AVALON

AVALON

レポート
2003.07.16
カルチャー|CULTURE

6月27日、道玄坂にディスコ「AVALON(アヴァロン)」がオープンした。経営するのは(有)ラスティング。J-POP CAFEやマーヴェラスなどの飲食店を展開するBBAインターナショナル(株)のグループ会社である。

場所は道玄坂交番交差点近くのホテルP&Aプラザの地下1階。以前は系列店のエスニックレストラン「ガネーシャ」があった場所である。00年4月にマークシティがオープンして以来、客足が遠のいていたことから、今回の業態転換に踏み切ったという。

「渋谷を大人の街に変えようとする動きがあるようですが、それは昼間だけ。夜になれば大人は青山や六本木、銀座などに流れてしまっているのが現状です。そこで、これまで渋谷になかった大人の遊び場を作ろうということになったんです」と語るのは、同店プロデューサー兼支配人の久米利幸さん(34歳)。

久米さんは若い頃からジュリアナやヴェルファーレ、ビブロスなど、数々の有名ディスコに勤務。02年4月に青山に復活したキサナドゥで支配人を務め、その後今回のプロジェクトのプロデューサ−を務めることになった。

店舗面積は約82坪で、最大収容人数は300名。海外の一流ブランドのブティックをイメージした店内は、内装を白と黒、ミラーで統一。天井には大きなシャンデリアが輝き、かなりゴージャスな雰囲気だ。メインターゲットは20代後半〜30代の大人で、男性25才未満、女性20才未満は入場不可。短パンやサンダル、スニーカー着用者は入場不可というドレスコードも設けられている。もちろん、VIPルームやお立ち台も完備。と、ここまでは最近復活しているディスコとそう違わない。

ところが、同店の特徴は、飲食店としての機能が充実している点にある。BBAグループで培ったノウハウをもとに、フレンチやイタリアンなどのヨーロッパ料理を提供。メニューは約60品と豊富で、アラカルトからコースまで取り揃えている。また店の奥には58席のダイニングシートを設置。食事をするためのスペースが広く確保されているのもこういった業態では珍しい。営業時間は平日18時から24時、週末が1時まで。食事のみの利用を目的とした来店客も多いそうだ。

また、料金システムも独特である。ふつう、クラブやディスコでは、入場料を支払って2杯分のドリンクチケットと交換するシステムが一般的だ。しかし同店では、支払った料金をほぼ同等価のチケットに交換するシステムをとっている。例えば平日、男性の場合なら3,000円の入場料を支払うと10枚のチケットが渡され、ドリンクやフードと交換できる。価格はドリンク類が2チケット〜、フード類が3チケット〜。つまり、入場料として支払った料金のほとんどが店内で飲食に使えるというわけだ。

「コンセプトはディスコとダイニングの融合です。当店はあくまでもディスコの進化型。80年代当時のリバイバルをやるつもりはありません」(久米さん)。

00年以降、複数の異なる業態を1つにまとめた複合型ショップが続々とオープン。もちろん、飲食業界も例外ではなく、渋谷だけでもかなりの数の複合型飲食店がオープンしている。なかでも最近目立つのは、ダーツバー+飲食の『バネバグース』や音楽+映像+飲食の『J-POP CAFE』、クラブ+ライブスペース+飲食の『spuma』などのような、エンターテインメントと飲食を融合した業態。01年に登場したフーディング・レストランも都内で10件を数えるほどに増えた。

あえてディスコと冠することで従来の飲食店と差別化を図る同店。実は、ラブホテルの地下という立地も含め、多様化する複合型飲食店の新しい形といえそうだ。

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