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ブーランジェリー・パティスリー・ブラッスリー ヴィロン

ブーランジェリー・パティスリー・ブラッスリー ヴィロン

レポート
フード
2003.07.08
この記事のカテゴリー |  飲食・フーディング | 

クラム(中身)にたくさん入った不規則な
気泡こそ、美味しいバゲットの証。
6月18日、渋谷・東急百貨店本店前に「ブーランジェリー・パティスリー・ブラッスリー ヴィロン」がオープンした。フランスのVIRON社との提携により運営するのは(株)ル・スティル。創業昭和22年、兵庫を拠点に各種パン・洋菓子・和菓子・米飯等の製造販売・学校給食パン・喫茶・レストラン経営などを行ってきたニシカワ食品(株)が、同事業を立ち上げるために設立した100%出資子会社である。

同店は建物の外観や内装はもちろん、素材や製法、設備に至るまで現地の本物にこだわり、“パリから抜き出したような店”を再現。1階がバゲットレトロドールなどフランス小麦のみを使用したパン・菓子を扱うブーランジェリー・パティスリー、2階は“仏人が家庭で食べる郷土料理”をコンセプトとしたブラッスリーとなっている。

「近年郊外型のスーパーやコンビニエンスストアでの製パンビジネスの発展により、街なかのベーカリーの運営が厳しくなっています。また、それぞれのパンの質的な差異もなくなってきているんです」とは(株)ル・スティル代表取締役の西川隆博氏(33)。西川氏はもっと街のベーカリーとしての誇りやこだわりを持って商品を提供していきたい、という思いから01年11月渡仏。パリ中の美味しいといわれるパンを食べ歩き、まさにパン漬けの日々を過ごす中で出会ったのがバゲット レトロドールなのである。パリのコンクールで10年間に7回も優勝しているというお墨付きのバゲットだ。

「レトロドールのために店を作ったと言っても過言ではありません。実は日本で販売されているフランスパンほとんどは、アメリカやカナダ産の小麦を使って日本風にアレンジされた“フランス風パン”。海外旅行などで本場の味を知る舌の肥えた方々が増えた今なら、本物こそがフランスパンのニュースタンダードになり得ると思いました」。

そこで西川氏はその美味しさの背景にあるVIRON社のフランス小麦に着目。独占契約にこぎつけた。とはいえマニュアルがない粉といわれるフランス小麦のみでの製作は、環境や技術が異なる日本ではたいへん厳しいこと。同店では、フランスに職人を派遣し修行を行う他、硬度1500のミネラルウォーター、コントレックスを使用し、日本とフランスとの水の硬度差を調整するなど、思考錯誤を繰り返してようやく納得のいくバゲットが完成したのだという。

「VIRON社との独占契約にこだわったのも、日本での品質をコントロールするためです」(西川氏)。というように、現在の品質を維持するため、今後1年間は他店舗展開せず同店のみで運営する予定。目先の売上よりも、継続して本当に美味しいものを提供し続けることで、街のベーカリーの価値を高めていきたいという強い思いからである。販売方法もパリと同じ対面式を取り入れ、きちんと商品が説明できる環境を整えた。

その結果、バゲットは320円と他店の平均より100円程度高いにも関わらず、オープン1週間現在、毎日300本が完売しているという。

また、2Fのブラッセリーでは、朝9時からのモーニングやランチをはじめ、ディナータイムではワインやチーズも充実させるそうだ。総料理長を務めるのは、オーヴァカナルでのシェフパティシェを経た後、渡仏経験も持つ嶋原博氏。

「とことん本物にこだわることで、日本にもブーランジェリー、パティスリー、ブラッスリーのジャンルが確立し、また、作り続けることでお客さまに認めて頂ければと思っています。美味しいパンを提供することが、街のベーカリーの原点ですから」(西川氏)。

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