HMV池袋メトロポリタンプラザ」、「HMV横浜VIVRE」でも展開しており、HMV全体の流れの一環といえる。

一方、旧4Fからジャズ、サウンドトラックを、旧2Fから書籍、イベントステージを、それぞれ拡張したうえで6Fに移設。2F全体をDANCE&SOUL系フロアとし、アナログ盤(12inch)コーナーを拡充することで、渋谷・宇田川町ならではともいえる“コアな客層”にも対応できるようになったといえるだろう。

「渋谷は、知識も豊富で質の高いお客様が多く、よりコアな商品が求められます。それに応えるべく、私たちも勉強することで、切磋琢磨できる街だと思いますね」(坂本さん)。

2001年9月末に実施された「DVDソフト市場予測調査」(社団法人日本映像ソフト協会調べ)のデータによると、DVDの世帯普及率は22%。また、2005年の普及率を50%〜70%と予測している。HMVジャパン(株)は、この急速に普及するDVDマーケットにいち早く着目し、音楽ソフトだけではなく、ビジュアルをも含めた、多様化するソフト販売に積極的に乗り出したことになる。

ちなみに、7Fは期間限定の特設会場となっており、大量の輸入盤CDを100円からというスペシャル・プライスで提供している。 期間は未定。在庫がなくなり次第終了だそうだ。

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