Manhattan Record Sonus

Manhattan Record Sonus

レポート
2003.03.04
カルチャー|CULTURE

CD-R試聴機は6台設置。毎週水曜日更新。
ターンテーブルは3台設置。すべての商品が
自由に試聴できる。
レコードには、ジャンルがわかりやすく
表示されている。
リニューアルした1号店(1階)。
1月25日、宇田川町に「Manhattan Records Sonus」がオープンした。運営するのはアナログレコード専門店「マンハッタンレコード」を展開する(株)レキシントンである。

同社は91年に渋谷区渋谷で創業。93年からは場所を宇田川町に移し、ヒップホップ・ R&B専門の1号店、ハウス専門の2号店、ジャズ専門の3号店、そしてドラムンベース・ ブレイクビーツ専門のHOTWAXの4店舗を経営していた。今回は、そのうち2号店と3号店、HOTWAXの3店舗を統合し、移転しての出店となる。

場所は井の頭通り沿いにある1号店の隣のビルの1階。以前は吉野屋が入っていたスペースで、店舗面積は約20坪。白を基調とした明るい店内には、新譜を中心に約500タイトルの商品が並ぶ。ディスプレイは面出し中心で、すべてのレコードには一目でわかるよう、ジャンル表示がなされている。ターンテーブル3台とCD-Rによる試聴機6台が配備され、商品はすべて試聴可能だ。

「実はR&B、ヒップホップ以外のジャンルは、ピークだった2〜3年前に比べて売り上げが落ちているんです。そこで当店では、クラブミュージックという大きなカテゴリーに集約することで、ビギナーでもレコードが買いやすい店作りを目指しました。今まで聴かなかったジャンルにもどんどん触れて、音楽の幅を広げてもらいたいですね」(Sonusグループ課長吉田さん)。

また02年11月30日には、1号店もリニューアルオープン。以前はグラフィティのタグ やステッカーなどで独特の雰囲気だった同店だが、壁を張り替え、内装、外装共にかなりきれいになった。

「これからはレコード屋も清潔感がないとダメ。客層もずいぶん変わりましたね。以前はほとんどがB-BOYでしたが、リニューアルしてからは裏ハラ系の男の子や女性客がだいぶ増えました」(レコード事業部東山さん)。

宇田川町のレコードタウンは、よりレアな商品を求める消費者をターゲットに、細分化、専門化を進めてきた。その一方では、00年にオープンした「ダンスミュージックレコーズ」や同店のように、より幅広い層を取り込もうと、メジャー的な展開をするレコード店も増加している。

専門知識を重視する“サブカルチャー”からより一般的な“ど真ん中”へと変化する宇田川町は、時代を象徴しているようにも思われる。

ちなみに、店名のSonusとは、ラテン語で「音」という意味なのだそうだ。

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