Kesher Shalom(ケシェル・シャローム)
レポート
2008.07.29
ファッション|FASHION

Kesher Shalom(ケシェル・シャローム)

デザインに定評のあるイスラエルのコスチュームジュエリー専門店

外の喧噪を感じさせない、落ち着いた店内。
オリジナルのネックレススタンドやアン
ティークの什器が並ぶ。
オルリー・ゼーロン(イスラエル)
の作品。構築的なデザインが特徴。
スワロフスキー製の特注のカラー
ガラスを使用。
職人集団メガネッティ(イタリア)
の作品。18世紀のアンティークカメオに
ベネチアンガラスを施したデザイン。
ステファニー・ペレグレン(フランス)
の作品。半貴石やスワロフスキーを多用
した上品なデザイン。
東京都港区の青山通り沿いに、イスラエルを中心に世界各国、計28ブランドのコスチュームジュエリーを取り扱うセレクトショップ「Kesher Shalom(ケシェル・シャローム)」がある。運営元は1956年の創業以来、光学製品の小型精密機器の輸出入卸を手がける商社、東京物産株式会社

04年に同社代表取締役の原田功さんが就任したと同時に新規事業の構想が浮上。以前、イスラエルに留学した経験のある原田さんは同国のジュエリートップブランド「Golan Galleria(ゴラン・ガレリア)」の代表とも親交が深かったことから、06年に新規事業として輸入アクセサリー事業を開始。同時に、自ら同ブランドの日本の総合代理店の代表になった。06年1月に、繊研新聞社が主催する合同展示会「IFF(インターナショナル・ファッション・フェア)」に、オリジナルブランド「Kesher Shalom」として出展。翌07年11月には、仙台の藤崎百貨店に正式に出店し、08年3月1日に初の路面店をオープンしたというわけだ。

「年に3〜4回はイスラエルを訪れて、直接、商品の買い付けをしています。国内初登場のブランドも多く、ここでしか手に入らないものもあります」と話してくれたのは、商品の買い付けから出店計画までを担当する同ブランド事業部長の古澤円さん。

イスラエルには、集団生活や利益共有を重んじる「キブツ」という共同体が280カ所ほどあり、そこに生活する「キブツニーク」と呼ばれる人たちは、それぞれの得意分野における技術力を生かした仕事に従事。ジュエリー製作もそのひとつなのだそうだ。もともと、イスラエルはダイヤモンド産業を国の基幹産業のひとつとして発展した歴史があり、ジュエリーの加工技術には世界的に定評がある。

同店の商品は全て手作りで、手の込んだ繊細な細工が施されているものばかり。アイテムは、ネックレスやピアス(イヤリングへの加工も可能)、ブレスレット、リングなどが中心で、平均価格帯は3万円前後。

ショップの外観は、蔦をモチーフにした白いアーチ状の飾りと白い扉が目印。淡いクリーム色を基調にした店内は約27.9平米で、イスラエルでは有名なエルサレムストーンという高級建材の石をイメージしたオリジナルのネックレススタンドをはじめ、アンティークのシャンデリアやテーブルが並ぶ。決して広くはないが、一歩足を踏み入れると青山通りの喧噪を忘れる程の、異国情緒と暖かい空気感を醸し出している。

「イスラエルというと不安定な社会情勢だけがクローズアップされがちですが、もともとは素朴でのんびりした風土を持つ国。店舗にも生産地の雰囲気を演出したいと思い、什器の素材や色、モチーフは厳選しました」(古澤さん)。

同店のターゲットは、20歳代後半〜40歳代の女性。場所は、表参道駅と外苑前駅の中間で、周辺には「ラ・プラース南青山」や高級スーパーマーケット「紀ノ国屋」の仮店舗などがあり、「表参道ヒルズ」からもほど近い。ここ数年は、大小を問わず、再開発による商業施設の建築ラッシュに加え、コレクションブランドの旗艦店も出店する比較的変化の激しいエリアでもある。当初の狙い通り、平日の午後は在勤の女性が多く、休日は周辺を回遊して買物を楽しむカップルなども訪れるそうだ。

「当店をきっかけにイスラエルという国に興味を持っていただけたらいいなと思っています」(古澤さん)。

今後は、イスラエルの雑貨を中心に揃えるショップを、自由ヶ丘か横浜の辺りに出店する計画もあるという。

[取材・文/藤原祥子(フリーエディター・ライター)+『ACROSS』編集部]


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