定点観測
2004.01.10

#277 | 実施日 : 2004.01.10 | 最高気温 : 11.0 | 最低気温 : 1.7 | 天候 : 晴れ

277定点観測Zoom-2・解説


■2004年1月10日(土)実施:ニット帽・深被り

ストリートの定番アイテムをあえてストリートっぽく被る、ギョーカイ系ファッション

さて、もうひとつのズームアップアイテムは、こちら。これも過去に何度も取り上げてきたアイテムで、1点加えるだけでオシャレ感を演出することのできる「便利な小物アイテム」だったのが、デザインのディーテールや「かぶり方」=「着こなし」が問われる段階へと進化していることを立証する結果となった。

04年冬は、ニット帽の被り口を折り曲げず、深く顔の輪郭ギリギリまで目深に被り、後頭部に緩やかな弛み、余裕を持たせて被るのがポイント。顔の幅を狭く、後頭部をちょっと長めに見せることで、「外人っぽく」アタマを小さく見せることで、全身のバランスをとるというわけだ。

『メンズノンノ』や『Boon』などのスナップを見ると、スタイリストの野口強さんや祐真朋樹さん、「ナンバーナイン」の宮下貴裕さん、「プレッジ」三浦秀教さん、仏セレクトショップ「コレット」のプレスのギヨーム・サルモンさん、そして、藤原ヒロシさんやNIGOさんなど、スタイリストやショップのオーナー・ディレクター、DJ、編集者など、ギョーカイ系の人が多いことが判明。

思えば、01年〜02年は団塊ジュニアを中心にストリートとモードが融合し、いったんは「キレイめ」へとシフトしたメンズファッション。03年はさらに若いティーンズ層を中心に、フラボアやカンナビスなどに代表されるカゲキで行き過ぎなレイヤードのドメ・ブラがトレンドになったのは記憶に新しい。

そして迎えた04年、行き過ぎたドメ・ブラ系スタイルを封じるかのように、ストリートの定番であるシンプルな古着やリメイクものなど、「一見汚く見える(=notキレイめ)」アイテムを、「あえてストリートっぽく」「無造作」に着こなすギョーカイ系団塊ジュニア層が台頭。「ストリート系の上級者テク」に憧れるティーンズを巻き込み、今再びトレンドとなっているようだ。


※ちなみに、本サイト「Whoユs who」でご紹介した『LEON』編集部の特集班チーフの干場義雅さん(30)も、インタビュー当日はライダースJKにニット帽の深被りで登場。↓
http://www.web-across.com/special_issue/d6eo3n0000005h3z.html

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