MISSHA(ミシャ)渋谷店

MISSHA(ミシャ)渋谷店

レポート
2007.05.15
ライフスタイル|LIFESTYLE

日本での本格展開をスタートした韓国発の
セルフコスメブランドが渋谷に登場!

日本開発のリップグロスやネイルカラーも
登場し、人気となっている。
同商品は今後海外への展開も予定。
高級感ある落ち着いたパッケージの
「ミサ オクヨンサン」シリーズは一番人気
の商品。同ブランドのなかでは高級ライン
に位置するとはいえ、740円〜1950円という
お得感ある価格設定。
ビューラー(280円)やパック用のマスク
シート(10枚190円)ブラシ類(200円〜)
といったメイクアイテムも豊富に展開。
基礎化粧品のベーシックラインは、化粧水
(150ml)やクリーム(65g )が590円〜と
いう驚きの価格。
セルフコスメとはいえ、百貨店にも劣らない
ほどのトレンド感がある美容部員さんが
丁寧に応対してくれるのも魅力。
同ブランドのイメージキャラクター、
チャン・ドンゴン氏の来日イベントでは、
300人限定の同イベントに2万通以上もの
応募が!まだまだ韓流ブームは根強い。
07年1月20日、韓国発のコスメブランド「ミシャ」の直営店、「ミシャ渋谷店」が、渋谷宇田川町東急ハンズ並びにオープンした。「Happy Price, Happy Life!」というブランドコンセプトの通り、豊富なラインナップとリーズナブルな価格設定がウリのブランドだ。

店舗は、白を基調に若々しい雰囲気で統一。実際に取材中にも、女子高生など若年層のグループが続々と来店し賑わっていた。まず、目に飛び込んでくるのはキャンディのようにポップなネイルカラー(280円)。さらに、カラフルなグロスやリップスティック、アイシャドーやチークなどのメイクアイテムがディスプレイされており、店内の商品数は600種を超える。一方壁際には、魅惑的な香りの「ローズウォーター」シリーズ、韓国に古くから伝わるレシピに基づいた人気商品「ミサオクヨンサン」シリーズ、「ディープシーウォーター」シリーズなど、充実したスキンケアラインが並ぶ。そして価格はというと、ネイル280円、マスカラ590円、リップグロス590円〜、スキンケア商品でも590円〜1900円前後と、かなり手頃な設定に驚く。インターネットのクチコミでもたいへん好評でリピーターも多く、ただ安いだけでなくその使用感にも定評があるのが人気の理由だ。

「ミシャはもともと、韓国の女性ポータルサイト『Beauty Net』からスタートしたブランドで、はじめはこのサイト会員向けの景品だったんです。それがたいへん好評で、お客様の要望に応えて販売を開始。ユーザーに価格についてアンケートを行い『1個3300ウォン(330円)』に設定したところ、韓国国内で爆発的なブームになったんです」とは、(株)ミシャジャパン マーケティングマネージャーの神田さん。

03年に出店を開始してから現在まで、韓国国内で300店舗以上、国外ではシンガポールや台湾、オーストラリアやニューヨークなどアジアを中心に世界15カ国に約170店舗を展開。そう考えると、日本での1号店出店は05年11月と、比較的遅いスタートに思われるが・・・。

「目の肥えた消費者が多い日本への上陸には、かなり真剣に取り組まなくてはという認識がありました」(神田さん)。
かつて韓国の大手化粧品メーカーも日本市場への参入を試みたが失敗したという事例もあり、同社としても、トレンドに敏感でアジアだけでなく世界の流行を先導している日本への進出には慎重にならざるを得なかったという。

そこで足掛かりとして、まず05年8月に日本人向けのオンラインショップをオープン。その後、1号店として、05年11月、名古屋セントラルパーク店に出店、続いて06年7月に大阪のアメリカ村店を出店し、確かな手応えを得たところで、この度念願の東京進出を果たしたというわけだ。店舗は、セルフの販売方式をとりながら、商品説明や使い方をアドバイスする美容部員も常駐し、親しみやすい雰囲気の店舗作りを目指している。現在の出店数は、FCと直営、催事店舗を合わせて16店舗。

実は、同ブランドは日本進出の前から、韓流ブームで韓国を訪れた日本人旅行客の間で話題になり、土産として持ち込まれるなど人気になっていた。渋谷店のオープンを記念して行われたグランドオープニングセレモニーには、同ブランドのイメージキャラクターである韓流スター、チャン・ドンゴン氏が来日。300人限定の同イベントに、2万通以上もの応募が殺到したという。オンラインショップでも、特に20代後半以上の大人のユーザーの支持は厚く、韓流スターのファン層と重なっているそうだ。

「今は韓流スターを招いたファンイベントも行っていますが、いずれは“韓国の”ではなく“コスメブランドの”ミシャとして認知してもらうのが目標です。商品に対するレスポンスは確か。あとは若い層をいかに取り込むかが重要だと考えています。オンラインとの差別化として、店舗はキュートで若々しく、若者を中心に広いターゲットの方に来店頂けるよう配慮しました。さらに、現在のラインナップで不足しているポイントメイク商品を強化すべく、新しく3・4月発売のリップグロスや4月発売の新ネイルカラー、6月発売のアイシャドー、アイライナーのシリーズを日本で企画・開発しています。日本開発のリップグロスやネイルカラーについては、ボトルデザインやカラーバリエーションを若々しく一新して、若い層中心に大変ご好評をいただいております」(神田さん)。

さらに、「日本で起こったメイクトレンドは半年〜1年後に韓国や台湾でも必ずブームになるという傾向があり、まずはいかに日本市場にフィットしたものを開発するかが日本法人の重要な役目」と神田さんはいう。いずれは、日本で開発した商品を韓国や海外全域に逆輸出することも視野に入れているそうだ。

「東京進出をきっかけに徐々にマーケットを拡げ、3年後には100店舗展開と上場を目指しています。今ならサムソンやヒュンダイ、LGなど韓国出身のグローバルな企業がたくさんあり、日本にもそれを受け入れる土壌ができてきていると思います。ひとつのグローバルブランドとしてぜひ今後を注目してもらいたいですね」(神田さん)と、目指す展望は大きい。

日本でも既に安価なセルフコスメブランドは星の数ほどあるが、同ブランドは渋谷の中心に旗艦店を持つことで「化粧品ブランド」としてのブランディングを確立したい考えだ。

今までにも日本のドラッグストアやバラエティショップでは、韓国コスメの「パルガントン」のおしろいや「チャームゾーン」のクレンジングティッシュなどが大ブレイクしていたのは記憶に新しい。また、同ブランドと共に韓国で人気のセルフコスメブランド「ザ・フェイスショップ」も05年日本に上陸、都心を含む各地に急速に出店しており、近年、韓国コスメブランドの日本への参入が本格化している。スキンケアやベース商品のヒットで日本の消費者に韓国コスメへの馴染みや信頼感が生まれた今、いよいよポイントメイク商品を含めたひとつのブランドとして、「韓国コスメブランド」が注目されているといえそうだ。


[武藤孝子(ファッションライター)+『WEBアクロス』編集部]

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