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ANREALAGE(アンリアレイジ)
レポート
2010.04.08
この記事のカテゴリー |  ファッション | 

ANREALAGE(アンリアレイジ)

「個人買い」したくなったプレゼンテーションシリーズ:
2010/11AW 東京コレクションの注目ブランド

服と体の関係性を再定義。「アタマで着る」という新しいトレンドの提案に注目

ボディとともにバーバリーチェックも縦長、
横長になっている。バックル、ベルト、ル
ープ、ポケット、タグ、品質などのディテ
ールも縦長、横長になっている徹底ぶりに
思わず笑みがこぼれるバイヤーも。
花柄(マネキン左から2番目)も縦長、
アーガイル(マネキンいちばん前)も縦長。
「UNIVERSITY OF ...」のロゴもびろーんと
横長に。しかし着用するとドロップショルダ
ーになり、スキニーボトムスまたはミニ丈
ボトムスという売れ筋コーディネートとの
相性がいい。
★★★クリックするとコーディネート例が
見られます。
ANREALAGE/アンリアレイジ/森永邦彦
会場はエディターやバイヤー、スタイリスト、
そして若手のクリエーターやコアなファンなど
で賑わっていた。
色合いや状態の異なる様々な古着の501を
解体し、一枚ずつパッチワークしたリメイク
スニーカー。ベースはコンバースのオールス
ター仕様。38,000円(予定)。
ANREALAGE/アンリアレイジ/森永邦彦/平川
ファッションジャーナリストの平川武治さん
を会場で発見。実は、森永さん、19歳の時に
自分で作った服を見せに行き、「ファッショ
ン業界は移り変わりが激しいから、5年後に
まだあなたが服づくりを続けていたら見に
いきます」と言われたんだとか。
デザイナーの森永邦彦さん
 あれ、縮尺間違ってる? のではなく、これは、4月5日(月)、神宮前の青山スタジオで開催された「ANREALAGE(アンリアレイジ)」の2010AWのインスタレーションの会場のようすだ。
 
 会場に足を踏み入れると、極端に長体と平体がかったマネキンが何体もこっちを向いて立っており、一瞬平衡感覚が失われそうな不思議な感覚にとらわれる。バーバリーチェックやアーガイル、花柄などが見事に縦長と横長になっている。よく見ると、使われているボタンも間延びしている。

 「ファッションの歴史は人の体の研究の歴史とずっと言われてきたんですが、人の体が変わらない限り、次のファッションは生まれないと思ったことから、今回のコレクションを組立ていきました」とデザイナーの森永邦彦さんは話す。

 テーマは「wideshortslimlong」。標準サイズの服を縦長の「SLIM&LONG」(縦が150%、横が80%)と横長の「WIDE&SHORT」(縦が70%、横が250%)の2つに変形して表現。体に合わせて考える従来の服づくりを根本から再考し、提示した。いずれも、実際に着用できる「商品」になっているところが、着実に支持層が増えている理由といえる。

 「身長や袖丈における長さや短さ。バストやウエストにおける太さや細さ。これら人の身体を基準として定められた、長さ、短さ、太さ、細さ、は絶対的だろうか。身体という洋服における定規を問い直すこと。定規を変えない限り新しい洋服は生まれない」(リリースより)。

 「マネキンを制作するのがたいへんで、知り合いの造形作家さんに無理いってお願いしました」(森永さん)。

 もちろん、同ブランドの定番ともいえる端切れを手作りでパッチワークしたシリーズも健在。ジャケットやパンツだけでなく、ダウンベストやリュック、そしてコンバースのオールスターのスニーカーまで登場するなど、バイイングしやすい品揃えとなっていた。

 しかも、今回は秋冬ながらも、コットンのTシャツやカットソー素材のアイテムを増やし、もっとも安いもので9,000円、モダールとポリエステル混紡のオリジナルプリントのトップス類でも20,000円前後に設定するなど、「売るぞ」という姿勢も感じられて頼もしかった。

 2008年SSの「夢中」から継続的に見てきた森永さんのコレクション。強烈なインパクトだった5,000個以上のボタンを使って作った服をはじめ、「アルファベットシリーズ」、ベーシックアイテムを球体や三角すい、立方体に仕立てた「○△□」、一部分だけ変形させた「凸凹」コレクション、そして前回の「シルエット」シリーズなど、建築的でコンセプチュアルなクリエーションは、いわゆるクリエイティブな仕事をする人たちからの支持が熱い。

 売れ筋に寄せすぎていたり、素材開発やストーリーを構築し過ぎてトレンドからは少し遠くなってしまったブランドが目立った今回の東京コレクション・シーズンのなかでは、「アタマで着る」という新しいトレンドを提示してくれたような印象を受けた。

 会場もファッション雑誌のエディターやスタイリスト、さらに若手のクリエーターやコアなファンなどで大賑わい。クリエーションとビジネスをバランスよく、そしてクリティカルにプレゼンテーションしていた同インスタレーションに多くの来場者が刺激を受けたに違いない。今回はかなり「つける(展示会で業界人が個人オーダーすることをいう)」人も多いのでは…。

取材・文:『ACROSS』編集長 高野公三子




■ブランドプロフィール:
・ブランド名:ANREALAGE(アンリアレイジ)
・デザイナー:森永邦彦;1980年東京生まれ。早稲田大学の繊維研究会にて服作りをスタート。同大学卒業後、バンタンデザイン研究所キャリアスクールへ進学。タレント等の舞台衣装を手がけるデザイナーのもとでのアシスタントを経て、2003年に「アンリアレイジ」設立。2005年、ニューヨークの新人デザイナーコンテスト「GEN ART 2005」でアバンギャルド部門大賞受賞。同年11月、KEISUKE KANDAと共に東京タワー大展望台にてコレクションを発表。以後、東京コレクションにて発表を続けている。07年8月には、国立新美術館地下1階SFTにて「アンリアレイジの手業(テワザ)」と題した展示会を開催した。



ANREALAGE(アンリアレイジ)
http://www.anrealage.com/

ANREALAGE(アンリアレイジ)を多く取り扱っているショップ「macaronic(マカロニック)」
http://www.web-across.com/todays/cnsa9a000004lgxv.html


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