スーパー・プロジェクト/スクール

スーパー・プロジェクト/スクール

レポート
2003.06.19
カルチャー|CULTURE

この日のゲスト講師は、オトナ・コドモキャラ
「コマツくん」などで知られるイラストレータ
ー、スージー甘金氏
スージー甘金氏からのアドバイスは「とにかく
たくさん描くこと。50枚描けばやりたいことが
見えてくる」
フィギュアイラストレーター、粘土アーティス
トとして活躍するデハラユキノリ氏(左手前)
も受講生として参加。後輩たちと交流を深めて
いた
「みなさんの作品が刺激になります。私ももっ
と描かなくちゃ」(左/31歳・フリーグラフィ
ックデザイナー)、「PCソフトの活用法を教わ
りました」(右/35歳・総合商社勤務)
5月9日に、渋谷区渋谷3丁目のGallery LE DECOにてイラストレーター養成講座『スーパー・プロジェクト/スクール』が開講した。

主催するスーパー・プロジェクトグループは、雑誌のグラフィックデザインやアートディレクションを手がけるスーパー・スタジオ(株)を中心に、デジタル素材制作を主業務とするスーパー・マテリアル(有)、Webサイト制作及び運営等を行うスーパー・ウェブ(有)、そして同スクールのマネジメントを行うスーパー・コミュニケーション(有)の4社からなる。代表を務める佐藤豊彦氏は、SATO Richmanの名義でイラストレーター、アートディレクターとして活躍している人物だ。

「このプロジェクトは、才能のある若い人たちに活躍できる場を提供したいという思いから立ち上げました」(佐藤さん)。

講義は1クール3ヵ月間で計10回開講。毎回異なるゲスト講師を招いて行われる。講師のプロフィールやプロとしての心がけなどを聞く「トークセッション」(約50分間)と、受講生全員の作品を1作品ずつ講師が講評していく「課題評価」(60〜90分)の2部構成。3時間を超える講義が終わると教室はそのまま交流会会場に。ほとんどの受講者はその場に残り、講師に自分の作品を見せたり、受講者同士5〜6人の輪になって情報交換をしたりと思い思いに過ごしてから帰る。今期の受講者は25名。うち約6割はプロもしくはセミプロだという。

イラストレータースクールの開講にあたり、佐藤氏がこだわったのは「場所」。
「最初からGallery LE DECOでやろう!と決めていました。渋谷である程度の広さが確保できて、受講生にアーティスティックな刺激を与えてくれるスペース・・・と考えると、ほかには思いつきませんでした」(佐藤さん)。

同ギャラリーは、渋谷駅東口から明治通り沿いを徒歩5分ほど歩いたところにある。6F建てのビル全てのフロアを、アート作品の展示だけでなく、カフェ、イベントスペース、ショップ、レンタルBOX、貸しスペースなど「表現の場」として開放している。ちなみに同スクールが使用するのは、倉庫兼スタジオとして劇団やダンスサークルなどに時間貸しをしていたフロアだ。

同ギャラリーのディレクター、島中文雄さんによると「スクール利用の申し出はこれまでもありましたが実現したのは初めてですね。そもそもギャラリーは作品を展示するだけの展覧会場ではなく、アーティストを育てていく場所でもあったはずなんです。それに受講生や卒業生のかたたちの利用が見込めるということもあって今回のお話をお受けしました」という。

仕事に活かせる資格の取得やスキルアップ、趣味の充実を目的に掲げたスクールは依然として人気を集めている。ここ渋谷においても専門学校やカルチャースクール、アーティスト主催のセミナー、レストランでの料理教室などが行われ、多様化・細分化が進んでいる。
そんななか同スクールは、ギャラリーをアーティストの卵たちの学び場・集う場所として活用することで、ガチガチなスクールではなく「サロンスクール」という新しいイメージを打ち出している。
「ゆくゆくは様々なジャンルのクリエイターが集う場所になればいいなと思っています」(佐藤さん)。

ちなみに同プロジェクトでは、今秋から戸板女子短期大学でのイラストレーター講座も開講。キャラクターデザイン、絵本、フラッシュの各講座も順次開講を予定している。

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