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【STYLER×ACROSS座談会】2015年から2016年のメンズファッションを振り返る
レポート
2016.12.01
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

【STYLER×ACROSS座談会】2015年から2016年のメンズファッションを振り返る

つながりでファッションを楽しくするスマートフォンアプリ『STYLER』の開発・運営をする株式会社スタイラーによる『STYLER MAG』と『ACROSS』が共同で作成する、東京ストリートに潜むメンズファッションのトレンドをスナップ&アイテムで紹介するコラボ企画「東京ストリートから探るトレンドスタイル」シリーズ。その第1回の記事が出たのは2015年の9月のことなので、コラボがスタートしてから1年以上が経った

そこで今回、これまでのまとめとして、両サイトの男性編集者4人で、2015年から2016年までのメンズファッションを振り返る座談会を開催。『STYLER』からは岩崎さん、溝口さん、小野さんが、『ACROSS』からは大西がそれぞれ参加した。

『ACROSS』では、この座談会で登場したいくつかのキーワードを分析し、定点観測の写真も交えながら振り返ってみたい。また、座談会当日の様子を対談形式にした記事は『STYLER MAG』のページに掲載されているので、そちらもぜひご覧ください。
 

左から『STYLER』の溝口さん、岩崎さん、『ACROSS』の大西(本記事執筆者)
【2015年は「ノームコア」最後の年?】

まずは2015年のファッションを思い出すところから座談会はスタート。2015年というと、2014年にトレンドとなった「ノームコア=究極の普通」スタイルが幅広い層まで浸透シンプルでベーシックなスタイルが人気となっていた。

「ノームコア」スタイルの代表的なアイテムといえば、アディダスのスタンスミスやリーバイスの501、ヘインズのパックT、チャンピオンのスウェットなどだ。それらは気負わないファッションの代表格であり、リラックス/エフォートレスといった概念も含むものだった。ほとんどが無地のアイテムで、カラーはベーシックな白と黒に加え、シンプルで上品なグレーやネイビーが中心だった。
 
2014年〜2015年に多く見られた、ネイビー+白+黒の組み合わせ(左)/テバのスポーツサンダルがヒット。ソックスを合わせるスタイルも浸透した(中)/シンプルなスタイルに手軽にアクセントを加えられるハットが2015年には大ブレイクした(右)
ネイビーに白を差したベーシックなコーディネート(左)/スニーカーの他にはリュックもヒット。スポーティーで機能性の高いアイテムが支持を集めた(中)/ハンパ丈ボトムスでソックスを見せるスタイルもシティボーイの定番。色落ちしたデニムにアディダスの組み合わせがが2015年っぽい(右)
とはいっても突然「ノームコア」ブームが起きたわけではなく、その前には2012年の『POPEYE』リニューアルに端を発する「シティボーイ」ブームがあり、さらに2013年には『& Premium』が創刊、1LDKなどのショップに代表されるような「ライフスタイル系」の勢力が強まっていたということもあって、シンプル/ベーシック/上質/オーセンティックなものをよしとする価値観はすでにかなり広まっていたと言えるのでは、というのが参加者4人の共通見解となった。
 
【2016年は柄物=他人とかぶらないファッションが人気】

ここ数年、ファッションがシンプルでベーシックになっていたという話を経て、座談会は2016年の話に。「ノームコア」の影響が色濃かった昨年に比べ、今年はどのような変化があったのか、やはり定点観測を見ながら検討してみた。

もっともわかりやすい変化は、柄アイテムが爆発的に増えたことだ。定点観測でも5月に「柄シャツ」、6月に「インパクトプリントTシャツ」、8月に「ヴィンテージ柄」、11月に「刺繍アイテム」をそれぞれズームアップとして取り上げている。特に10〜20代の間では、レトロでヴィンテージライクな柄シャツやアロハシャツ、ロックTやイカツい柄のTシャツがヒットした。
 
