定点観測
2003.09.6

#273 | 実施日 : 2003.09.6 | 最高気温 : 31.5 | 最低気温 : 23.2 | 天候 : 晴れのちくもり

273定点観測・解説


■2003年9月6日(土)実施:女性ブラウン・アイテム着用、うちブラウン・トップス着用

東京織物卸商業組合/FIC事業部
の03年秋冬のトレンドカラー・
データより作成
上から2段めより下が、今回「ブラウン」
と定義づけた色だ。

相変わらず、トレンドは微妙なニュアンスカラー

9月に入り残暑が厳しくなったことも手伝って、次のトレンドが見えにくいこの時期。連日のプレサーベイを経て迷いに迷った末、今回は「ブラウン」という色に着目することにした。茶色でも茶系でもなく、ベージュ系、アースカラーでもない「ブラウン」という色。その定義は、明度と彩度を抑えたやや赤みがかった茶色の総称ということにした。

思えば今春からのトレンドカラーであるスモーキーでくすんだピンク・ベージュは、夏を過ぎ、女の子はもとより、「ナル男くん(ナルシスト系の男の子)」や「フェミ男くん(女の子のようにファッショントレンドを過度に意識する男の子)」を中心に、男の子にまで浸透。デザインされたトップスやボトムスをズルズル〜、だらだら〜と、過度に重ね着をする「レイヤード・スタイル」は、そろそろ男女ともに過渡期にきているといえそうだ。

その浸透課程において、ピンク・ベージュから徐々に赤みが加わり、彩度も明度も抑えめとなり、モカ〜ココア〜コゲ茶色〜チョコレート色と色みに変化が表れていったようである。おそらく今秋冬は、さらに紫みが加わりバーガンディー、ボルドー系へと移行していきそうな予感がする。

アイテムで注目されるのは、やはりトップス。デザイントップスをはじめ、深いVネックのベストやカーディガン、ボレロ風のショート丈ベスト、または、それらを肩にはらりと羽織っていたりといったレイヤード・スタイルが目立った。

いずれにしても、今年のトレンドカラーは、「何色」とはっきりと表現できないのが特徴でもある。色彩テーブルなどで調べてみると、生成りやキャメル、カーキといった黄系や緑系ではなく、赤系〜マゼンタ系の範囲内で表現される「微妙なニュアンス・カラー」といったところだろうか。

洋服以外では、渋谷、原宿、新宿、ともに先月と比べてヘアの色も若干明るめの「ナチュラルな茶色」へとシフトしていた点も注目。さらに、01年9月、02年9月と過去2年間、連続して「黒」を取り上げており、新宿地点と渋谷地点では、30代、40代を中心に「ブラウン」と二分するほど、「黒」が多かった。

ちなみに、いろいろな雑誌を春頃発行したものから最新号まで改めてチェックしたところ、『PS』の9月号で「ショコラ・アイテム」と紹介されていた他は、「ブラウン」に関する目立った記事は見出せず、どちらかというと「黒」×「モード」なスタイルが今秋冬のトレンドとして掲載されていたようだ。

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