定点観測
report : 2017 | 
02 / 04

#434 | 実施日 : 2017 / 02 / 04 | 最高気温 : 13.4 | 最低気温 : 4.4 | 天候 : 快晴

第434回 定点観測 解説

2017年は<若者>の世代交代期。90s生まれから2000年代生まれの「ミレニアム世代」が主流の時代へ。

<若者>の世代交代とも重なるからか、3〜4年が1つのトレンド周期。
ミレニアム世代が台頭する2017年からは新しいファッションやスタイル、価値観が浮上する?!

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3点とも2017年1月に撮影。2016年から友だちの影響で全身Yohji Yamamotoを着ていた19歳の大学1年生(左)/David Bowie展に行って来たという大学4年生はUN3D.(アンスリード)のビッグシルエットアウターを12月に5万円で購入(中)/原宿の東急プラザのスライで2015年12月に1万円で購入したコートを着ていた31歳派遣社員(右)。「suzuchan1206」のインスタがお手本だそう。
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2点とも2017年2月に撮影。80sの原宿のファッションシーンを彷彿させるズルズルファッションの女性と90年前後の伝説のクラブ「GOLD」にいそうなパンチのあるファッションの女性(左)/平日は大手企業に勤めていそうな女性たちもロングリーン&ロングリーン・ビッグ&ビッグシルエットになってきた(右)
雪がチラつくたいへん寒い日の実施で幕を開けた2017年1月の定点観測。今年2回目となる2月4日(土)は、はやくも立春。穏やかな陽射しと時おり吹く冷たい風で寒さと温かさが混じった春の兆しを感じるなかでの実施となった。

前日の夜遅くまで迷いに迷った末に決定した今月のメインテーマは、「女性ビッグシルエット・アウター、うち+太パンツ」とした。つまり、でかいアウターにでかめのパンツ、ワイド&ワイド、ビッグ&ビッグのシルエットが、さらに幅広い層にまで広がり、すっかりシルエットが変わったね、ということを記録しておこうということになった。

いまさらだが、私たちが毎月、街(路上)に出て、ほぼまる1日過ごし、考察している「定点観測」は、結果的には“おしゃれな子”を撮影し、インタビューし、掲載しているが、本質は「ファッションを現象として(継続的に)捉える」ことをきっかけに、時代や社会をよみとこうという研究活動である。けっして、“おしゃれな子”を見つけるためのスナップ活動でもなければ、“次のファッションの流行を街にいるおしゃれな人たちから探ろう”という目的のための手段としてのリサーチというわけではない。

そもそも、“ファッション“という言葉を定義することも難しいが、“おしゃれ”はもっと難しい。しかし、「ACROSS」編集部としては今年で37年目となるこの活動を通して1点信じて疑わないことは、「おしゃれの定義は常に変化する」ということだ。つまり、“おしゃれ”とは、顔がかわいいとかスタイルがいいということだけではなく、もちろん、どこのブランドを着ているかということでもなく、“着る人が示す、それぞれの時代・社会の価値観との距離感“であり、その“ズラし感”であり、それらが他者に影響力を与える“メディア的な機能“を持っていることだと捉えている。

さて、そんななか、今月注力した「ビッグシルエット」をよく観察してみると、いくつかのパターンがあることがわかる。

①全身着ぐるみのようにどーんとデカイ感じ(写真左:2017年1月撮影)はティーンズを中心に人気で、スナップサイトなどでもよく見かけるビッグシルエットの一例だ。“あえてデカイのを着ています”という主張のあるファッションといえる。しかし、今月確認したいのは、②ドロップショルダーだったり、幅広い襟やフードといっしょになった襟ぐりが顔まわり〜肩をワイドに見せているなど、(いつの間にか)肩幅・首まわりが大きくなったものを着ている大人たちの存在だ(写真中と右:2017年1月撮影)。③さらに、ボトムスが、マキシスカートだったりワイドパンツだったりなど、トップスに負けないボリュームのあるものが主流になってきた。中には、深いスリットで軽さを出しているアウターやパンツだったり、前が短めで後ろが長めの丈というデザインでひと工夫されたトップスやパンツなども登場しているなど、総合的にみると、80年代のギャルソンとかヨウジとかのようなデザイナーズファッション=DCブームを彷彿させる。

そういえば、昨年は「父のビンテージのヨウジです」とか、「母のギャルソンです」という声もよく聞かれ、<若者>の世代が、90年代生まれの「新人類ジュニア世代(親が新人類世代)」から、すっかり2000年代生まれ=「ミレニアム世代」になってきた。インタビューでは、十年ほど前から親御さんの年齢も聞くようにしているが、ミレニアム世代の親御さんは、新人類世代もチラホラいるものの、70年代生まれの「団塊ジュニア世代」が増えてきた。

ちなみに、過去の定点観測から「ビッグシルエット」の変遷を振り返ってみると、「女性太パンツ、うち黒太パンツ」(2016年6月)、「ボリューム袖」(2016年9月)、「ビッグ&ビッグシルエット」(2015年11月)、「男女タックパンツ」(2015年9月)、「太パンツ」(2014年11月)、「女性ボリュームネック・スタイル」(2014年1月)、「ロングコート」(2013年12月)などがあげられる。