この春夏にはバンダナモチーフも人気に。そして毎月必ず数人いる、シュプリームのショッパーを提げた人々(左)/2016年は赤系の色が人気だった(中)/一点もの感のあるレトロな柄シャツが男女問わず大ヒットした(右)
有名フォトグラファーの写真がプリントされたTシャツも多かった(左)//10〜20代の間に広く普及したスカルモチーフ。ヘビメタ系のバンドTも大人気だった(中)グラフィックTにチェックのパンツ、赤ソックス、左右違うスニーカーという組み合わせがストリート感満載で今年っぽい(右)
実際に柄物を着ている人にインタビューしてみると、「他人とかぶりたくない」という人が多数を占めた。そして、アプリ『STYLER』のポストにも、ユーザーたちから他人とかぶらないアイテムを求める声が多くあがったそうだ。「他人と同調できるファッション、炎上しないファッションにみんな飽きてきたのでは?」と溝口さんは言う。
 
【シルエットの巨大化が進行】

さらにスタイラーの3人は、2016年はシルエットがビッグになったと言う。もちろん急にシルエットが巨大化したということではない。実は2015年の秋頃からゆったりしたシルエットのタックパンツがトレンドとして浮上し、トップスをタックインするスタイルが増加していた。定点観測でも、2015年9月にカウントアイテムとして「タックパンツ」を、さらに同年11月にはズームアップアイテムで「ビッグ&ビッグシルエット」を取り上げている。
 

2015年から登場していたビッグシルエット。左が9月、中と右が11月に撮影したもの
「ビッグシルエットがブレイクしたのは、『ノームコア』のスタイルを、シルエットに変化を加えて遊ぶ意識が作用していたからではないでしょうか。ベースは『ノームコア』でも、シルエットがビッグになっているのが去年と今年の違いかなと思います」と岩崎さんは分析する。

ただ、ストリートで必ずしも太いボトムスばかりが目立っていたということではなく、特にK-popを好むような層には細身のスラックスやスキニーパンツが人気だった。

【まとめ〜柄やサイズの次に変化するのは素材?〜】

シンプルでベーシックなファッションにいよいよ人々が飽き始め、ビッグシルエットや柄アイテムに移行。岩崎さんが「今年の方が去年よりも遊んでいる感じのファッション」と言うように、ユーモアや遊び心がちりばめられたスタイルがストリートでは目を引いた。
 
バンダナやスニーカーのシューレースをベルト代わりにする若者も散見された(左)/シンプルな黒のカットソーだが、胸元にピンバッジをつけてアクセントに(中)/2016年のファッション業界を席巻したヴェトモン。超ロングスリーブ、袖のロゴ、オレンジなど、ヴェトモン風のトップスを着用する10代が男女問わず多かった(右)
カラフルだったのは服の柄だけでなく、ヘアも同じ。春夏には青やピンクといったヘアカラーが増加した(左)/チープな「ガチャベルト」を思い切り垂らすスタイルも流行した。ゴーシャ・ラブチンスキーなどの影響も大きい(中)/巨大なシルエットのMA-1にピタピタのスキニーを合わせたスケーター。パンツとソックスのバランスが新鮮(右)
座談会の最後には、この冬から来年にかけて何がトレンドになるのかを予測。シルエットや柄の次は、素材感が変化していくのではないかという話になった。なかでもベロアやコーデュロイはすでにストリートで多く目につくようになっており、10月の定点観測でも取り上げている。また、今年の春以降、トラックジャケットなどのジャージ素材アイテムもヒットした。一方、去年・今年と大ブレイクしたデニム素材は、そろそろその人気が沈静化するのではないかという意見も出た。
 
2016年大ヒットしたアディダスのトラックジャケット。「アスレジャー=アスレチック+レジャー」スタイルは「ノームコア」スタイルのひとつの変化系と言えそう(左)/コーデュロイのセットアップ。ちなみに『ACROSS』の大西もこの秋はコーデュロイパンツを購入(中)/ベロアの開襟シャツ。古着テイストのシャツのヒットを受けて、開襟シャツも増加した(右)
「ノームコア」が一過性のブームを超えてひとつのスタイルとして定着した一方で、シンプルでクリーンなファッションとは対照的なスタイルが急浮上した2016年。「シティボーイ」から「ノームコア」までのここ数年、メンズのファッショントレンドは緩やかなマイナーチェンジが続いてきたが、いよいよ今年、大きなトレンドの変わり目を迎えたと言えそうだ。


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