GAS HARAJUKU

GAS HARAJUKU

レポート
2003.03.26
ファッション|FASHION

2月22日、神宮前6丁目に『GAS HARAJUKU』がオープンした。同店は、イタリアのグロット社が展開するカジュアルブランド「GAS」の直営店で、これが日本初出店となる。

運営するのは、GASの日本代理店となったスタイリンク(株)。同社は、ALPHA CUBICやCHOOPなどの婦人服や子供服の企画・製造及び卸販売を行うクロスプラス(株) の100%子会社で、GASブランドの小売店舗運営のほかアパレル製品や雑貨、小物等の企画・製造を行う。

「日本では“誰の手にも染まっていない最後の大物”とされていたブランド。ベネトンやZARAのようなナショナルブランドというよりも、知る人ぞ知るブランドに育てたいですね」と話すのは、スタイリンク(株) GASブランドマネージャーの竹之内裕司さん。

ブランド名のGASは『Grotto Abbgliamento Sportiva(イタリア語で“グロット スポーツ ウェア”という意味)』の頭文字を取ったもの。本国では、02年モーターGPワールドチャンピオンのヴァレンティノ・ロッシをはじめ、ラグビーのナショナルチームやMTVのスポンサーとして知られている。

1978年にメンズジーンズウェアからスタートしたGASは、93年にトータルコーディネイトブランド化を図り、カジュアルウェアや靴、アクセサリーまでアイテムを拡大。95年にはレディスラインを立ち上げた。98年よりSPA主体に移行し、本格的に多店舗化を開始し、現在はオンリーショップを36店舗展開、専門店や百貨店を含めると販売網は世界50カ国にまで広がっている。

商品構成は、主軸ラインの「ブルージーンズ・ベーシック」をはじめ、オフデニムラインの「アーバン」、多機能・高機能素材を使用したアウトドアラインの「アクティブ」、パーティファッションやドレスウェアの「ブルーレーベル」の計4ラインで、いずれもメンズ・レディスでの展開。価格設定は、メンズジャケット1万6,800〜6万8,000円、パンツ1万1,800〜2万9,800円、レディスジャケット1万5,800〜6万8,000円、パンツ1万800〜2万7,800円と、幅広い。

「パンツは、メンズ・レディスともにウォッシングやダメージ加工を施したヴィンテージ風のローライズが中心です。1万9,800円の2ウォッシュが売れていますね。実は、GASは本社内に研究機関を持っているんですが、そこで開発された加工技術はとても水準が高く、折り皺もデザインしてしまうくらい。素材も同機関で開発した独自のものを使用しているので、同様の加工を施した他のブランドよりも割安感があるのかもしれませんね」(竹之内さん)。

今回GAS HARAJUKUが出店したのは、明治通りとキャットストリートのほぼ中間に建つ、ガラス張りのテナントビル「J-cube」の1〜2F。1Fの18.73坪をメンズ、2Fの16.87坪をレディスのフロアとしている。

「NYのSOHOに相当するような場所を都内で探したところ見つけたのが、奥まった場所に建つこの物件でした。表参道や裏原宿などド真ん中のエリアはハズしたかったんです。当初ターゲットして想定していたのは25〜30歳の男女でしたが、実購買層はもう少し上の30〜35歳ぐらいのかたが多いようですね」(竹之内さん)。

「定点観測」の記事にも記したように、ここ数年、週末の原宿エリアは30〜40代ファミリーの来街者が増えている。その背景には、「裏原宿」がオモテ化したこと、表参道や明治通り・キャットストリートと、国内外ブランドの旗艦店が相次いで出店したことによる、「青山」と「原宿」、そして「渋谷」と、街が繋がり、商圏が拡大化したことが大きく影響していると考えられる。

今回『GAS HARAJUKU』が出店したのは、明治通りとキャットストリートの中間の路地裏エリア。かつては個人オーナーのセレクトショップやカフェ、レコードショップといった小さなショップが集まり「ウラ」として機能していたこのエリアも、「オモテ」と化す日も近いだろう。

ちなみに、GASは年内にも都内に2〜3店舗出店。その後は全国展開も目指すという。

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