今月より本格的に始まった2017秋(プレフォール)の展示会を見ても、まだまだビッグシルエットが継続して提案されており、約3〜4年かけてシルエットが変化しているさまが確認される。また、シルエットが大きくなると重ね着がしやすくなるので、各自もともと持っていた服をそれぞれのバランス感で組み合わせるようになり、結果的にファッションに個性がみられるようになっている点も興味深い。具体的な“おしゃれのセンス“については、10日(金)のスナップ公開日と、17日(金)のインタビュー公開日をどうぞ。


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いちばん左は2016年6月、2番目は2017年1月に撮影したもの。全身のバランス感から、ボリューム感のあるバンズをコーディネートしていた/右2点は、今月の写真。ヴェトモン風男子の足元は白ソックスのヌケ感とヴァンズのショートブーツのようなボリューム感がポイント(右から2番目の男子たち)/今月のメインテーマとしたボリュームトップス&ボリュームボトムスのビッグ&ビッグシルエットにはバンズのオールドスクールのようなボリューム感あるスニーカーがバランスがいい(右)
ズームアップアイテム1:バンズ

1つ目のズームアップアイテムこちら。
プレ定点観測をしていた気づくのは、なんだかんだいって、やっぱり足元は男女ともにスニーカーが多い、ということだ。なかでもこのところ増えているのが、バンズである。もちろん、定点観測では、これまでにも何度となく取り上げてきたスニーカーだが、振り返ってみると、2012年4月以降、デザインやブランドが変わりながらも、何度も何度も取り上げていることがわかる。


もちろん、ストリートでは今秋冬、ショートブーツちょいヒールのパンプス的なものも見られるものの、相対的に見て、男性はもちろんのこと、女性もマニッシュ靴ペタンコシューズが多く、足元はリラックス感、歩き心地、機能性、いわゆる「アスレジャー」や「ノームコア」が残っているともいえそうだ。

直近で取り上げた「コンバース」は国内のドメスティックブランドがじゃんじゃん別注をかけており、その「フツー感」が支持されていたが、今月取り上げるバンズは、コレクションブランドの別注も目立ち、(特にオールドスクールは)その厚底でぽってりとしたデザインが、ショートブーツ感覚で取り入れられていた。また、スニーカーに飽きたひとを中心に人気上昇中の「マーチン」と同じような感覚で、ボリューミーなファッションに負けないようなボリューム感ある足元へと気分がシフトしている点も興味深い。

また、ミレニアム世代の男子を中心に増えている「ビッグシルエットのトップス×スキニーパンツ」というスタイルの足元のワンポイントとしても支持されていた。

 
 
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ズームアップアイテム2:裾出し男子(レイヤード男子)

2つ目のズームアップアイテムはこちら。
先月の「オールブラック男子」のなかにもチラホラ見かけたが、実は、定点観測を振り返ってみると、2015年3月に「男女裾出しスタイル」として取り上げて以来のテーマとなる。

もっとも多い「裾出しスタイル」は、ヴェトモン風のスポーツ×古着ミックス。2016年12月に取り上げた「フーデッドパーカー/フーディ/フードツキパーカー」をキーアイテムに、ビッグサイズのトップスにスキニーなパンツ、またはクラッシュデニムなどを合わせており、そのメインプレイヤーは2000年代生まれのミレニアム世代だ。詳しくは、来週末に公開予定のインタビューをご覧いただきたいが、ヴェトモンに憧れているファッション好きもいる一方で、ファッションアイコンとして大復活を遂げているジャスティン・ビーバーを憧れの対象と明言する男子も登場。“やんちゃ感”溢れるファッションが、久しぶりにストリートファッションを楽しくしているのは事実だ。

ちなみに、新宿地点では、ヴェトモンのパクリ??と思われるようなレインコートを着ている男子に遭遇し、声をかけたところ、「あ、これは公認パロディブランドのものです」と回答。調べてみると、米ブルックリン出身のデザイナーDavil Tran(デヴィル・トラン)による「VETEMEMES(ヴェトミームス)」(http://www.vetememes.com/)」というブランドがあり、本当に、Demna Gvasalia(デムナ・ヴァザリア)公認のパロディブランドとして流通していることがわかった。日本で取り扱っているのは、原宿にあるセレクトショップ「NUBIAN」(blog.nubian-ave.com/

次に目立ったのは、30代のアメカジスタイルのダウンやナイロンアウターからのチェックシャツの裾出しスタイル。キャップや厚手の白いリブのソックス、チノパンツなどが特徴で、『POPEYE』のスナップにも見られるような、ファッションやデザイン系の業界人のワークスタイルともいえる。

一方、同じ30代でも、『&Premium』や『Casa Brutus』など上質な日常着を重視したいというトライブで、前述したようなアメカジやスポーツ過ぎず、クラフト感あるものも好み、たっぷりめのニットの下に着た白いシャツの裾をチラ出しし、太めのパンツとの“ヌケ感”コーディネートも見られた。

いずれもポイントはレイヤード感覚。異素材の切り返しになっているものも少なくなく、デザインとしてのちょい見せ、かなり見せなど、“脱シンプル”となっているのには違いはない。
 


 
[文責/高野公三子(本誌編集長)]


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