euro flat(ユーロフラット)

euro flat(ユーロフラット)

レポート
2004.05.04
ファッション|FASHION

窓や試着室にはモアレ素材のカーテンを
使用。店内のいたるところにアール・デコ調
の装飾が施されている。
まるで芸術品のようなオールド・ノリタケの
陶器。海外から買い付けたアンティーク
ジュエリーやインテリア雑貨も販売している。
靴やバッグ、アクセサリーなどの小物も充実。
ターゲットは、30歳前後のキャリア層。
デイリーにもパーティーにも対応した
クラス感のある着こなしを提案している。
1月17日、セレクトショップ「euro flat(ユーロフラット)」が移転リニューアルオープンした。場所はキャットストリートの1本裏手、1月にオープンしたテナントビル「J-wing」の2Fである。運営するのは(有)ユーロフラット。

同店は、02年9月、明治通りにオープン。ウィメンズ・クローズを中心に、輸入雑貨やインテリア、海外の古本などを扱うセレクトショップとして営業していたが、03年8月に惜しまれつつも閉店。約半年の休止期間を経て新たにオープンしたというわけだ。

「当店のターゲットは30歳前後の働く大人の女性としていたのですが、明治通りはここ数年で来街者がぐっと若くなり、当店のコンセプトとは合わなくなってしまいました。移転の候補地としては銀座や青山も考えましたが、表参道の高級なイメージを残しながらも表通りの喧噪を離れたこのエリアに決めました」とディレクターの谷澤さん。

店舗面積は約12坪と決して広くはないが、高い天井や大きな窓により、開放感溢れる空間になっている。内装は大正末期〜昭和初期の日本の洋館をイメージ。漆喰のような白い壁やマホガニー素材の家具、グリーンの重厚なカーテンなどがクラシックで上品な雰囲気を醸し出している。椅子やテーブル、照明などはすべて当時使われていたアールデコ様式のアンティークで統一するというこだわりようだ。

商品はすべてレディースで、オリジナルブランドの「euro flat」をはじめ「takako」「novelette」「leur logette」などの国内外のブランドで構成されている。セレクトのポイントは「品と華やかさ」「ニート感」「女性らしさ」の3点。洋服やバッグ、靴などの他、オールド・ノリタケの陶器やアンティークのランプなども扱っている。

「うちは日常にドレスを取り入れるコーディネートを提案しています。手抜きのスタイリングに陥りがちなジーンズは取り扱いません。近頃は流行っているから着る、簡単、安いなどの観点からファッション・アイテムを選ぶ傾向が強いですが、女性である以上は美への追求を忘れてほしくないのです」(谷澤さん)。

実は同店、今回の移転に伴い客数が減少したという。しかし、逆に客層が絞られたことにより客単価がアップ。しかも、来店した人のほとんどが何かしらを購入して行くのだそうだ。

「今回の移転によって、もともと理想としていたショップのかたちに近づきました。当店を含む神宮前5丁目と4丁目は商圏的には青山の一部と考えています。この通りの客層をみてみても、表参道や青山から流れてくる人たちが多く、年齢もやや高め。キャットストリートとはまったく別のエリアとして発展していると思いますね」(代表取締役宮崎さん)。

エスキス表参道とクリスチャン・ディオールの間を抜ける通りには、今年に入ってから10件以上のショップがオープン。今春夏からスタートしたコンバースジャパンのウェアライン「コンバース・ブラック」の直営店や、セレクトショップ「メディウム・プラス」など、大手資本の旗艦店も出店しており、急速にオモテ化が進んでいる。なかには同店や元A/Tのデザイナー、板倉慶ニによる「ijiit(イジット)表参道店」のように、明治通りや中目黒から移転してくるショップも少なくない。

「表」のファッションエリアとしてすっかり定着した表参道とキャットストリートに挟まれながらも、隠れ家的な雰囲気を残す「ウラ表参道」エリアは、今後ますます発展していくと思われる。

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